Furusawa Keisuke's blog

政治から映画、アニメ、将棋まで幅広く語ります。

最近見た映画の感想(第47回)

・『魔界転生

草の乱鎮圧後の九州。戦死したはずの天草四郎の亡霊があらわれ、徳川幕府への復讐を誓う(あれ、アンタがたの教えじゃ左の頬を叩かれたら右の頬も差し出すんじゃ…)。

天草の呼びかけに応じるかたちで、宮本武蔵細川ガラシャなどなど、幕府に恨みのある九州の皆様方が8時だヨ!全員集合的なノリでつぎつぎと集結。かくして討幕オールスター軍団が結成されるにいたった。

これに立ち向かうは幕府方の剣豪・柳生十兵衛千葉真一)。だが相手は生者ではない、この世ならざる存在。剣豪といえども通常の刀では彼らを斬ることができない。さあどうする!

そこで登場するのが妖刀・村正。妖刀というだけあって死者をも斬ることができるという実にご都合主義的な強力な武器である。この村正を手に、十兵衛はひとり天草たちに戦いを挑む。

…とまぁこう書くとなんともおバカ映画のように思えますが(実際そうですがw)、あたり一面炎に覆われたラストシーンは必見。まだCGなどなかった時代。千葉真一たちは(暑さ対策のため)水をかぶって重くなった衣装を身にまといながら演じたのだそうです。まさに文字通りの熱演。ご苦労様です…

 

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・『眠狂四郎 殺法帖』

眠狂四郎』シリーズは以前にも本ブログでとりあげたことがある

本作は記念すべきシリーズ第一作。うーん、やっぱりニヒルな主人公、カッコいい…そこにシビれるあこがれるぅ。それでいてラストでは崖の上に立ち、海に向かってワイルドに獅子吼。このギャップがまた、たまりませんなぁ…

 

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・『心中天網島

いうまでもなく近松門左衛門人形浄瑠璃が原作。それを人形でなく、人間の俳優を起用して映画にしたわけだが、ただの映画化では面白くもなんともない。本作がすごいのは、人形浄瑠璃をそのまま映画にしたかのような、なんとも前衛的な演出が施されている点だ。なにせ人形劇と同じように黒子(!)が出てくるのである。壁も、舞台でのようにクルリと一回転して、俳優を一瞬で登場(ないし退場)させる。

こうした演出を楽しんでいるうちに、本編103分があっという間に過ぎてしまった。

 

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・『サンダカン八番娼館 望郷』

東南アジアカリマンタン島のサンダカンという都市を、(一目でフェミニストとわかる)ある女性研究者が訪問する。彼女はかつてそこにいた「からゆきさん」たちについて調査すべく訪れたのだ。

「からゆきさん」とは、戦前、東南アジアで売春婦として働いていた女性たちのこと。彼女たちは貧困のため日本を離れ、遠く南方でそうした仕事に従事していた。彼女たちが国に住む家族たちにあてて送金をしたことで、明治期の日本経済は支えられてきたのだ。…だが日本を陰で支えたはずの彼女たちに、日本社会が向けたまなざしは実に冷たいものだった。

日本の天草地方を訪れた女性研究者は、そこでかつて「からゆきさん」をしていたという老女と出会い、話を聞く機会に恵まれる。彼女は1930年代に日本に帰ってきたが、周囲の彼女を見る目は冷たかったという。その後、人生をやり直すべく満州に移住した彼女だったが、敗戦でまたもや人生を翻弄されてしまう。

人は国のために一生懸命に滅私奉公するが、その国はといえば、いともたやすく人を裏切る。かくして人はその一生を国に翻弄される。

クリント・イーストウッド監督『父親たちの星条旗』にも通じる話だ。