Furusawa Keisuke's blog

政治から映画、アニメ、将棋まで幅広く語ります。

最近見た映画の感想(第12回)

今日もイタリアのベルトルッチ監督の作品を中心に取り上げていきます。

 

・『殺し』

 ベルトルッチ監督の記念すべきデビュー作。当時若干21歳というから驚く。『革命前夜』とくらべると、まだ政治色は全面には出てきていない。が故に、退屈でもあるし、心地よくもある。

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・『シャンドライの恋』

 アフリカ系移民の女性と白人男性の恋愛を描いたベルトルッチ作品。

映画自体は淡々と二人の関係を描いていくが、昨今アフリカから地中海を渡ってイタリアに流入する不法難民が政治問題化している点を踏まえて見ると感慨深いものがある。

 


・『暗殺の森

『革命前夜』で左翼青年を描いたベルトルッチ監督。次に取り組んだのは、(優柔不断な)ファシストの物語だった。

ファシスト党の党員としてイタリア近現代史に翻弄される主人公。

いうまでもなく本作は―他の左翼色の強い作品とはまた違ったアプローチで―ファシズムを批判する映画である。

 

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・『ル・アーヴルの靴みがき』

 フィンランドが生んだ鬼才アキ・カウリスマキ監督の(おそらくは)最高傑作。

靴磨きのおっさんと不法移民の黒人少年の物語である。

特徴的なのはカウリスマキ作品ならではの、実に淡々とした描写。黒人少年を捕えようとした刑事を(おっさんの友人である)ベトナム系移民の青年が妨害して少年を逃がすシーンや、おっさんの妻が難病を克服するラストシーンなど、普通の監督であれば時に大げさなくらいドラマチックに描くところ。ところがカウリスマキ監督の手にかかれば、どのシーンもみな実に淡泊である。

そこにこそ、カウリスマキ監督の類稀なる才能があるのだ。

(ちなみにカウリスマキ監督は日本の小津安二郎監督を尊敬し、影響をうけているのだそうな。納得!)

ル・アーヴルの靴みがき 【DVD】

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