Furusawa Keisuke's blog

政治から映画、アニメ、将棋まで幅広く語ります。

『社会科学大辞典』を見つけました

僕の職場の近くにある、とある公立図書館にて、おそらくは60年代ころに出版されたとおぼしき『社会科学大辞典』なる分厚い百科事典を発見しました。


当時は現在とは異なり、「社会科学」といえば「マルクス主義」と同義です。

『社会科学大辞典』、ページをめくってみたら、案の定というべきか、ものすごいゴリゴリのマルクス主義の本でした。(^_^;)

例えば「フランス革命」の項目を見てみると、この革命が(社会主義の前提となる)プロレタリア革命ではなくブルジョワ革命であったことが強調されています。

その歴史においても、悪名高いジャコバン派の恐怖政治は、当時フランスが置かれていた国際情勢を考慮すれば致し方なかったのだ、とエクスキューズされているのです。

 

あるいは「天皇制」の項目を見てみると、それは日本が封建制社会から資本主義社会に至るまでの過渡期にあたる「絶対主義」という時代の産物であると説明されています(このような歴史の見方を「唯物史観」といいます)。

もっとも、「封建制」「絶対主義」「資本主義」などのヨーロッパ史の概念が、そんなうまい具合に日本史に当てはまるのか、僕には疑問なのですが…。

 

かつて知的世界を席巻した、マルクス主義。
その魅力とは、一体何だったのでしょう。

 

それは、「世界を統一的に説明できる」ということに尽きると思います。
どの国の歴史も―それこそ先ほどの「天皇制」の項目のように―すべて唯物史観で説明してしまう。

さらにスゴイのは、マルクス主義は現状分析だけでなく「人生の意味」まで与えてくれるということです。

すなわち、神なき近代において、革命にコミットすることこそが良き生なのだと教えてくれる。
これは人生に悩む若者にとっては、実にデカい。

当時マルクス主義が強い知的ヘゲモニーを握っていたのもむべなるかな、という感じがします。

 

もっとも、冷戦終結から四半世紀以上が経過した現代では、全然ふるわなくなってしまいましたが…。