Furusawa Keisuke's blog

政治から映画、アニメ、将棋まで幅広く語ります。

最近見た映画の感想(第28回)

・『復讐するは我にあり

実際に起きた事件である「西口彰事件」を題材とした作品。

緒形拳演じる主人公・榎津巌は連続殺人犯。これといって明確な殺意もないまま、女性、高齢者をふくむ5人をつぎつぎと殺害していく。

大学教授、弁護士などのエリート職に扮して逃避行を続ける榎津。普段はパチンコなどに入り浸る、どうしようもないゴロツキだというのに、エリートに扮している間はしぐさといい言葉遣いといい、実にインテリ然としていて驚かされる。複数の顔をあわせ持った実在の凶悪犯を、緒形は見事に演じ切った。

本作には三國連太郎などの名優も名を連ねている。が、本作はまぎれもなく、緒形拳の映画である。

 

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・『家族ゲーム

川沿いのアパートに暮らす家族。ある日、成績の悪い次男のもとに家庭教師(松田優作!)がやってくる。家庭教師と家族との奇妙な生活が始まった。

本作はてっきり次男のお受験を成功へと導くホームドラマなのかと思いきや…森田芳光監督の斬新過ぎる演出に驚かされるばかりだった。

だいたいこの家族、吉○家のカウンター席みたいに一直線に並んで食べるんだよ! いったい日本のどこにこんな家族がおるねん!

おまけに本作、BGMがまったくないのだ! バックになにも音楽がない中、家族のクチャクチャ食べる音だけが聞こえてくる。実に不気味である。

圧巻なのは終盤。次男の合格を祝う席で松田優作が料理にマヨネーズをぶっかけ始め、挙句のはてには両親に暴力をふるいまくる!

このシーンといい、意味不明すぎるラストシーンといい、実に不思議な感触の映画でした。こういう映画、僕大好きっ!(w

 

 


・『ウホッホ探検隊』

父親の不倫に揺れる家族の物語。一見奇妙なタイトルは、父親の咳の音に由来。

北海道に単身赴任している父親に、愛人ができていた。バリバリ働くキャリアウーマンの母親は、苦慮の末、二人の息子たちにこの事実を告げることにする。

案の定ショックを受ける息子たち。だがそれもはじめのうち。すぐに冷静さを取り戻した彼らは、「(父親抜きの)3人でもいいじゃん」と明るく母親をはげまし、支えていく。

「あぁ、子供って、大人が思っている以上に、大人だったんだなァ」ということがよく分かる、温かいお話でした。

 

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・『櫻の園

演劇部の女子高生たちの青春を鮮やかに切り取ってみせた、中原俊監督の(おそらくは)最高傑作。

舞台は、とある女子高。ここでは毎年、春の創立記念日にチェーホフの『桜の園』を演じるのが習わしとなっていた。部員の不祥事により上演中止の危機に揺れながらも、どこか非日常を楽しんでいる感のある女子高生たち。やがて舞台の幕が上がる…

主人公二人の百合的な関係性が実に良い。記念写真をとるシーンで、二人が徐々にカメラのほうに寄っていく演出が秀逸!

「あぁ、青春映画を見たなぁ!」とお腹いっぱいになりましたw

 

余談ですが…同じ中原俊監督が2008年に同名の映画をセルフリメイクしているが、ハッキリ言ってこちらはクソ! 旧作にあった「濃密さ」がなく、ただの部活映画になってしまっていた。セルフリメイクでこれほど明瞭に失敗作と断じられる作品も珍しい。

 

櫻の園【HDリマスター版】 [DVD]

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・『シコふんじゃった。

舞台は都内の大学。ひょんなことから廃部寸前の相撲部にスカウトされた主人公(本木雅弘)。はじめは乗り気でなかったものの、大会で負けた悔しさから、名門復活をかけて相撲に情熱を傾けていく。

学生相撲という実にむさくるしい(失敬!)世界を、周防正行監督は終始明るくコミカルに描き、一つのエンターテインメント作品へと昇華させたのだった。

周防監督は本作公開から5年後、かの名画『Shall we ダンス?』を公開することとなる。

 

シコふんじゃった。  [DVD]

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