Furusawa Keisuke's blog

政治から映画、アニメ、将棋まで幅広く語ります。

昔のカリスマ、今のカリスマ

今日は「昔と今とで『カリスマ』と呼ばれる人の性質が変わってきたよね」というお話。

 

昨日の「リアル車将棋」、羽生名人と豊島七段の華々しい戦いの裏で、アツい注目を浴びていたのが、豊島七段とならんで関西若手界のホープと目されている糸谷竜王でした。

阪大の大学院でハイデガーの研究(!)にたずさわりつつ、昨年の竜王戦で劇的な竜王位奪取を果たした糸谷竜王。そんな彼には「グルメレポが得意」という意外すぎる十八番があったのでした。

昨日の「車将棋」生放送でも、早速おやつの食レポをやらされる糸谷竜王

 

これに対し、ネット上では「棋界最高位である竜王に食レポさせるとか扱い酷すぎ。将棋界の品位が落ちる。大山(康晴十五世名人)の時代だったらありえないこと」といった意見もちらほら見受けられました。確かにそういう見方もできるかもしれません。

でもね、と僕は反論したい。もう大山さんの時代とは違うんですよ

これから先、日本社会は人間関係がどんどんフラットになっていくでしょう。この変化は不可逆的なもので、昔のようなカリスマは、もはやこれからの日本社会ではサバイブできない。

 

昨日の「リアル車将棋」生放送でこれまた視聴者からの熱い注目を集めたのが、森内九段でした。

謙虚で飾らない彼の人柄が「かわいい」というので話題になったのです(実際、かわいかったw)。この森内九段、実は大山さんと同様「永世名人」の称号を有する、れっきとしたカリスマです。なのに森内九段と大山さんとでは同じ永世名人とは思えないくらい、雰囲気がまるで違うのです。

常人には近づきがたいオーラをつねに放っていた昔のカリスマ(大山)と、普段は「かわいい」今のカリスマ(森内)。

 

昔と今とで、「カリスマ」の概念が変わったんですよね。

昔のカリスマは、24時間365日、いつだってカリスマだった。かつての大山さんがそうであったように。

今のカリスマは、普段は「かわいい」んだけど、特定のゲーム(この場合は、将棋)にエントリーするやいなや、常人離れしたカリスマに変貌する。今の森内さん、そして羽生さんがそうであるように。

 

今のカリスマは、確かに対局室では常人を寄せ付けない、恐ろしいまでの気迫を放つ。でもひとたびそこを出てしまえば、人のいい、サラリーマンのオッサンみたいになってしまう。だから、かつてのような権威主義はもはや存在しなくなる。

 

将棋界を覗いていると、カリスマ概念の変化、そして日本社会の変化をありありと実感することができます。

これだから将棋界ウォッチはやめられません!