Furusawa Keisuke's blog

政治から映画、アニメ、将棋まで幅広く語ります。

イスラム国はイスラム世界の在特会である

フランスで新聞社が襲撃されるというテロ事件が発生した。

「あ~、これで例によって犯人がムスリムだったら、また『イスラム教DQN』という風潮が強まりそうでイヤだなぁ」と思っていたら案の定、イスラム過激派による犯行だった。

事件後、在仏はじめ各国のムスリムたちが犯行を非難する声明を次々と発表したことから分かるように、大半のムスリムは穏健かつ常識的な人々である。彼らからすればとんだ迷惑だろう。

 

思うに、イスラム世界におけるイスラム過激派―イスラム国とかアルカイダとか―の存在は、我が国の保守陣営における、いわゆる「行動する保守」―在特会とか主権の会とか―の存在と似ている。

要は過激な行動ばかりとって、マジョリティーである穏健な保守派に迷惑をかけているということだが、それだけではない。

 

昨年、イスラム国はネット上の自らの機関誌にて「奴隷制の復活」を宣言、欧米諸国をはじめ海外から大きな批判を浴びた。

これはあくまで「仮に」の話であるが、もしも私がイスラム国の幹部であったならば、奴隷制復活の情報など完全に伏せ、欧米に絶対に知られないようあの手この手を尽くしたことだろう。

かつて欧米は自ら血を流し、自由と平等を勝ち取った。そんな彼らが奴隷制復活という蛮行を知れば、激怒し、イスラム国を近代に抗う「不倶戴天の宿敵」と見なすことは確実である。イスラム国に対し、容赦なく牙を向けてくることだろう。

ところがイスラム国は、奴隷制の復活をなんら隠そうとはしなかった。それどころかむしろ、自らの機関誌に堂々と記事を掲載したのだ。あたかもそれが「戦果」だと言わんばかりに。

 

同じことが在特会についても言える。

在特会の言動はことごとく理解に苦しむものばかりだが、その中でも特に理解できないのが裁判で自らの立場を不利なものにしかねないヘイトスピーチの動画を、隠すどころかむしろ自ら進んでアップロードしてしまうことである。

結局、先のイスラム国の場合と同様、彼らにとってそれは隠すべき恥部などではなく、むしろ誇るべき「戦果」なのだ。あくまで彼らにとっては。

 

在特会をはじめとする、いわゆる「行動する保守」が保守派の全てではないように、イスラム国をはじめとするイスラム過激派もまたイスラムの全てではない。むしろ在特会が穏健な保守派の足を引っ張っているのと同じように、イスラム国は穏健なムスリムの足を引っ張っている。

我々日本人はムスリムとの交流に乏しいので、つい「イスラムDQN」というイメージでイスラム全体を捉えてしまいがちだ。それを是正するためにはまず、イスラム国はイスラム世界の在特会であると考えるとよいだろう。