Furusawa Keisuke's blog

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「第5のガス惑星」のナゾ

前回、これまで人類が抱いてきた太陽系のイメージーすなわち惑星の総数と内訳の変遷を見てきました。

今日は、先日存在可能性が指摘された第9惑星「プラネット・ナイン」の話に戻ります。

このプラネット・ナイン、大きさは海王星と地球の間くらい、組成天王星海王星と同じく、メタンや水(H2O)アンモニアなどが中心であり、巨大氷惑星天王星型惑星とも)だと推定されています。

 

太陽系の惑星は、岩石惑星とガス惑星に大別されます。我々の住む地球はもちろん岩石でできているので、岩石惑星(地球型惑星とも)に分類されます。

一方、木星以遠の4惑星は表面がガスで覆われていて、地球の地殻に相当するような固体の表面を持たないため、ガス惑星に分類されています。

ガス惑星はさらに、おもに水素やヘリウムによって構成される木星型惑星と、おもにメタンや水によって構成される天王星型惑星に分けられます。メタンや水は惑星内部で圧力により固められ氷のようなかたちで存在しているため、天王星型惑星は巨大氷惑星とも呼ばれています。

プラネット・ナインは、この巨大氷惑星に分類されるものと推定されています。もしそうなら、太陽系には巨大氷惑星が3つ、木星土星も含めれば5つのガス惑星が存在することになります。

 

ここで興味深いことがあります。実はコンピューター・シミュレーションを使った研究で、かつて太陽系には5つのガス惑星が存在した可能性が、以前から指摘されていたのです。

かつて木星などのガス惑星は、今日よりもずっと内側―つまり太陽に近い軌道を周回していたと考えられています。しかし惑星同士の重力作用により軌道が乱れ、天王星海王星は弾き飛ばされて現在のような遠い位置に落ち着きました。

この時、太陽系の周縁部にあるカイパーベルト天体とよばれる小さな天体たちがかき乱され、そのうちのいくつかは隕石となって地球や月に衝突したことが、月のクレーターの研究などからわかっています(後期重爆撃期)。

さて、このときガス惑星が5つあったと仮定すると、各惑星の軌道の変化をうまく説明できることがわかってきました。でも現在、太陽系には4つしかガス惑星がありません。では5つ目のガス惑星は、いったいどこにいってしまったのでしょう?

太陽系の外へと弾き飛ばされてしまったのだろう、と従来は考えられてきました。しかし今回、巨大氷惑星としてのプラネット・ナインの存在可能性が指摘されたことで、失われたものと考えられてきた「幻の5つ目」がプラネット・ナインとして現在も太陽系外縁部を周回している可能性が急浮上したのです!

 

こうして思いもよらぬ形で「太陽系第9惑星」と「第5のガス惑星」という二つの仮説が結びつきました。

今回の「発見」は、単に惑星の総数が9つになる(戻る)だけでなく、失われたと考えられてきた5つ目のガス惑星があらたに太陽系の構成メンバーに加わる可能性があるという意味でも、実に興味深いニュースと言えるでしょう。