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Furusawa Keisuke's blog

政治から映画、アニメ、将棋まで幅広く語ります。

書評『収容所群島』

保守とは本来、自由を擁護する立場である。 全体主義の脅威から人々の自由を守ることこそが、保守の務めなのである。 これは、とても重要なことだと思うのだが、残念なことに日本の“保守”の人々はこの点を十分に理解しているとは言いがたく、なにかというと…

書評『知性とは何か』

最近、人口に膾炙するようになったのが、「反知性主義」なる言葉である。 反知性主義ーなんだか、わかるような、わからないような、不思議な言葉だ。一体、反知性主義とは何なのだろうか。 というわけで今日ご紹介するのは、元外交官にして作家の佐藤優さん…

書評『動乱のインテリジェンス』

元外交官にして作家の佐藤優さんと、外交ジャーナリストの手嶋龍一さんは、2006年にタッグを組んで、『インテリジェンス 武器なき戦争』(幻冬舎)を著した。 論壇における名コンビの誕生である。 以来、ふたりはたびたび対談本を世に出している。 今日ご紹…

書評『佐藤優の10分で読む未来 新帝国主義編&戦争の予兆編』

いやはや、時評なるものを書ける評論家さんって、すごいね。 評論家の先生の時評を読んでいると、おびただしい量の情報が脳みそのなかに洪水のように流れ込んできて、頭がクラクラしてくる。 しかしそれは同時に、心地よい疲労でもある。 今日ご紹介する『佐…

書評『英EU離脱 どう変わる日本と世界 経済学が教えるほんとうの勝者と敗者』

上念司さんと並んで、僕が個人的に一目置いている経済評論家に、安達誠司さんがいる。 今日ご紹介する『英EU離脱 どう変わる日本と世界 経済学が教えるほんとうの勝者と敗者』(KADOKAWA)は、安達さんが、昨年夏のイギリスの国民投票に基づくEU離脱ーい…

最近見た映画の感想(第144回)

・『ジェラシー』 中欧の都・ウィーン。主人公のアメリカ人精神科医が、チェコスロバキア(当時)から渡ってきた人妻とひかれあう。 ところがこの女、実にメンドクサ~イ女で(w)、フランソワ・トリュフォー監督が好んで描きそうなメンヘラ女なのであった…

書評『冲方丁のライトノベルの書き方講座』

作家の冲方丁(うぶかた・とう)さんは、ライトノベルから一般文学、さらにはゲームのシナリオまで、幅広い分野で活動している人物である。 彼にとって初の時代小説である『天地明察』はベストセラーとなり、映画にまでなった。 僕も見ました、映画は。 原作…

書評『政治って何だ!? いまこそ、マックス・ウェーバー『職業としての政治』に学ぶ』

今日ご紹介するのは…タイトルを見れば一目瞭然ですね(w)、マックス・ウェーバーの名著『職業としての政治』についての対談本である。 対談するのは、元外交官にして作家の佐藤優氏と、元衆院議員の石川知裕氏のおふたり。 どうしてどちらの肩書にも「元」…

書評『この世で一番おもしろいミクロ経済学』

先日、このブログで、カートゥーン(欧米の漫画)による経済学の入門書『この世で一番おもしろいマクロ経済学』を取り上げた。 今日は、その姉妹版である『この世で一番おもしろいミクロ経済学』(ダイヤモンド社)をご紹介するとしよう。 著者、訳者、イラ…

書評『死の家の記録』

19世紀ロシアを代表する文豪・ドストエフスキーは、若い頃に流刑を経験したことで有名である。 青年期の彼は、空想的社会主義のサークルに加入しており、それが原因で官憲によって逮捕されてしまったのだ。 彼は死刑判決(!)を受けたものの、執行直前にな…

書評『棋を楽しみて老いるを知らず』

将棋棋士には、名文家が多い。 あれだけ地頭の良い人たちなのだから、当然といえば当然なのかもしれないが、美しい棋譜のみならず美しい文章をも残した棋士は、数多い。 将棋棋士のなかで最も文章が達者なことで知られたのは、やはりなんといっても河口俊彦…

書評『この世で一番おもしろいマクロ経済学』

先日は、子供向けの絵本でありながら優れた経済学の入門書でもある『レモンをお金にかえる法』およびその続編『続・レモンをお金にかえる法』をご紹介した。 でも、「…いくらなんでも、大の大人が絵本だなんて、やっぱり恥ずかしいよ…」というシャイな方も当…

書評『レモンをお金にかえる法』&『続・レモンをお金にかえる法』

子供向けの絵本は、ときに大人向けの一般の書物以上に、読者に効用を与えることがある。 平易な言葉で書かれており、それでいて物事の本質をよく捉えているので、我々大人が読んでも、面白く、ためになるのだ。 断じて、子供向けの絵本だからなどという理由…

書評『最新 惑星入門』

自然科学はどれも日進月歩で進歩しているものばかりだが、そのなかでもとりわけ長足の進歩を見せているのが、天文学だ。 つい先日も、地球と似たような環境にあると考えられる太陽系外惑星が一挙に7つも発見されるというニュースが報じられたばかりだ。まだ…

最近見た映画の感想(第143回)

・『ハード・ターゲット』 香港出身のジョン・ウー監督にとって、記念すべきハリウッドデビュー作となった映画。アクションが得意の彼らしく、全編にわたってアクションシーン盛りだくさんの作品となった。 米南部・ニューオーリンズ。ホームレス男性がナゾ…

書評『軍事大国ロシア』

先日このブログで著書を取り上げたネクタイを結べない浅羽祐樹教授と並んで、twitterユーザーの間で強く支持されているのが、ロシアを専門とする軍事アナリスト・小泉悠(こいずみ・ゆう)さんだ。 彼はtwitter上にて、本名をもじった「ユーリ・イズムィコ」…

書評『共産主義を読みとく いまこそ廣松渉を読み直す 『エンゲルス論』ノート』

元外交官にして作家という異色の経歴を持つ、佐藤優氏。 先日は彼の講演録『現代に生きる信仰告白 改革派教会の伝統と神学』(キリスト新聞社)をご紹介したが、今日取り上げる彼の著作『共産主義を読み解く いまこそ廣松渉を読み直す 『エンゲルス論』ノー…

書評『現代に生きる信仰告白 改革派教会の伝統と神学』

僕は前々から、宗教に関心がある。 現時点で、どこか特定の宗教に入信するつもりは全くないけれどだから折伏にきたってムダですからねなんらかのかたちで宗教に強くコミットしている評論家の先生方の本を、僕は好んで読んでいる。 今回ご紹介する著作、『現…

最近見た映画の感想(第142回)

・『9月になれば』 アメリカ人の大金持ちの主人公。毎年9月になるとイタリア人の愛人とともにイタリアの別荘で過ごすのが常である。ところが彼は今年に限って、なんと7月にイタリアへ来てしまった。 予想外の事態に大慌てなのは、別荘の管理人。なんと、主…

ニュージーランドは大陸だった!

ニュージーランドといえば、南太平洋に浮かぶ島国であり、我々日本人の間でも人気の観光地のひとつです。 そのニュージーランドが、なんと大陸として認定されそうだ、という話を今ここでしたら、みなさんきっと驚かれることでしょうね! 2月17日、ニュージー…

書評『したたかな韓国 朴槿恵時代の戦略を探る』

韓国大統領・朴槿恵。その悲惨すぎる末路は、まさにレームダック(死に体)と呼ぶにふさわしいものがあった。 2016年10月に発覚した、友人・崔順実の国政介入問題ーいわゆる「崔順実ゲート事件」によって、支持率はなんと4%(!)にまで低下。これだけでも…

書評『韓国化する日本、日本化する韓国』

最近つくづく思うことだが、いわゆる「ネット右翼」は、ある意味では勝利したと言えるのではないだろうか。 …こう反論されるに違いない。いわゆる「ネット右翼」の代表的人物とされる桜井誠氏は、2016年夏の東京都知事選で落選したではないか、と。 確かにそ…

2017年2月のまとめ

2月は他の月と比べると日数が少ないので、あっという間に終わってしまいますね。 それでは、今月を振り返っていきます。 ・気候 2月は真冬だから当然まだ寒いんだけど、2月の上旬には「立春」があって、昔はここから春が始まるとされていた。 たしかに、2月…

【将棋】連盟、理事3人を解任

将棋棋士の三浦弘行九段が、ソフト不正使用疑惑をもたれ、出場停止処分を受けたものの、後に冤罪と判明した、いわゆる「三浦九段冤罪事件」。 この事件をめぐって、ついに将棋連盟の理事が解任される事態にまで発展しました。 www.huffingtonpost.jp 日本将…

最近見た映画の感想(第141回)

・『ボーン・コレクター』 黒人の名優、デンゼル・ワシントンの出演映画には、外れがない。 社会派作品に好んで出演する彼だが、一方で、スリルある知的な娯楽作品にだって出ている。もちろん、どの映画のなかでも、黒人俳優としてはやや珍しくーというのも…

書評『ゴーマニズム宣言SPECIAL 大東亜論 巨傑誕生篇』

90年代最大の評論家は、小林よしのりである。 …もちろん異論は多々あるだろう。だが、彼の風刺漫画(※)『ゴーマニズム宣言』は、90年代当時、他の論壇誌を尻目に、飛ぶような売れ行きを見せたのである。 その内容についてはひとまず措くとしてーしたがって9…

最近見た映画の感想(第140回)

・『うたかたの恋』 19世紀のオーストリア。皇太子ルドルフが、男爵令嬢マリーと恋に落ちてしまう。が、この身分違いの恋に、当時に世間の風当たりは実に冷たかった。ふたりはついに、心中を決意する… 本作は、1889年に実際に発生した「マイヤーリング事件」…

「地球の7つの妹」、見ぃ~つけた!

数日前、NASAが22日(日本時間23日未明)に緊急記者会見を行うとの報道がなされ、ネット上ではちょっとした騒ぎになりました。 「…なんてったって、あのNASAが『重大な発見について報告』するというのだから、きっとものすごい世紀の大発見なんだろ…

書評『動的平衡 生命はなぜそこに宿るのか』

先日は、鴨長明『方丈記』を取り上げた。 『方丈記』のなかでも、以下の冒頭部分はとみに有名だ。 ≪ゆく河のながれは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。よどみに浮かぶうたかたは、かつ消え、かつむすびて、久しくとどまりたるためしなし。≫ 思うに、こ…

書評『方丈記』

わが国において、『枕草子』、『徒然草』と並ぶ三大随筆に数えられているのが、鴨長明『方丈記』である。 どうしてまた、唐突に『方丈記』なんか読む気になったかというと、お世話になっている、とある評論家の先生が、飲み会の席にて「(『徒然草』の吉田兼…

【将棋】外国人女流棋士、誕生へ

史上初となる外国人女流棋士が誕生しました。 本日(20日)、ポーランド出身のカロリーナ・ステチェンスカさんが女流名人戦予選2回戦に勝利。規定により、史上初の外国人女流棋士となることが決まりました。 www3.nhk.or.jp ポーランド人のカロリーナさんが…

最近見た映画の感想(第139回)

・『アンナとシャム王』 タイ国王と英国人女性のロマンスを描いた小説『アンナとシャム王』は、どういうわけだかアメリカではやたらと人気があるようで、これまでに何度も映画化ないし舞台ミュージカル化されている。 今回ご紹介する本作は、1946年に公開さ…

今日は、冥王星の日!

本日2月18日は、「冥王星の日」です。 1930年のこの日、米国の天文学者クライド・トンボ―氏が冥王星が発見したことにちなむものです。 2015年夏、この冥王星に、はじめて探査機がフライバイ(接近探査)を行いました。これにより、従来はごく限られたものだ…

書評『この世界が消えたあとの科学文明のつくりかた』

「科学文明が滅んだあとの世界」というのは、我々近代人が好んで想像してきたテーマである。 実写映画では『マッドマックス』シリーズがこうした世界観を前提にしているし、アニメ映画では我が国の『風の谷のナウシカ』がやはり同様の世界観を前提としている…

プラネット・ナインを見つけよう!

当ブログでもたびたび取り上げている、仮説上の太陽系第9惑星「プラネット・ナイン」(P9)。 とてもロマンのある話ですが、正直、自分とは関係のない、遠い遠~い世界の話だと思ってはいませんか? 今回は、そんなあなたでもP9の発見者になれるかもしれ…

書評『帰ってきたヒトラー』

なんでも、ヒトラーの生家の近くで、彼のそっくりさんが逮捕されたのだそうな。 www.jiji.com このニュースを見て、映画『帰ってきたヒトラー』を思い出してしまったのは、僕だけではないはずだ(いや僕だけかな?w) 『帰ってきたヒトラー』は、タイトルの…

先日の『日曜美術館』が神回だった件

僕が毎週楽しみに見ているテレビ番組のひとつに、Eテレ『日曜美術館』(日曜朝9:00‐10:00)がある。 先日(12日)の放送では、宋代中国の青磁が特集されていた。 ちょうど今、大阪市立東洋陶磁美術館にて、「台北 國立故宮博物院―北宋汝窯青磁水仙盆」なる…

【将棋】三浦九段、公式戦に復帰!

“彼”がついに、将棋の世界へと帰ってきました。 本日(2月13日)、東京・千駄ヶ谷の将棋会館にて、三浦弘行九段が4カ月ぶりとなる公式戦を迎えました。相手はなんと、あの羽生善治三冠です! www3.nhk.or.jp 三浦九段は、将棋界のトップ10が集う順位戦A級ク…

最近見た映画の感想(第138回)

・『フューリー』 ブラッド・ピット主演の同名の戦争映画ではありません。主演カーク・ダグラス、監督ブライアン・デ・パルマによるSFスリラー映画だ。 カーク・ダグラス演じる、元諜報員の主人公。息子とともに休暇でアラブ諸国を訪れていたが、そこでな…

最近見た映画の感想(第137回)

・『愛の勝利』 かなりツンツンした性格の、金持ち娘のヒロイン。だが彼女の身体はすでに病魔に侵され、手遅れとなっていた…。 主人公の医師は、彼女を診ているうちに、次第に男女の仲となってしまう。当初は彼女に配慮して病状を伏せていた主人公だったが、…

書評『持たない幸福論』

京大卒(!)というエリートながら、自ら「ニートのプロ」を名乗り、なるべく働かなくて済むライフスタイルを模索しているのが、ブロガーのpha(ファ)さんだ。 彼の言動には、個人的にとても注目している。 今日ご紹介するのは、そのphaさんの二冊目の単著…

書評『円高の正体』

今回ご紹介するのは、わかりやすい解説に定評のある経済評論家・安達誠司さんによる、円高解説本だ。 「てゆーか、そもそも円高って、何?」「ど~いう人にとって得で、ど~いう人にとって損なの?」というヒジョーに初歩的なレベルから解説をしてくれる。「…

書評『地下室の手記』

以前、僕の友人が、19世紀ロシアの文豪ドストエフスキーの本領は「ウ○コ凝視力」にある、と言っていた。お食事中の方、ごめんなさいね(;^ω^) 人間が思わず目を背けてしまいたくなるような醜悪なものを、にもかかわらずじっと凝視し、観察し続けることーそれ…

書評『ユーロの正体 通貨がわかれば、世界が読める』

上念司さん、片岡剛士さんとならんで、僕が一目置いている経済評論家に、安達誠司さんがいる。 今回ご紹介する『ユーロの正体 通貨がわかれば、世界が読める』(幻冬舎新書)は、2009年以降に顕在化したユーロ危機について大変わかりやすく解説してくれる著…

【将棋】連盟新会長に佐藤康光九段

将棋界が新しいトップを迎えました。 谷川浩司・前日本将棋連盟会長の辞任にともなう臨時総会および理事会が本日(6日)、東京・千駄ヶ谷の将棋会館にて行われ、佐藤康光九段が新会長に選出されました。 www.asahi.com 佐藤新会長は、あの羽生さんと同世代。…

書評『ロシア異界幻想』

皆さんは、『ナイト・ウォッチ』というロシア映画をご存じだろうか。 VFXをふんだんに駆使した映像ゆえに、日本公開にあたって勝手に「ロシア版マトリックス」として宣伝され、観客から「期待外れだった」と言われてしまったという、なんともトホホな映画…

書評『コストを試算!日米同盟解体』

昨日(3日)、来日中のマティス米国防長官が「尖閣諸島は日米安保条約の適用範囲内」と明言、ニュースになった。 トランプ大統領は、選挙期間中、「日韓から米軍を撤退させ、かわりに日韓に核武装させる」という趣旨の発言をした経緯があるため、トランプ政…

最近見た映画の感想(第136回)

・『愛人ジュリエット』 留置所にぶち込まれた、主人公の男。そこで彼は、不思議な夢を見る。 夢のなかで彼は、過去の記憶を喪失した人々によって構成される謎の世界「忘却の国」を彷徨っていた。彼はそこで、愛する女性ジュリエットの姿を認めるが、彼女は…

書評『国民のための戦争と平和の法』 

先日は社会学者・小室直樹先生(1932-2010)と評論家の渡辺昇一氏(1930‐)の対談本を取り上げた。 今日は小室先生と元外交官の色摩力夫氏(1928‐)の対談本『国民のための戦争と平和の法』(総合法令)を取り上げるとしよう。 なお、小室、色摩両先生の対談…

書評『封印の昭和史―戦後50年自虐の終焉』

私は先月(1月)を「小室直樹月間」と位置づけ、社会学者の小室直樹先生(1932-2010)の著作を集中的に読み続けてきた。 それらの著作の多くについて、このブログで書評を書いてきたが、実を言うとまだ2点、書評を書いていない著作がある。 今日はそのうち…