Furusawa Keisuke's blog

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冥王星ってどんな星?

探査機「ニューホライズンズ」が「元」太陽系第9惑星・冥王星に最接近したという話は先日しました。

ニューホライズンズの探査により、冥王星に関して驚くべき発見が次々となされることでしょう。

 

冥王星が発見されたのは、今から85年前の1930年のこと。

発見したのはアメリカ人のクライド・トンボーという当時24歳のアマチュア(!)青年でした。

アメリカ人が惑星を見つけた例ははじめてだったので、いまだにアメリカ人は冥王星に強い愛着をもっているようです。

 

発見当時、冥王星は「惑星X」と見なされていました。

「惑星X」とは、冥王星発見以前から太陽系第9惑星として想定されていた仮説上の惑星です。

以前から第8惑星・海王星の動きに不自然な点が見られ、それは外側を回る「惑星X」すなわち冥王星の重力によるものとされていました(後に海王星の質量の見積もりを誤ったことによる計算ミスと判明)。

しかし後に観測技術が発達すると、冥王星の大きさは当初想定されていたよりはるかに小さく、月よりも小さいことが判明しました。

これだけ小さいと「本当に惑星なの?」という疑問がわいてきます。

 

私が子供のころ(90年代)、冥王星はまだ惑星とみなされていましたが、当時からすでに天体の図鑑では「冥王星は他の惑星よりもむしろ(海王星の外側を回る)小惑星に近い」とされていました。

冥王星は主に氷でできており、岩石でできた地球やガスでできた木星とはその点でも明らかに異なる星だったのです。

21世紀にはいり、海王星の軌道の外側で冥王星によく似た氷の小惑星がつぎつぎと見つかると、冥王星はそれらの天体の中の最大のものと見なされるようになりました。

そしてついに、冥王星よりも大きい「エリス」という天体が発見され、冥王星が「最大」ですらなくなると、「冥王星を惑星のカテゴリーに留めておくのはふさわしくないんじゃないか」という声が天文学者の間で強まってきたのです。

 

2006年、天文学者はついに「惑星」の定義を厳密にすることを決め、冥王星はその定義から外れてしまいました。

冥王星はエリスとともに、新たに定義された「準惑星」というカテゴリーにおさめられました。

これが世に言う冥王星の「格下げ」です。

ただし天文学者は「惑星」と「準惑星」との間に上下関係はないとしているため、厳密には「格下げ」ではありません(せいぜい「クラス替え」といったところでしょうか)。

ただ、冥王星が惑星でなくなってしまったことは事実です。

私は子供のころから宇宙に興味があり、「太陽系の惑星は9つ」「水金地火木土天海冥」と覚えてきたので、06年に冥王星が惑星でなくなってしまったときには、なんだか自身の少年時代を否定されてしまったようで何とも言えない寂しさに襲われたものでした…(^_^;)

 

しかし惑星でなくなったとはいっても、冥王星は以前として重要な天体です。

冥王星海王星の軌道の外にごまんとある小天体の、最も典型的なものとされています。

これまでこれら小天体は、地球からあまりに遠すぎるためにほとんど調査が行われない(というか、できない)状況でした。

しかし今回ニューホライズンズが小天体の代表格である冥王星の探査に成功したことで、冥王星のみならずこれら小天体全体の研究が飛躍的に進むことでしょう。

 

我々は、いままさに科学の進歩を目撃しているところなのです。