Furusawa Keisuke's blog

政治から映画、アニメ、将棋まで幅広く語ります。

最近見た映画の感想(第48回)

・『アイアンホース』

北米大陸東海岸と西海岸とをつなぐ夢の鉄道「大陸横断鉄道」。その夢を現実のものとすべく立ち上がった鉄道技師、労働者たちを描いたサイレント作品。監督は『駅馬車』でおなじみ、ジョン・フォード

本作を見ていると、サイレント映画というのは本当にサイレント(静寂)なんだなぁ、と痛感する。「何をあたりまえのことを」と思われるかもしれないが、本当なのだ。

本作終盤、(例によってネイティブ・アメリカンの襲撃に伴う)アクションシーンがあるのだが、クライマックスであるにもかかわらず、どこか日本の茶道と似た―まるで淡々とお茶をたてているかのような―静寂さに満ちている。

こういう不思議な感覚が好きな人は―たとえば僕とか僕とか僕のことだが―サイレント映画にハマるかもしれない。

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・『陽気な幽霊』

興味半分で霊媒師を招き降霊術を試みる、英国上流階級の主人公ら。するとそこに、主人公の亡き妻の幽霊が本当に降臨してしまったものだから、さあ大変! かくしてタイトル通り、陽気な幽霊との奇妙な同居生活がはじまった。

本作は1945年製作だが、早くもカラーフィルムで撮られている。登場人物のうち、幽霊である妻だけは色彩が違っており、「ああ、この演出をやりたかったがためのカラー映像なのね」と納得。デジタル加工技術全盛の今日であれば、この程度の演出など朝飯前なのだろうが、本作が撮られたのは前述のとおり、第二次大戦終結直後。

この時代にこれほどの映画が…と驚かされる。

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・『天井桟敷の人々』

まったく、愛を語らせたらフランス人にまさる民族はほかにおるまい。

本作はいかにも「おフランス~」といった感じの、男女の恋愛のかけひきを3時間以上(!)にわたり重厚に描ききった大作。

世界有数のセックスレス民族であるわれわれ日本人には、こういった男女の機微はなかなかに理解しがたいものがある。かくいう僕自身、十分にわかったとは言い難い。僕は今30歳だが、倍の年齢―すなわち60歳くらいになったらまた本作を見直そうかと思っている。

本作の原題は"Les enfants du paradis"―直訳すると「天国の子供たち」となる。じゃあ邦題のほうは意訳なのかというと、実はそうではない。

当時のフランスの演劇界では、天井桟敷―すなわち劇場の最上階の観客席を「天国」(paradis)と呼ぶ慣習があり、そこは値段が最も安かった。そこで無教養ゆえに騒ぐ貧民階級の観客たちのことを「子供」(enfants)と呼んでいたのだ。「天井桟敷の人々」は、したがってきわめて正確な翻訳である。

 

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・『恋人よ帰れ!我が胸に』

ビリー・ワイルダーという人はドタバタ喜劇が抜群にうまくて、代表作『お熱いのがお好き』は半世紀以上前に作られたラブコメ映画であるにもかかわらず、現代のわれわれが見てもフツーに楽しんでしまえる、というとてつもない作品である(たとえば平成のお笑いに慣れきったわれわれが昭和期の落語で笑えるかどうか、考えてみてほしい)。

本作もいかにもワイルダーらしい、ドタバタ喜劇。アメフトの試合を中継していた主人公のカメラマンが黒人選手にタックルされて入院する羽目に。幸い大事はなかったものの、そこに現れて話をややこしくするのが、主人公の義兄である悪徳弁護士。義兄は保険金をせしめるべく、主人公に障害者を装うよう強要する。

しかしウソというのはたいてい、最後にはバレるもの。観客はウソがいったいどういう風にしてバレるのかを注視するわけだが、本作終盤でウソがばれる理由がこれまた実に秀逸なのだ。これは絶対にネタバレしてはいかんだろう。みなさん、ぜひ自分の目で確かめてもらいたい。

…それにしても、このナルシシズム全開の邦訳は何とかならないものだろうか…(原題は"The Fortune Cookie")。さっき『天井桟敷の人々』の邦訳をほめたばかりなんだがなぁ。

 

 


・『昼下がりの情事』

 これまたビリー・ワイルダー監督によるラブコメ作品。主演はみなさんご存じオードリー・ヘップバーン(←かわいいっ!)。

主人公はオードリー演じる探偵の娘。父の調査対象となっている、とある大富豪に勝手にお熱を上げ、彼の泊まるホテルに勝手にプレイガールを装って侵入してしまうが、そしたら今度はその大富豪のほうが娘にお熱を上げてしまい…

とにかくオードリーかわいいの一言に尽きる映画。オードリーは当時28歳だったはずだが、実年齢より若く見える。…くそぅ、こんなかわいいオードリー(←3回目)がゲイリー・クーパーなんてオッサンとくっついてしまうだなんて…理不尽すぎるゾ、世の中!

いやぁ、オードリー、かわいいですw(←もう何回目だよ)