Furusawa Keisuke's blog

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評価関数―その新しい可能性

将棋「叡王戦」の七段枠、中座真七段vs豊島将之七段の対局をタイムシフト(過去にニコ生中継された番組を本放送終了後に録画視聴できる機能)にて視聴しました。

 

豊島七段は、言わずと知れた関西若手界のホープ。現在、棋聖戦挑戦者として羽生名人と対決しています。対する中座七段は、かつて画期的な新戦法「中座飛車」を発明したことで知られている棋士です。

 

この二人の対局、最終盤にて形勢が二転三転する大変なシーソーゲームとなったのです! 最終的に大熱戦を制したのは、やはり豊島七段。決勝トーナメントへと駒を進めました。

しかし終局までに中座七段の側にも勝つチャンスは何度も訪れていたのです。若手のホープを相手に、決してワンサイドゲームに陥ることなく最後まで互角に戦い続けた中座七段に、コメント欄にて視聴者から拍手(8888)が贈られたことは言うまでもありません。

 

今回の熱戦の立役者となったのが、叡王戦中継にて常に表示されている、コンピューターソフトの評価関数です。

評価関数とは、先手・後手どちらが有利かを数値で示すもので、先手有利の場合プラス、後手有利の場合マイナスの数値で示されます。一般に数値が1000を超えると逆転は難しくなるとされています。

しかし先日の中座vs豊島戦の終盤では、1分将棋(持ち時間1分以内に差すこと)に追い込まれてから両者に悪手が目立ち、評価値(評価関数の数値)が+1000になったかと思いきや、次の一手で一気に-1500に、その次の一手でさらに+2000に…といった風に評価値が二転三転したのです。

このようなシーソーゲームは将棋の視聴者が最も好む展開ですから、ニコ生コメント欄はおおいに盛り上がりました。

 

今回の対局がこのようにシーソーゲームとして可視化されたのは、評価関数のおかげです。

将棋番組では必ずプロ棋士が解説しますが、プロといえども時間の切迫した終盤で瞬時に形勢を言い当てるのは並大抵のことではありません。コンピューターならば、一瞬でどちらが優勢か、数値にして表示することができます。

コンピューターは様々な点で将棋界に激変をもたらしましたが、棋戦の観賞においてもやはり劇的な変化をもたらしました。もはや評価関数なしの棋戦中継など考えられなくなることでしょう。