Furusawa Keisuke's blog

政治から映画、アニメ、将棋まで幅広く語ります。

最近見た映画の感想(第22回)

・『丹下左膳余話 百萬両の壺』
それまで伊藤大輔がメガホンをとっていた時代劇『丹下左膳』シリーズ。伊藤にかわって新たに監督となった山中貞雄は、それまでの虚無的な左膳のキャラクターを大幅にアレンジ。『丹下左膳』シリーズをコミカルな娯楽大作へとつくりかえた。
大河内伝次郎演じる左膳が豪快でカッコいい!

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・『裸の島』
今回取り上げる5作品の中で個人的に最も気にいっている作品。
瀬戸内海の孤島でほそぼそと農業をいとなむ家族が主人公。
おどろくべきことに、本作にはセリフが全くない
近隣の島で汲んだ水を舟でひたすら運ぶ主人公夫婦の姿が延々と描かれるだけである。
しかし、というかだからこそ、本作は農民の悲哀と、それを乗り越えようとする強さをしっかりと描いている。

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・『張込み』
松本清張原作。
冒頭、主人公の刑事(大木実)が張り込みのため東京から佐賀へと鉄路で移動するシーンが延々と続き、開始10分以上たってからようやく大木実の眼力ギンギンのどアップとともにタイトルがバーン!と表示される。シビれるっ
犯人と逢引するヒロイン・高峰秀子があいかわらず美しい。

張込み [DVD]

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・『縮図』
戦前日本における、貧しい女性の苦難に満ちた半生を描く。
舞台となった1930年代は、東北地方を中心に、貧しい女性の身売りが当たり前となった時代。そうした世情に憤った青年将校たちが、のちに2.26事件を引き起こすことになる。
本作で描かれる(社会下層の)人々の酷薄な日常こそ、まさしく戦前日本の「縮図」というわけだ。

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・『白い巨塔
大学病院における熾烈な権力闘争を描いた、言わずと知れた社会派作品。
本作は66年公開の映画版であるが、その後もテレビドラマなどのかたちで何度も映像化された(個人的には03年の唐沢寿明主演のドラマ版が印象深い)。
本作は原作小説の本編(前編)を映像化。主人公・財前助教授が権謀術数を駆使して教授の座を射止めるまでを描く。2時間半という長尺だが、全く長さを感じさせない。物語の展開に弛みがないからだろう。
田宮二郎演じる財前助教授の、見るからに「肉食」然とした、ギラギラした目つきが実に良い。それにくらべて、本作における良心的存在である里見助教授は根っからの善人であるがゆえに佇まいが凡庸である。
善人であるがゆえの「凡庸さ」と、悪人であるがゆえの「怪しい魅力」。さて、皆さんはどちらに魅せられるだろうか(僕は、実は後者だ)。

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