Furusawa Keisuke's blog

政治から映画、アニメ、将棋まで幅広く語ります。

最近見た映画の感想(第61回)

・『現金に体を張れ

20世紀を代表する名監督のひとり、スタンリー・キューブリック監督。彼が記念すべきハリウッドデビューを果たしたのが、本作。いわゆるフィルム・ノワールに分類される作品だ。

競馬場にて売上金の強奪をもくろむ、完璧主義者の主人公。まるで(おなじく完璧主義者として知られた)キューブリック監督の自画像を見ているかのようだ。

だが現実はやっぱり甘くはなかった。完璧に見えた作戦は次第にほころんでいき、最後にはついに破綻してしまう。

ラスト。「え、まさかこんなかたちで…!」と驚くような展開で、現金(ゲンナマ)輸送が見破られてしまう。どんな展開だって? ネタバレになるので、ナ・イ・シ・ョ♪

 

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・『あの子を探して』

中国の寒村。小学校の先生が親の介護のため、急に休むことになった。代わりに派遣されたのは、なんと13歳の少女。中学生が小学生の面倒を見るようなものだ。当然、先生も生徒もまだコドモコドモしている。

そんなある日、貧しい家の男子生徒が「街に出稼ぎに行く」と言ってそのまま行方不明になってしまう。先生は生徒を探す旅に出る。

紆余曲折を経て、ラストシーン。先生の顔が冒頭と比べて見違えるほど大人びていることに驚く。アクシデントを経て、先生も生徒も、ともに成長したのだ。

本作は99年製作の中国映画。経済が成長し、いよいよ「途上国」から「新興国」へと移りつつあったころの中国だ。「あ~、そうだよなぁ。俺が子供のころ(90年代)の中国って、こんな感じだったよなぁ~」と、見ていて妙に懐かしかった(^_^;)

なお、驚くべきことに本作に登場する(先生も含めた)子供たちは、全員アマチュア。名前も、役名ではなくすべて彼らの本名である。

 

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・『センターステージ』

NYでバレエに青春をささげる(リア充の)若者たちを描く。くそっ、リア充爆発しろ

本作では本物のバレエダンサーたちが起用されているので、バレエシーンも本格的。映画ではなかなかお目にかかれない現代バレエーいわゆるコンテンポラリー・ダンスってやつーも見ることができ、なかなかに興味深い(なにせバレエなのにBGMがジャミロクワイ!)

2000年製作、と比較的最近の映画なので、登場するバレエダンサーたちの人種も多様。なかにはゲイのバレリーノまでいて面白い。今のハリウッドはマイノリティーにも気を使っているというのがよくわかる。

 

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・『クリクリのいた夏』

1930年代のフランスの片田舎。“クリクリ”という愛称の少女の目から見た、大人たちの物語。

なにか大事件が起こるというわけでもない、平凡な庶民の日常を、ユーモアと温かさを込めて描いた佳作。いかにも「おフランス~」という感じの映画だ。

 

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・『ゴッドファーザー PART III』

バチカンは、良くも悪くもオトナの組織だ。

「良くも」というのは、アメリカのエヴァンジェリカルズとは違って、進化論を受け入れるなど、社会の変化に柔軟であること。「悪くも」というのは、まぁハッキリ言ってしまえば、カネに汚い、ということだ。

ゴッドファーザー』シリーズの完結編である本作では、バチカンをも巻き込んだ一大スキャンダルが描かれる。

これを単に映画のなかでの話、と思ってはいけない。本作で描かれる、法王ヨハネ・パウロ1世の「急死」や、「法王の銀行家」ことロベルト・カルヴィの暗殺などは、現実に起こった事件である。これらの史実を巧みに織り交ぜつつ、本作ではシリーズの主人公マイケル・コルレオーネの人生の黄昏を描く。

陰影に富んだ重厚な映像は、まるでビーフステーキのように「こってり」としている。単体で見れば間違いなく名画であるが、さすがに前作、前々作と比べるとやや見劣りするのは否めない。

 

ゴッドファーザー PART III [DVD]

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