Furusawa Keisuke's blog

政治から映画、アニメ、将棋まで幅広く語ります。

「久しぶりに情熱をもつことができました」

昨日は「2014年で一番感動した言葉」として、白鵬関の「この国の魂と、相撲の神様が認めてくれたからこの結果があると思います」という言葉を挙げました。

今日は、二番目に感動した言葉として、将棋の森下卓九段の「久しぶりに情熱をもつことができました」という言葉を取り上げたいと思います。

 

森下卓九段は、1966年生まれ。

幼少のころから頭角を現し、将来を嘱望されていました。

ところが運命というのは残酷なもの。森下九段はすぐ下の世代である「羽生世代」―七冠王・羽生善治を中心とする、1970年前後に生まれた世代―に、タイトル戦などの晴れ舞台で何度も敗北、「無冠の帝王」という(厨二心をそそられるけど)ありがたくないあだ名をつけられてしまいました。

森下九段は結局無冠のまま40代後半を迎え、「淡々」が彼の座右の銘となります。

 

そんな森下九段に、転機が訪れます。

人間のプロ棋士とコンピューターソフトとが対局する「将棋電王戦」への出場が決まったのです。

森下九段は電王戦に備え、日夜、対戦相手であるコンピューターソフト「ツツカナ」と練習対局を続けました。そうしたなかで彼の心境に変化が訪れ、座右の銘が「淡々」から「情熱」へと変化したというのです。

森下九段とツツカナとの対局は、2014年4月5日に行われました。森下九段は自らの得意戦法の一つである「矢倉」でツツカナに立ち向かったものの、惜しくも135手で敗れてしまいました。

その直後、記者会見にて森下九段が口にしたのが、冒頭で取り上げた「久しぶりに情熱をもつことができました」という言葉なのです。

 

私事で恐縮ですが、私は昨年の暮れに30歳の誕生日を迎えました

私自身30になったのでよく分かるのですが、人間、30を過ぎると情熱がどんどん失われていくものです。

なんともオヤジくさい言い方になってしまいますが、やっぱり、若いモンにはかなわない。

 

だからこそ、40後半になって情熱を取り戻した森下九段の姿は、我々年長者(アラヤダ、一人称複数で語っちゃったよ!)に勇気と希望を与えてくれるのです。

 

電王戦には敗れたものの、情熱を取り戻した森下九段は、その後、快進撃を続けます。

NHK杯では20代若手のホープ、広瀬章人八段に快勝。

昨年大晦日に行われた「電王戦リベンジマッチ」では、自身が提案した「継ぎ盤の使用可(プロ棋士側が別の盤駒を使って考えられる)」ルールでツツカナと再度対局。年をまたいで翌1月1日の午前5時26分まで、対局開始から実に19時間以上(!)に及ぶ大熱戦を繰り広げました。

森下九段の疲労などを考慮して対局は「指し掛け」(対局中断)となり、152手目の局面から後日指し直されることになりました。

年をまたいでも白熱した戦いを続けた森下九段に、インターネット上で賞賛の声が多く寄せられたことは言うまでもありません。

 

老いにあらがって情熱を取り戻したベテラン棋士。今後の活躍が楽しみですねっ!