Furusawa Keisuke's blog

政治から映画、アニメ、将棋まで幅広く語ります。

最近見た映画の感想(第44回)

・『ブロンクス物語』

役者バカ、ロバート・デ・ニーロの記念すべき監督デビュー作。

ニューヨーク・ブロンクスに住むイタリア系の青年。幼いころからイタリアン・マフィアと接する機会の多かった彼は、成長するや父の反対を押し切ってマフィアの親玉の子分となる(日本風にいうなら「杯を交わす」というヤツだろうか)。かくして実父と親分、二人の「父」を持つにいたった青年は、両者のはざまで苦しむこととなる…

ヤクザさんというのは、われわれ堅気の人間にとってはなんともこわ~い存在。だが、末端の人たちは別としても、親分はひとかどの人物である、というケースは結構多い。本作を見ていると、どうやらそれは日本でもニューヨークでも同じことのようだ。

とはいえ、暴力団排除条例など、ヤクザさんへの法的規制は強化される一方。時に21世紀、ヤクザさんにとってはまことに生きづらい世の中になりました。

 

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・『ペレ』

南米の大国ブラジルが生んだ国民的サッカー選手・ペレの活躍を描いた伝記映画…ではありません。

ペレという名前の北欧の貧しい少年を主人公とするデンマーク映画です。誤解なきよう…。

舞台は19世紀のデンマーク。隣国スウェーデンから貧困層の父子が移民としてわたってきた。二人は農場でこき使われながらも、少しでもよりよい明日を目指して懸命に日々を生きる。

貧困にあえぐ少年少女が艱難辛苦を乗り越えながら成長していくという「おしん」的な物語は、日本にかぎらず世界的に人気があるようだ。本作もそんな作品の一つ。

本作で登場するお父さんは、なんと先日紹介したベルイマン監督『処女の泉』で、主人公である父親の役を演じた役者さん(マックス・フォン・シドウ)だ。同じ人とはいえ、主演作品が違うだけでこんなにも印象が違ってみえるとは…

 

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・『ブロードウェイ・メロディー』

かつて、映画はサイレントだった。それがトーキーになったことで、さてどうなったか。「ミュージカル映画」という新ジャンルが生まれたのである!

世界大恐慌の年・ 1929年に製作された本作は、世界初の全編トーキーによるミュージカル映画。映画史に残る、記念すべき作品なのだ。

大都会の喧騒を再現するため、ホテル内のシーンでも外を走る自動車の音を入れるなどの工夫は、実は本作から始まったもの。映画の技法という観点からも、本作は重要な作品なのだ。

 

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・『フラッシュダンス』

製鉄所で働く若いねーちゃんがダンサーとして成功を収めるまでを描いたサクセスストーリー。

シンセサイザー全開の音楽といい、女の子たちのファッションといい、みるからに「80年代~」という感じの映画だ。本作に限らず、80年代に撮られた映画には独特の「色」がついているので、「あ、80年代の映画だな」とすぐわかる。

個人的には、上に挙げたような1920年代のモノクロ映画よりもむしろ、こうした80年代の映画を見たときのほうが無性に懐かしいと感じてしまう。僕が80年代ど真ん中の84年生まれだからかな。

 

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・『冬のライオン』

中世イングランドの王族たちの、権謀術数を駆使したドロドロの政治劇を描く。

同じ血を分けた家族とはとても思えないくらい、本作に登場する王族たちはみな騙しあい、騙されあう。「これぞ政治!」と言わんばかりに。

その中でも際立ったタヌキっぷりを見せてくれるのが王妃・エレノア。そんな彼女をベテラン女優キャサリン・ヘップバーンが演じるというのだから、こりゃあもう、文句のつけようがないじゃないか!

 

本作を見ていて、気鋭の政治学者・岩田温(1983- )の次の言葉を思い出さずにはいられなかった。

 

 ≪人間とは絶対的善でも絶対的悪でもなく、両極端の中間を浮遊する存在であり、善にも悪にもなりうる存在です。それゆえに「政治」が必要となるのです。≫

(岩田温『政治とはなにか』p64)

 

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