Furusawa Keisuke's blog

政治から映画、アニメ、将棋まで幅広く語ります。

最近見た映画の感想(第24回)

・『夢二』

ツィゴイネルワイゼン』、『陽炎座』でおなじみの鈴木清順監督作品。

本作でもあいかわらずの清順ワールド全開!

「考えるな、感じろ」という言葉がこれほどしっくりくる作品も珍しい。

 

夢二 [DVD]

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・『疑惑』

 富山港で車が海に飛び込む事故があり、運転していた男性が死亡した。男性には多額の保険金がかけられていたことから、同乗していたものの救助された男性の妻(桃井かおり)に保険金殺人の疑いがかけられる。

見るからにガラの悪い妻。逮捕された彼女の弁護士がなかなか決まらないなか、ある女性弁護士(岩下志麻)が彼女の弁護に名乗りをあげる。果たして裁判の行方は…

「あまりに怪しすぎる人物はむしろ犯人ではない」という推理モノの定跡どおり、やっぱり真犯人は別にいた。それが誰かは皆さんの目で直接確かめてみてください。

本作は、さすが松本清張原作というだけあってサスペンスとして実に良く出来ているが、それ以上に桃井かおりvs岩下志麻という女の戦いが大変に迫力があり、見ごたえがある。

「真犯人」が判明したラスト。妻は釈放されるが、ハッピーエンドとはいかず、なんともいえない後味の悪さが残る。

それもこれも、妻が他人の命を命とも思わない、極めて自己中心的な人間だからだ。

果たして、こんな人間が野に放たれていいのか。こういう人間はたとえ冤罪であったとしても極刑に処されたほうが、社会にとってはむしろ良いのではあるまいか―観客にそう思わせてしまう「後味の悪さ」こそが、本作を名作たらしめているのである。

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・『12人の優しい日本人

舞台は、陪審員制度が導入された架空の日本(※本作が公開されたのは裁判員制度導入前である)。

夫殺害の嫌疑をかけられている女性の裁判。陪審員は12人中11人が無罪を主張するが、残る1人の浅田彰に似た)男性陪審員がそれに疑問を呈する。彼が説得力ある反論を展開することで、当初無罪を主張していた11人が、実は「容疑者女性が美人だから」だとか「よく分からないけど、みんなが無罪と言っているから」だとかいった(いかにも日本人らしい)理由で無罪を主張していたことが明らかになる。

 では有罪なのか。と、それまで傍観者的態度をとっていた1人の男性陪審員豊川悦司)が一転して反論を展開し、無罪の可能性を指摘する。はたして評決の行方は…ネタばれになってしまうので、これも皆さんの目で直接確かめてみてくださいw

本作は、言うまでもなくシドニー・ルメット監督の名画『十二人の怒れる男』のオマージュ作品。見ていて「う~ん、そっかぁ。あの名画を、こういうふうに料理するのか~」と唸っちゃいましたw

見るからにパロディ然としたタイトルなので当初はバカにしながら見ていましたが、1人の女性陪審員があまりにバカすぎてウザい点をのぞけば大変見ごたえのある、良い映画でした。

 

12人の優しい日本人【HDリマスター版】 [DVD]

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・『異人たちとの夏

「異人」とは、この場合、外国人ではなく「この世の人ではない人」という意味。

主人公は売れっ子のシナリオライター。ある日、ぶらりと立ち寄った浅草で、幼少時代に死んだはずの両親(の幽霊)と再会してしまう。こうして死んだ両親との奇妙な交流が始まった…。

 父親役の片岡鶴太郎がいかにも「江戸っ子」という感じで好感が持てる。

とても心温まる作品だが、ラストのホラー映画的な演出はいただけない。これさえなければいい映画だったのにと、ちょっとばかり悔やまれる。

あの頃映画 「異人たちとの夏」 [DVD]

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・『コキーユ~貝殻』

同窓会で数十年ぶりに再会した中年男女の(せつない)恋物語

本作の公開(99年)から数年ほど前、おなじく中年男女の(不倫の)ロマンスを描いた『失楽園』が大ヒットしたものだが、単に主人公二人がヤりまくってるだけの(←だって事実じゃん!w)『失楽園』なんぞよりも、本作のほうがずっと良い。

あの頃映画 「コキーユ?貝殻 」 [DVD]

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