Furusawa Keisuke's blog

政治から映画、アニメ、将棋まで幅広く語ります。

電王戦リベンジマッチについて考えたこと

「電王戦リベンジマッチ」については以前このブログでも取り上げたことがある

昨年の春おこなわれた、人間のプロ棋士とコンピューターソフトとのエキシビジョンマッチ「将棋電王戦」。それに出場した棋士の一人が、ベテランである森下卓九段だ。

森下九段はコンピューターソフト「ツツカナ」と対戦し熱戦を繰り広げたものの、残念ながら負けてしまった。だが話はそれで終わらなかった。本戦の「リベンジマッチ」という形で、昨年の大みそかに森下九段とツツカナの対局が再度行われたのだ。

「リベンジマッチ」では特別ルールとして森下九段に「継盤」(つぎばん)の使用が認められた。継盤というのは検討のために自由に動かしてよい駒と盤のことだ。これがあれば当然読みは正確になる。

この継盤を用いて大みそかに行われた「リベンジマッチ」はこれまた大熱戦となり、なんとその日のうちには終わらず、そのまま年をまたいでしまった。

翌1月1日の未明になってようやく終盤となり森下九段の勝勢となったが、諸般の事情のためこれ以上の対局継続は不可能との運営側の判断により「指しかけ」(対局中断)となってしまったのだ。

 

突然の終了から1ヶ月半。先日、ニコニコ動画にて「電王戦リベンジマッチ森下卓九段vsツツカナに関する発表」が行われた。

注目されていた対局の継続の是非については、「指し継ぎ」(対局継続)は行わず、森下九段の「判定勝ち」とする、と発表された。

この決定に対し、ネット上では「それはおかしい!」という異論が噴出した。

実を言うと私も、今回の決定に反対する人間の一人だ。

 

私は、指し継ぎを行わないのであれば、今回の勝負は引き分けにすべきだったと思っている。

おそらく運営側としてはプロ棋士である森下九段の名誉を重んじ、今回の決定に至ったのだろう。

だが、たとえ引き分けで終わったとしても、きちんと将棋を見る目のある人が見れば、あの対局が森下九段の勝勢であったことは明らかなのだ。やむをえない事情により対局が中断され、引き分けという形で終わったとしても、そのことで森下九段の名誉が傷つけられることはない。

むしろ、今回のように強引な形で、規定になかった「判定勝ち」が決められたことで、かえって「運営側はプロ棋士の名誉のためなら何だってする」という負のイメージがついてしまったのではないか。私はそれを危惧している。

 

今回の発表で、それでは運営側は何をすべきだったのだろう。それは指しかけせざるをえなかった原因の究明と、責任の所在を明らかにすることだと思う。 
さらに、今後似たような企画を行う際に、今回の反省をどのように活かしていくのかという方針も表明すべきだったろう。
今回の「電王戦リベンジマッチ森下卓九段vsツツカナに関する発表」ではそれらが完全に抜け落ちていたと思う。

それが、残念だった。