Furusawa Keisuke's blog

政治から映画、アニメ、将棋まで幅広く語ります。

最近見た映画の感想(第265回)

・『幽閉者』 本ブログではここ最近、若松孝二監督の作品を集中的に取りあげている。本日の一発目はそんな若松監督……ではなく(w)、彼の盟友であった足立正生監督による作品である。 おそらくはイスラエルをモデルにしたと思しき、中東の架空の国家。そこ…

書評『谷川雁革命伝説』

先月取り上げた評伝『渡辺京二』のなかで、評論家・渡辺京二に影響を与えた思想家として吉本隆明などと並んでその名が挙げられるのが、谷川雁(1923‐1995)である。 本日ご紹介する本は、そんな谷川の生涯に迫った評伝『谷川雁革命伝説 一度きりの夢』(河出…

書評『地球外生命体』

僕が個人的に注目している自然科学系の書き手として、サイエンスライターの竹内薫さん、宇宙開発技術者の小野雅裕さん、そして天文学者の井田茂さんの名を挙げることができる。 井田さんの書く文章は、とても読みやすく、分かりやすい。だが、単に分かりやす…

書評『知中論』

最近、僕が注目している中国ウォッチャーのひとりが、ノンフィクション作家の安田峰俊さんだ。 本日ご紹介する本は、そんな安田さんの『知中論 理不尽な国の7つの論理』(星海社)である。 かつて大学時代に東洋史を専攻、修士号まで取得したという安田さん…

最近見た映画の感想(第264回)

前回に引き続き、今回も若松孝二フェアなのだよ。 ・『処女ゲバゲバ』 富士の裾野。若い男女が拉致され、女はなんと十字架にかけられてしまう。男のほうは、これまた若い男女からなる犯行グループによって殴る蹴るの虐待を受けるが、スキをついて反撃、グル…

書評『習近平が隠す本当は世界3位の中国経済』

昨日は『台湾人と日本精神』という本を取り上げた。 その本のなかで、「運命共同体としての台湾と日本」と題された一節があった。まさしく然り、台湾と日本は中国に対峙するという意味でまさに運命共同体にほかならない。 ではその中国のほうは、これから先…

書評『台湾人と日本精神』

徴用工問題をめぐる韓国内での裁判の判決が、日韓関係に極めて暗い影を投げかけている。 ironna.jp 00年代まで、日本人の対韓感情は――いわゆるネット右翼層を別にすれば――決して悪くはなかった。この時期、対中感情は悪化する一方だったが、対韓感情のほうは…

書評『科学予測は8割はずれる』

「僕も将来、若手論客になりたいです!」などと困った夢を抱いてしまっている(w)物書き志望の若い人たちに対しては、僕は「科学史と科学哲学を勉強しろ!」と助言することにしている。 どうしてか。これら二分野は、「文系の人間も理系の人間もどちらもや…

書評『危機の宰相』

20世紀において、日本社会が最も変化したのは、いつか。 「そりゃあやっぱり、終戦でしょ」 そう多くの人が言うだろう。たしかに、ある意味ではこれは当たっている。終戦によって、この国の法体系は根本から変わったからだ。 だがそれはあくまで、マルクス主…

書評『「リベラル保守」宣言』

本ブログではこれまで、政治学者・中島岳志さんの著作をたびたび取り上げてきた。 本日ご紹介する本は、中島さんの『「リベラル保守」宣言』(新潮社)である。 「え、リベラル保守? それってなんか……矛盾してない?」 いいえ、矛盾なんかしておりません。 …

書評『観光コースでないウィーン』

僕は、5年以上前、1月のウィーンに行ったことがある。 ウィーンは、とても魅力的な街だった。このときの旅行で、僕は隣国・ハンガリーの首都・ブダペストも訪れたのだが、ブダペストがなんというか、いかにも「古都~」といった趣きなのに対して――これには、…

最近見た映画の感想(第263回)

・『ピンクリボン』 むかしむかし、まだエロサイトもAVすらもなかった時代、男性諸君の欲望を満たしてくれたのが、ピンク映画であった。 その内容ゆえに白眼視されがちなピンク映画であるが、意外や意外、後に巨匠とまで呼ばれるようになる有名な映画監督…

書評『反体制エスペラント運動史』

人工言語・エスペラントの存在を知ったのは、僕が中学生のころだ。 当時、語学全般に関心を持ちはじめていた僕は、その流れでエスペラントのことも知ったのだった。 エスペラントは、19世紀末にザメンホフという眼科医――プロの言語学者ではない――によって考…

2018年10月のまとめ

気候 今年の10月は、台風とともに幕を開けた。 この台風、とにかく風が強い。僕が東京に越してきてもう10年以上経つが、これほど狂暴な台風は初めてだ。ひさびさに、台風に恐怖を抱いた。 その翌日は、一転、今度は季節外れの炎天下となった。前日台風が大暴…

2018年秋アニメー10月までの感想

今日は例によって、この10月から放送の始まった秋クール深夜アニメに関する感想を、ごくごく簡単に書いていくこととします。 ・『ソードアート・オンライン アリシゼーション』 僕は『ソードアート・オンライン』(SAO)シリーズが大好き! アニメ第1期、…

書評『労働者階級の反乱』

イギリスのEU離脱――いわゆる「ブレグジット」(Brexit)は、世界の人々に大きな衝撃を与えた。 僕の母でさえ、ブレグジットのあおりを受けて株価が暴落したことに憤って「まったく、イギリス人どもはなんてことをやらかしてくれたんだろうねぇ!」とおかん…

書評『中国GDPの大嘘』

僕が高橋洋一さんの存在を強く意識するようになったのは、例のモリカケ騒動がきっかけだった。 マスコミがこぞって「ますます疑惑が深まった!」とオウム返しのように連呼するなか、高橋さんはtwitterなどにてエビデンスを豊富に挙げながら、官邸による介入…

書評『スモールハウス』

僕は、『方丈記』の鴨長明や『徒然草』の吉田兼好に憧れてしまう。 僕も彼らのように庵を結んで、隠遁して暮らしたいなぁ、とときおり思うのだ。 でも中世ならまだしも、この21世紀の現代で、庵で生活なんて無理だよね~、と諦めかけていたところ……案外、そ…

最近見た映画の感想(第262回)

・『エロティックな関係』 監督におなじみ若松孝二、主演に宮沢りえ、ビートたけし、そして内田裕也といったビッグネームを揃えたのが、本作。基本的にはお気楽な観光映画として楽しめる一作だ。 パリの街を舞台に、内田演じる日本人探偵と宮沢演じる女性秘…

書評『ペルソナ 三島由紀夫伝』

本ブログではこれまで、三島由紀夫に関する評伝をいくつか取り上げてきた。 さぁ、本日はこの方にご登場いただくとしよう(w ノンフィクション作家の、猪瀬直樹さんである。 本ブログでは以前、猪瀬さんの『天皇の影法師』を取り上げたことがある。彼の文章…

最近見た映画の感想(第261回)

・『エンドレス・ワルツ』 実在した天才的サックス奏者・阿部薫(1949‐1978)とその妻・鈴木いづみの生涯を描いた作品。監督は、本ブログではもはやおなじみ、若松孝二監督だ。 1970年代。サックス奏者である阿部と作家である鈴木のふたりが結婚する。だが天…

書評『理想郷としての第三帝国』

僕は子供のころ、オカルトが大好きだった。 UFO、宇宙人、超古代文明……今思い出してみても、当時の胸のわくわくがよみがえってくるほどだ(w 「ウチの息子がオカルトにはまってしまって困っています。一体どうすれば……」というお母さんの投書を、たまに…

書評『China 2049』

10月4日、米国のペンス副大統領が行った演説が、波紋を呼んでいる。 それがまさしく“米中新冷戦”の到来を告げる、歴史的な演説であったからだ。 gendai.ismedia.jp 本日ご紹介する本は、上に挙げた長谷川幸洋さんの記事でも言及されている『China 2049 秘密…

書評『論文の教室』

昨日は、『難解な本を読む技術』という本を取り上げた。 さぁ、「読む」の次は、「書く」だ(w 実を言うと、僕はこの「書く」という行為が、どうにも苦手なのだ。 「またまたぁ!(w そんな、毎日こつこつブログを更新なさってる方がご謙遜を(w」 と笑わ…

書評『難解な本を読む技術』

僕は、毎日こつこつ本を読んでいる。年間で、だいたい250冊くらい読んでいるだろう。 人からは「すごいですねぇ! よくそんなに読めますね(w」と褒められるのだが、僕としてはそろそろ読書のやり方を改めたほうがいいかな、と思っている。 簡単にいえば、…

最近見た映画の感想(第260回)

・『gifted/ギフテッド』 英語で"gifted"とは「才能がある」という意味である。才能は神からの贈り物(gift)だというキリスト教的な発想に基づくのだろう。 本作は、小学1年生でありながら天才的な数学の才能を持った少女のお話である。 少女の母親は天才数学…

書評『第四間氷期』

僕は子供のころ、物語文というのがどうにも好きではなかった。 今でもそうだ。小説にはあまり興味がなく、日本の作家でわりと本格的に読んだことがあるのは三島由紀夫と村上春樹くらいのものである。 それよりかは自然科学の本のほうが好きで、よく読んでい…

書評『保守の真髄』

評論家、西部邁さん(1939‐2018)の晩年の著作は、どれもこれも、“遺書”という趣きが色濃い。 彼は人生の最期に、自らの社会観、人生観などを次世代に向けて語りつくしてから、旅立ちたかったに違いない。 本日ご紹介する『保守の真髄 老酔狂で語る文明の紊…

書評『若松孝二 反権力の肖像』

本ブログでは最近、映画評にて、映画監督・若松孝二(1936-2012)の作品を取り上げている。 『赤軍‐PFLP 世界戦争宣言』と『千年の愉楽』だ。 僕が劇場で最初に見た若松監督の映画は、『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』だったと記憶している。場所は………

書評『大人の教養として知りたい すごすぎる日本のアニメ』

1980年代のころからアニメないしアニメ評論の世界で活躍しているのが、「オタキング」こと評論家の岡田斗司夫さんである。 もっとも、アニメファンでない一般の人々は、もしかしたら彼のことを「ダイエットの人」として認識しているかも知れない(w)。岡田…