Furusawa Keisuke's blog

政治から映画、アニメ、将棋まで幅広く語ります。

最近見た映画の感想(第9回)

映画関係のNPOの理事という肩書に恥じぬよう、昨今も浴びるように映画を見続ける毎日です。

 

・『イップ・マン 序章』

中国武術の達人として周囲の住民から篤い尊敬を集める主人公・葉問(イップ・マン)。

しかしそんな彼のもとにも支那事変日中戦争)が暗い影を落とす…

 

中国人の武道家が日本人の空手家と国の威信をかけて闘う 

…というと、ブルース・リーの名画『ドラゴン怒りの鉄拳』(72年、香港)を思い出す方も多いはず。

そう、何を隠そう主人公のイップ・マン、れっきとした実在人物であり、かのブルース・リーの師匠にあたる人なのです。

本作そのものが、『ドラゴン~』のオマージュとも言えるでしょう。

 

それにしても、中国の映画・ドラマでありがちな、ステレオタイプの残虐な日本兵描写はどうにかならんものか…(^_^;)

 

イップ・マン 序章 [DVD]

イップ・マン 序章 [DVD]

 

 

・『イップ・マン 葉問』

『イップ・マン 序章』の続編。

日本軍から辛くも逃れた葉問一家は、英領香港へと移住。現地の若者に拳法を教えるのだが…

序盤は格闘技界の同業者たちからさまざまな嫌がらせを受けるという展開。てっきり今回のヴィラン(悪役)はこれら同業者なのかと思いきや…

彼ら同業者は生活のためやむを得ずそうしていただけで、葉問の前に立ちはだかる真の敵は香港の宗主国・イギリスだった!

というわけで、前作の日本に続いて今度は(同じ島国である)イギリスを相手に主人公が立ち向かいます。

 

まぁ、前作と同様、中国人にとっての国威発揚映画という側面も強いわけですが、昨今の南シナ海における中国軍の力による現状変更のうごきをみるにつけ、現在の中国という国のありかたは、主人公・葉問の体現する武道の精神というよりかはむしろ、ヴィランである(当時の)日英のほうに近い気がするのですがね…(^_^;)

 

 

イップ・マン 葉問 [DVD]

イップ・マン 葉問 [DVD]

 

 

・『エンロン 巨大企業はいかにして崩壊したのか』

01年に破たんした米国の大企業・エンロンの実情に迫るドキュメンタリー映画。

本作ではこのエンロンの数々の「悪行」が暴かれていく。その中でも特筆すべきが、同社のカリフォルニア電力危機への関与だ。

なんと彼らは電力価格を釣り上げるため、人為的に電力不足を引き起こしていたのである!

これには、普段いい加減に生きているテキトー人間の私ですら、ひさびさに義憤を覚えた。

一体、カリフォルニアの市井の人々の生活を何だと思っているのだろう!

…いうまでもなく、このような企業に待ち受けていた将来は、破たんという悲劇だった。そこにかろうじて米国社会の良心を感じたのは私だけではないだろう。

 

 

・『フィッシュストーリー』

今回とりあげる5作品の中で個人的に最も気にいった作品。

 

1975年、1982年、1999年、2009年、2012年…と複数の年におけるエピソードがそれぞれ並行して展開され、「一体何がどうなっているんだこの映画は!?」と愕然とするものの、最後の最後でこれらエピソードが(本作のタイトルにもなっている)「フィッシュストーリー」によって奇跡的に統一される。それが本作の見どころだ。

本作ではそれがあまりにも漫画的に描かれているが、考えてみれば、世界史というのはそもそもそういうものではなかったか。

ほんの些細な偶然がきっかけで次々と連鎖反応のように事件がおきていき、やがては世界史上の大事件(人類滅亡の回避!)へとつながっていく。まさにカオス理論でいうところの「バタフライ効果」そのものだ。

 

それにしても、ラストでロケットを発射して人類を救ったのが、「あの国」とは…(念のために言っておくと、アメリカではありません)。そのあまりに絶妙すぎるチョイスに当初は驚愕しながらも、最終的には「…うん、そうか、考えてもみれば21世紀の世界を救えるのは、やはりあの国なのか。伝統的に理数系に強い国だしなぁ」と妙に納得してしまったのでした(^_^;)

 

フィッシュストーリー [DVD]

フィッシュストーリー [DVD]

 

 

・『天然コケッコー

豊かな自然の残る島根県を舞台に、中学生の男女のみずみずしい青春を、ゆったりと丁寧に描いた佳作。

監督は山下敦弘。『リンダ リンダ リンダ』で有名な、青春映画の名手だ。

 

天然コケッコー Blu-ray スペシャル・エディション

天然コケッコー Blu-ray スペシャル・エディション