Furusawa Keisuke's blog

政治から映画、アニメ、将棋まで幅広く語ります。

最近見た映画の感想(第37回)

・『香華

だらしのない母親としっかり者の娘の、明治・大正・昭和の3時代にまたがる物語。

このながーいお話を、木下惠介監督はじっくり3時間21分(!)かけて描き切った。

その生涯において男に裏切られつづけた母と娘は、親子というよりかはむしろ歳の離れた友人のよう。

終戦直後、娘はかつて恋仲にあった軍人がGHQに戦犯指定され処刑される運命にあると知る。助命嘆願のため奔走する娘。だがそんな彼女を尻目に母はさっさと再婚相手を見つけて家を出ていってしまう。

幸せそうに家を出ていく母を見つめる娘の、子としての安堵と女としての嫉妬が入り混じったような、実に複雑な表情がなんとも言えず恐ろしかったのが印象に残っています。

 

木下惠介生誕100年「香華〈前篇/後篇〉」 [DVD]

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・『君の名は』(3部作)

東京大空襲のさなか、銀座の数寄屋橋にて「お互い生きていたら11月24日にまた会おうね」と約束し、別れた男女。そんなふたりがすれ違いにすれ違いを重ねていくさまを、なんと3部作(合計6時間超!)にわたって描いた超大作。

ようやくお互いの名前と素性を突き止めたふたりだったが、次から次へとまるで映画のように(※映画です)障害が降りかかり、なかなかに結ばれることがない。そのじれったいこと! 「おぅ、おまいらエエ加減にせぇや!」と何度ツッコミを入れそうになったことでしょう(^_^;)

お話自体はいたって単純。なのによく3部作ももたせたなぁと感心してしまいます。

ベッタベタなラストシーンも、まぁアレはアレで良かったと思います。

個人的にはメインヒロインの岸惠子よりも友人役の淡島千景のほうがお気に入り。淡島千景は昭和の名女優の中では僕が一番ゴヒイキにしている方です。

 

あの頃映画 君の名は 第1部 [DVD]

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あの頃映画 君の名は 第3部 [DVD]

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あの頃映画 君の名は 第2部 [DVD]

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・『わが恋せし乙女』

終戦直後(※本作公開は46年)の実に開放的な雰囲気の中で撮られた、木下惠介監督作品。

大自然の中ですこやかに育てられた兄妹。ところがなんとその妹は、実は血のつながっていない義理の妹だったと知り欲情するお兄ちゃん。「わが恋せし乙女」とは、なんと(義理の)妹のことでした。ようするに妹萌えのお話なのですね(←なんか違う)。

…と書くとなにやらドロドロした展開かと思われるかもしれませんが、さにあらず。いたってさわやかな作品で、最後まで安心して見ることができました。

背景の山々が美しい。木々の緑がみずみずしい。あぁ、終戦直後って、こんな感じだったんだなァ、と思わせてくれる、そんな映画でした。