Furusawa Keisuke's blog

政治から映画、アニメ、将棋まで幅広く語ります。

最近見た映画の感想(第17回)

今日は往年の日本映画でかためてみました。

・『古都』
タイトル通り古都(京都)を舞台とした川端康成の同名小説の映画化。
監督の中村登は東京人なので、京都の描写に一種のオリエンタリズムを感じさせるが、それをいうなら洋の東西をとわず優れた映画にはオリエンタリズムが付きまとうものなので、これで良いのである。

<あの頃映画> 古都 [DVD]

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・『切腹
「人間を幸福にしない日本というシステム」(ウォルフレン)を正面から批判した社会派大作。
貧困のため、やむにやまれず「お金をくれなきゃお前んちの玄関先で切腹しちゃうぞ!」(意訳)と彦根藩の門をたたいた青年武士が「どうぞどうぞ」(by彦根藩)と本当に切腹する羽目になり、さらには真剣でなく青年が差していた竹光―青年は貧困のため真剣を持っていなかった―で切腹しろという無茶振りをさせられるなど、全編を通じて彦根藩のドSっぷりが際立つ作品。
本作は江戸初期を舞台とした時代劇であるが、その内容は若者たちがブラック企業などに直面する現代でも十分に通用する。普遍性を有した作品なのだ。
それだけではない。ラストにおける主演・仲代達矢のアクションも見もの。最近の映画では『ダークナイト』がそうであったように、優れた映画というのは批評性のみならず高度の娯楽性をも有しているものなのである

あの頃映画 「切腹」 [DVD]

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・『米』
北関東の農民たちの「リアル」を丁寧に描いていることから、公開当時「日本のネオリアリズモ」と評された映画。
ALWAYS三丁目の夕日』のごとき「ファンタジーとしての昭和30年代」に慣れてしまった我々21世紀人にとっては、実にリアルな昭和30年代の光景である。
ちなみに、21世紀の現代における北関東のリアルを見事に描いているのが『SR サイタマノラッパー』シリーズである。

米 [DVD]

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・『陽炎座
鬼才・鈴木清順監督の放つ不条理ワールドを堪能せよ。
主演の松田勇作は今更言うまでもなく日本が世界に誇るアクションスターだが、本作のような風采の上がらない書生さん的な演技も良い(むしろこちらのほうが良い)。

陽炎座 [DVD]

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・『飢餓海峡
終戦直後の時代、極貧をなんとかくぐりぬけようとした人間たちの生きざまを描いた一作。
タイトルとなっている飢餓海峡とは(おそらく)津軽海峡のこと。この津軽海峡ほど「昭和の匂い」の漂う海はほかにあるまい。

飢餓海峡 [DVD]

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