Furusawa Keisuke's blog

政治から映画、アニメ、将棋まで幅広く語ります。

『神曲』を読みました

イタリアを代表する古典、ダンテの『神曲』(La Divina Commedia)を読了しました。

古典なのでなにやら敷居が高いように感じられるかもしれませんが、意外と(?)面白いですよ。

 

本作の著者にして主人公でもあるダンテ。

彼は最初、辺獄(リンボ)とよばれる地獄の入口を訪れます。

そこには、キリスト教成立以前に生まれた偉人たちがいます。
彼らは「キリストより前に生まれたので洗礼を受けられなかった」という、ただそれだけの理由で天国に行けなかったという、実にかわいそうな人たちなんですね(^_^;)
ダンテに地獄をガイドしてくれる古代の詩人・ウェルギリウスも、この辺獄にいます。

 

なんとも理不尽に思える話ですが、これを読んで僕は、かつて戦国時代にヨーロッパの宣教師が日本で味わったという苦労を思い出しました(たしか社会学者・小室直樹氏の著作に載っていたと記憶しております)。


彼らが日本に布教に来て、もっとも困ったのが先祖崇拝だったというんですね。
日本人は宣教師たちにすぐ「我々のご先祖さまは天国に行けたんですか?」
と問う。
これに対して宣教師が
「洗礼を受けられなかったので、残念ながら彼らは地獄に落ちたでしょう」
と答えると、日本人はとたんにパニックになる(^_^;)
「なんだよ! あんたらは『全能の神』と言ってたのに、ご先祖様を助けることが“できない”のなら全能でもなんでもないじゃないか!」と、こうくる。
たしかに正論ですねw
神曲』を読んでいて、こんな逸話を思い出したのでした。

 

しかし、辺獄にいるウェルギリウスなどはまだ良い方。

なかには世界三大宗教の一つの開祖でありながら地獄に落とされてしまった人もいるのです。

神曲』、何が面白いって、今世紀にはキリスト教を抜いて信者数世界第一位に躍り出ると予想されているイ○○ム教の開祖ム○○○ドさんが、「不和・分離の種をまいた罪」で地獄の最下層部で腹を縦に○○○かれて○○を露出させているという、すさまじい描写がされていることです。

現代でこんな文学作品が発表されたら、大変なことになりますねw


もっとも、上述の辺獄では、中世イスラーム世界の学者であるアヴェロエスやアヴィケンナ、それに十字軍からイスラーム世界を護った英雄サラディンなどが出てきます。

イスラム教徒(異教徒)なら即地獄で責め苦をうける、というわけでもないんですね。面白いところです。