Furusawa Keisuke's blog

政治から映画、アニメ、将棋まで幅広く語ります。

最近見た映画の感想(第188回)

・『ラスベガス万才』 我らがエルヴィス・プレスリー主演の青春映画。1963年公開。 これまで本ブログでは、エルヴィスの主演作品を多く取り上げてきたが、本作は特によろしい。 ラスベガスの色鮮やかなネオン広告がスクリーンいっぱいに描かれる冒頭からして…

書評『悩める日本共産党員のための人生相談』

筆坂秀世さんは、元共産党のナンバー4。 ところがまぁいろいろあって(w)――詳しくは彼の著作『日本共産党』(新潮社)を参照のこと――現在ではむしろ、保守派の論客におさまっている。 本著は、まさにタイトルの通り、元共産党幹部の筆坂さんが現役共産党…

書評『バカでもわかる戦争論』

本ブログでは以前、タイトルもズバリ『バカでもわかる思想入門』(新潮社)なる書籍を紹介したことがある。 文芸評論家・福田和也さんが、新潮社の名物女性編集長「オバはん」相手に、分かりやすく思想・哲学を講義するという著作だった。 この「バカでもわ…

書評『日本史の英雄』

今回ご紹介する書籍『日本史の英雄』(扶桑社)は、まさにタイトルのとおり、日本史における英雄たちについて解説してくれる本だ。 解説を担当するのは、憲政史家の倉山満さん。 本ブログではこれまで、倉山さんの単著『保守の心得』のほか、経済評論家・上…

書評『戦争の日本中世史』

今年の2月ころのこと。 個人的にコミットしている、ある保守系の政治サークルの懇親会に参加した折、「最近、応仁の乱をテーマにした新書が売れててさぁ~」という話題になった。 日本史マニア――いわゆる「歴女」も含む――の関心がたいていの場合、「戦国」と…

書評『血盟団事件』

本ブログではこれまで、戦前右翼に対して外在的ならぬ“内在的”なアプローチを試みた評論家として、松本健一さん(1946‐2014)、橋川文三さん(1922‐1983)、渡辺京二さん(1930‐)、片山杜秀さん(1963‐)らを取り上げてきた。 彼らよりもう少し下の世代とな…

書評『禅と福音』

本ブログではここ最近、曹洞宗の僧侶・南直哉(みなみ・じきさい)さんの著作をやや集中的に取り上げている。 今回ご紹介するのは、南さんの単著ではなく対談本。タイトルからも分かるとおり、キリスト者との対話である。 対談相手の来住英俊(きし・ひでと…

書評『老師と少年』

本ブログではここ最近、曹洞宗の僧侶・南直哉(みなみ・じきさい)さんの著作をやや集中的に取り上げてきた。 今日ご紹介する『老師と少年』(新潮社)もまた、南さんの著作のひとつである。が、これまでとはかなり毛色の異なる作品だ。 これまでの著作はみ…

書評『語る禅僧』

本ブログではここ最近、曹洞宗の僧侶・南直哉(みなみ・じきさい)さんの著書をやや集中的に取り上げている。 今日ご紹介するのは、そんな南さんのデビュー作『語る禅僧』(筑摩書房)だ。本著刊行当時、南さんはまだ曹洞宗の総本山・永平寺の修行僧の身分で…

最近見た映画の感想(第187回)

・『ヤング・ヤング・パレード』 1962年は、シアトル万博が開催された年であった。 今やシアトルの街のランドマークとなっている「スペースニードル」は、何を隠そう、このシアトル万博の際に建設されたものなのだ。 そんなシアトル万博と、我らがエルヴィス…

書評『教養としての10年代アニメ』

21世紀も17年目に突入した昨今、アニメはもはや、一部のマニアックな人々向けの特殊な趣味などでは、断じてなくなった。 今や、アニメがきっかけで中心街に活気が戻った!と喜んでいる地方自治体すら存在するほどなのである(例:我が郷土、静岡県沼津市)。…

書評『ドストエフスキイの政治思想』

19世紀ロシアが生んだ文豪・ドストエフスキー。 彼の文学は、驚くべきことにこの21世紀の現代になってもなお、色あせていない。 彼の長編小説のひとつ『悪霊』を読んだとき、僕はたいそう驚いた。 そこでは政治サークルの様子が描かれており、なにかと「女性…

書評『神風連とその時代』

本ブログではこれまで、戦前右翼の「内在論理」を掴もうとした評論家として、松本健一さんや橋川文三さんなどを取り上げてきた。 今日は、この人を取り上げようと思う。 評論家の渡辺京二さん(1930‐ )である。 渡辺さんはこれまで、在野の知識人として、戦…

書評『BL進化論』

世はまさに、大BL時代である。 嘘だと思うなら、twitterのキーワード検索で試しに「トランプ 安倍」と入力してみるといい。 そこには検索候補として「トランプ 安倍 bl」なる文字が、ちゃんと表示されるはずである。 日米首脳の史上稀に見るほどの蜜月ぶ…

書評『なぜこんなに生きにくいのか』

最近、本ブログでたびたび著作を取り上げている、曹洞宗の僧侶・南直哉(みなみ・じきさい)さん。本日ご紹介する『なぜこんなに生きにくいのか』(講談社)も、この南さんの著書である。 見ての通り、今回はかなり直球のタイトルだ。南さん自身の心の叫び、…

最近見た映画の感想(第186回)

・『幸せになるためのイタリア語講座』 皆さんは「純潔の誓い」なる映画用語をご存知か。 セットを使わずロケ撮影すること、必ず手持ちのカメラで撮影すること、など、映画をつくる上での計10個の条件を、こう呼ぶのである。 この「純潔の誓い」に基づいて制…

書評『恐山』

twitter上で、こんな話を目にした。 ある独身男性が、訳あって、架空の妻と娘との日常話をブログ上にて毎日コツコツと書きつづっていた。ところが次第に、存在しないはずの妻と娘が彼の夢のなかに現れるようになった。彼はあわててブログを止めたのだという…

最近見た映画の感想(第185回)

・『燃える平原児』 本ブログではこれまで、ロックンロールの神様エルヴィス・プレスリー主演の映画をいくつか取り上げてきた。 本作『燃える平原児』もまたエルヴィス主演の映画のひとつであるが、これまでとはいささか毛色の異なる作品だ。 19世紀後半の米…

書評『刺さる言葉』

本ブログでも以前著作を取り上げた、曹洞宗の僧侶・南直哉(みなみ・じきさい)さん。 彼は今、青森・恐山にて院代(住職代理)をつとめている。 そんな南さんが、自らの生活や考えを日夜綴ったものが、ブログ「恐山あれこれ日記」だ。 その中からいくつかの…

書評『大学入試問題で読み解く「超」世界史・日本史』

先日は、評論家の片山杜秀さんの著作を取り上げた。 片山さんの物書きとしての強みは、極めて幅広い分野の情報を、ひとつのテーマのもと明快にまとめることができる、という点にある。 「それって、まさに入試対策にピッタリじゃあないか!」 …と編集者が思…

書評『本格保守宣言』

本格保守宣言 …ずいぶんとまた、挑発的なタイトルである。 「本格保守」ということは、「本格でない保守」もいるということである。しかも「宣言」がついているということは、今の時点ではその「本格保守」はおらず、これから自分がそれになるのだ、と著者が…

最近見た映画の感想(第184回)

・『メリー・ポピンズ』 ディズニーが誇るミュージカル映画の名作『メリー・ポピンズ』。 実を言うと、僕は本作を子供のころにちょっとだけ見た程度にすぎず、冒頭から結末までを通して見たことは一度もなかった。今回、初めて通して見たのである。 20世紀初…

書評『人間の安全保障』

はて、「人間の安全保障」とな? なにやら聞き慣れない言葉だが、「人間の安全保障」(Human Security)とは、アジアで初めてノーベル経済学賞を受賞したインドの経済学者アマルティア・センらが提案している概念である。 今日ご紹介する、タイトルもずばり『…

2017年夏アニメ感想(おまけ)&秋アニメ注目作

先日は、2017年夏アニメのなかから個人的に気に入った5作品を取り上げた。 今日は、先日取り上げられなかった作品について簡単に感想を書くと同時に、今月から放送の始まる秋アニメのなかから、個人的に注目している作品をいくつか取り上げてみたい。 ・『サ…

2017年9月のまとめ

気候 ふぅ、涼しい。助かった。 僕が暑いのが本当に本当に大嫌いだというのは、本ブログの読者の皆様ならよ~くご存知かと思う(w 7月、8月は、したがって僕にとっては地獄の季節に他ならないが、9月ともなると、まぁ昼間こそ暑いものの、夜になるとだいぶ…

2017年夏アニメ感想

月日がたつのは早いもので、もう夏クール放送の深夜アニメも終わりですね。 今回は、そんな夏アニメのなかから個人的に気に入った5作品を取り上げます。 1位『NEW GAME!!』 都内のゲーム会社を舞台に、女の子たちが<働くこと>を通じて社会的自己実現を目…

最近見た映画の感想(第183回)

・『ボブ★ロバーツ』 ひさびさに、本格的な社会派映画を見たなァ、と感じた。 米・共和党の若手政治家の選挙戦を描いた、疑似ドキュメンタリー形式の映画である。 主人公、ボブ・ロバーツ候補は上院選に出馬している保守派の政治家。若くてハンサムでおまけ…

書評『あなたの知らない道元と曹洞宗』

最近、曹洞宗に関心を持っている。 だが、只管打坐(しかんたざ;ひたすら座禅すること)を教義とする曹洞宗を理解するのは、なかなかに大変なことである。 小説『太陽を曳く馬』は難しい。南直哉さんの『『正法眼蔵』を読む』も読んだが、これもやはり難し…

書評『イスラーム思想史』

9.11から、早いもので今月で丸16年を迎えた。 あの衝撃的なテロ事件以降、わが国ではイスラームへの関心がにわかに高まった。 ある識者は言った。「今まで我々日本人は東洋(東アジア)と西洋(欧米)にばかり目を向けてきた。これからは『中洋』(イスラー…

書評『『正法眼蔵』を読む』

以前、本ブログにて、『太陽を曳く馬』という小説を取り上げたことがある。 そのなかで、なかなかに印象深い場面があった。 曹洞宗の僧侶たちが、曹洞宗の教義にもとづいて、オウム真理教を論駁するという場面である。 伝統宗教が、いかがわしい新興宗教から…