Furusawa Keisuke's blog

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惑星はいくつ?―太陽系像の変遷

先日、太陽系第9惑星「プラネット・ナイン」の存在可能性が公表され、大きなニュースになりました。

ここでまず、これまで人類の太陽系のイメージがどう変遷してきたかを振り返ってみましょう。

 

古代、人類の知る惑星は7つありました。すなわち、太陽、月、水星、金星、火星、木星土星

「え、太陽と月って惑星だったの?」と驚かれるかもしれませんが、当時はまだ天動説の時代。太陽と月も他の惑星と同じく地球の周りを回る惑星だと考えられていたのです。逆に地球はまだ惑星とは考えられていませんでした。

ところが近世にはいり、地動説が受け入れられたことで、一転して地球が惑星になりました。太陽は惑星ではなく、むしろ惑星の公転の軸となるべき、宇宙の中心となったのです。それでも月だけはあいかわらず地球の周りを回りつづけるということで、月は惑星とは違う、衛星というカテゴリーになりました。

 

というわけで、近世における惑星の数は6つ。水星、金星、地球、火星、木星土星。これらは全て、肉眼で容易に観測できる天体です(この事実を知らない現代人は意外と多く、私の母も「え、土星って、見えるの!?」と驚嘆していたものです)。

近世にはいってもう一つ画期的な出来事がありました。望遠鏡の発明です。

イタリアの科学者ガリレオ・ガリレイは発明されたばかりの望遠鏡を使って、金星に満ち欠けがあること、木星に4つの衛星があること、土星に輪があること、などの重大な発見を次々と成し遂げました。

そして18世紀にはいってついに、望遠鏡によって未知の惑星が発見されました。天王星です。これで、人類の知る惑星の数は7つー水星、金星、地球、火星、木星土星天王星となりました。

 

19世紀に入ると、今度は火星と木星の間に次々と新しい天体が発見されました。まず19世紀最初の日に新天体ケレスが発見されましたが、これはとても小さな天体だった。やがてケレスのほかにも、さまざまな小天体が火星と木星の間で見つかったため、これらは一括して「小惑星」というカテゴリーに含めよう、惑星からは除外しようということになりました。

19世紀のうちに、天王星の外側に新しい惑星・海王星が発見されました。この発見過程はとてもユニークで、天文学者が天体力学に基づいて計算し、発見したものです。

天王星の軌道に不思議な揺らぎー専門用語では「摂動」と言いますーがあったことから、天文学者たちは「未知の惑星から重力の影響を受けているに違いない!」と考えました。そして計算のすえ「ここに惑星があるはず!」と指摘した箇所を実際に観測してみたところ、本当に惑星が見つかったのです。海王星は、天体力学によって事前にその存在が予測された初めてのケースとなりました。この時点で、惑星は8つー水星、金星、地球、火星、木星土星天王星海王星

 

20世紀に入って、みなさんもよくご存じの冥王星が発見されます。これまで惑星を見つけたのはヨーロッパ人でしたが、この冥王星を見つけたのはアメリカ人です。そのためアメリカ人の冥王星への愛着は並々ならぬものがありました。ディズニー映画に出てくるプルート(Pluto)という犬も、冥王星Pluto)にちなんで名づけられたものです。こうして惑星の数は9つになりましたー水星、金星、地球、火星、木星土星天王星海王星冥王星

ところが20世紀末になって、冥王星の地位が揺らいできました。観測が進むにつれて、当初は地球と同じくらいと思われていた冥王星の質量が想像以上に小さいことがわかってきたのです。さらに海王星の外側に冥王星と同じような軌道で公転する小天体が多数見つかりました。これをカイパーベルト天体と言います。

冥王星は他の惑星とは物理的特徴が似ておらず、むしろカイパーベルト天体とよく似ていました。そのため、冥王星は惑星ではなくカイパーベルト天体の代表例として扱うべき、という声が強まっていったのです。

2006年の天文学会で冥王星はついに惑星から除外され、新設された「準惑星」のカテゴリーに再分類されました。当初は惑星とみなされたものの、小さかったのと、周りに似たような天体がたくさんあることから惑星から除外されたのです。その点で、ケレスと同じ経緯をたどったのですね(つまり“悲劇の主人公”はなにも冥王星が最初ではない、ということです)。

 

こうして現在、惑星の数は19世紀と同じ、水星、金星、地球、火星、木星土星天王星海王星の8つとなりました。

ところがどっこい、先日の発表で、太陽系の真の第9惑星(←なんか中二病っぽい響き)というべき「プラネット・ナイン」の存在可能性が明らかにされました。理論の信頼性は高いとみられており、もし存在が実際に確認されれば、惑星の総数は再び9つに戻ることとなります。水星、金星、地球、火星、木星土星天王星海王星、プラネット・ナイン(?)

 

惑星の総数は変遷を経て9つに戻るのでしょうか。それともさらに新しい天体が見つかって10を超えるのでしょうか。なんだかワクワクしますね!