Furusawa Keisuke's blog

政治から映画、アニメ、将棋まで幅広く語ります。

最近見た映画の感想(第70回)

今回は、米国以外の国でつくられたミュージカル映画をおもに取り上げます。

 

・『ハード・デイズ・ナイト』

記念すべきビートルズ初主演作品。

60年代前半、まだアーティストというよりかはアイドルといったほうがふさわしかった、ビートルズの四人のあわただしい日常を描く。

モノクロの映像といい、女の子たちのファッションといい、メンバー四人が体現する破天荒かつ反抗的な若者像といい、いかにも「60年代」という感じの作品だ。

本作でキーパーソンとなるのが、ポールのじいちゃん。とにかくコケにされまくる。「敬老の精神?なにそれおいしいの」といわんばかりだが、今の日本が老人を大事にしすぎてるんでしょうな。本来、老人というのはこのようにコケにされるべき存在なのである。

さて、今日でこそ原題どおり『ハード・デイズ・ナイト』で呼ばれるようになった本作だが、日本初公開時にはなんとビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!』などというトンデモナイ邦題がつけられていた。さすがにこれはいくらなんでもアレだろう、というわけで原題どおりに呼ばれるようになったという次第である。

 

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・『ミラノの奇蹟』

イタリアが誇る映画監督ヴィットリオ・デ・シーカネオリアリスモの巨匠として知られている。

そんなデ・シーカ監督による本作は、しかしながらリアリスモ(現実主義)というよりかはむしろファンタジーというべき作品に仕上がった。

ミラノの貧民街。主人公の青年は、育ての親である亡き老婆の霊から天国のハトを託される。このハトの羽にはどんな願いでも叶える魔法の力が備わっていた。主人公はこの力を使って数々の奇蹟を起こしていく…。

空飛ぶホウキに乗って貧民街の皆が嬉々として神の国(天国)へと旅立つラストは、一見感動的にも思えるが、よくよく考えてみれば、結構ホラーな感じの終幕である(^_^;)

 

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・『シェルブールの雨傘

フランスのジャック・ドゥミ監督の手による本作は、純然たるミュージカル映画である。

「純然たる」というのはどういうことか。なんとすべてのセリフが唄になっているのだ。

ふつう、ミュージカル映画といえども唄のパートと一般のセリフのパートに分かれているものだが、本作ではすべてのセリフが唄である。どんなに深刻な場面でも唄である。どんなに殺伐とした場面でも唄である。

主人公の伯母が亡くなると

「伯母様が亡くなったわ~♪」

主人公が職場で上司とケンカして仕事をやめる場面ですら

「もういやだ~♪ こんな仕事やめてやる~♪」

といった次第(^_^;)

タレントのタモリさんはミュージカルが嫌いなことで有名だ。そのタモリさんがこの映画を観たら…発狂するのではなかろうか(w

 

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・『ロシュフォールの恋人たち』

こちらもジャック・ドゥミ監督の手によるミュージカル作品。ただしこちらのほうは「純然たる」ものではなく、ふつうのミュージカル映画である(^_^;)

フランス南西部の地方都市ロシュフォールを舞台に、双子の姉妹の青春を描く。

冒頭で流れる曲「キャラバンの到着」は、近年日本車のCMでも用いられたことがあるので、曲だけなら知っているという方も多いかと思う。

さすがに全部のセリフが唄というわけではないので、奇抜さという点では『シェルブール~』に及ばないかもしれないが、映画としての完成度では本作のほうに軍配が上がるだろう。

主人公姉妹の母親が経営するガラス張りのカフェが、おそろしくオシャレ。こんなカフェを60年代のうちに建ててしまうフランス人の感性に脱帽である…。

 

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・『アデルの恋の物語

19世紀フランスを代表する文豪ヴィクトル・ユーゴーにはアデルという名の娘がいた。ところがこの娘、困ったことには大のストーカー気質で、恋仲になった英国人将校を追ってわざわざカナダまで行ってしまった。本作はそんな彼女の恋(というにはあまりにおどろおどろしいものであることが本作を見ればよくわかるのだが…)の物語。実話である。

監督は『大人は判ってくれない』『突然炎のごとく』のフランソワ・トリュフォー監督。『突然~』でもそうだったが、トリュフォー監督はこのテの「病んでる女」を描かせたら本当に天下一品だ。

本作では水嶋ヒロ似のイケメン将校を追ってカナダまで来たアデルが、徐々に正気を失っていきついには発狂するまでの過程を、実に丹念に描いている。

それにつけても恐ろしいのは、アデルの常軌を逸した粘着ぶり。現代であれば確実に刑事告訴されて裁判所から「被害者の○メートル以内立ち入り禁止」と命令を受けるレベルである。

つくづく、女ってKOEEEEEEEEEE!!!!!