Furusawa Keisuke's blog

政治から映画、アニメ、将棋まで幅広く語ります。

最近見た映画の感想(第78回)

・『アンナ・カレーニナ

ベッキー乙武と、今年の芸能界は不倫の話題でもちきり。だが文芸の世界では、不倫といったらなんといっても『アンナ・カレーニナ』だ(※個人の感想です)

19世紀ロシアを舞台に、美人人妻アンナ・カレーニナと彼女に恋した青年将校の悲恋を描く。

原作は、ドストエフスキーと並び称されるロシア文学の巨匠トルストイの同名小説。これまでに何度も映画化されているが、今回ご紹介するのは御本家ロシア(当時はソ連)で制作された1967年版だ。

舞踏会のシーンをはじめ、観客がくらくらとめまいを起こしそうになるくらい、カメラが目まぐるしく回転する演出が強く印象に残った。

 

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・『まわり道』

『ベルリン 天使の詩』のヴィム・ヴェンダース監督による作品。

作家を志すもなかなか芽が出ない青年が、ドイツ最北端の海岸から最南端の山岳地帯まで、ドイツ縦断の旅に出る。

青年が街を訪れるたびに個性豊かな面々が仲間に加わり、青年の自分探しの旅はいつしか珍道中に。やがて青年は自分探しに意味を見出せなくなっていく。

ラスト、青年は「僕の人生はまわり道ばかりだ」とつぶやく。この言葉は、若いころ挫折を繰り返したヴェンダース監督自身の声なのかもしれない(そして僕自身の声でもある)

 

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・『魂のジュリエッタ

すこぶる難解な作風で知られるイタリア映画界の巨匠フェデリコ・フェリーニ監督による作品。うーん、やっぱり難解(^_^;)

ジュリエッタ・マシーナ演じる主人公が、自らの少女時代の記憶も含めて、さまざまな幻想にとらわれる。

…とまぁ、一言でまとめればそういうお話なのだが、観客に単純な解釈を許さないのがフェリーニフェリーニたるゆえん。これはもう「考えるな、感じろ」の世界ですねw

実は本作、フェリーニ監督初めてのカラー作品でもある。そのせいか、色彩が実に鮮やか。フェリーニ御大、はじめてのカラーなので、はしゃいじゃったのでしょうね。

 

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・『太陽はひとりぼっち』

男女の愛の不毛、社会不安を描かせたら右に出る者はいなかった、イタリアのミケランジェロ・アントニオーニ監督。今回取り上げる『太陽はひとりぼっち』も、いかにも彼らしい社会派の恋愛映画だ。主演はアラン・ドロンモニカ・ヴィッティ

恋人と別れたばかりの女が、証券取引所で働く男と恋に落ちる。だが新しい恋をはじめても、彼女の生活にはあいかわらず「ダルさ」が付きまとうのだった…。

本作において社会の軽薄さの象徴として描かれるのが、証券取引所だ。そこでは毎日怒号が交わされ、巨額のマネーが動く。関係者が亡くなると1分間だけ黙祷がささげられるが、それが終わればたちまち元の喧騒が戻ってくる。映画史上、これほど印象的に資本主義社会の空しさを描き切ったのは、本作が初めてなんじゃないかな。

だが個人的に最も印象に残ったのは、なんといっても主演モニカ・ヴィッティの凛とした美しさだった。

 

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・『ラストタンゴ・イン・パリ

パリを舞台に、冴えないアメリカ男とうら若いフランス女が出会い、肉欲におぼれていくまでを描く。

監督は『ラスト・エンペラー』でおなじみ、イタリア映画界の巨匠ベルナルド・ベルトルッチ。冴えない主人公を演じるのは、『ゴッドファーザー』のマーロン・ブランドだ。本作でブランドは髪の薄い中年男を演じており、これがあのヴィトー・コルレオーネなのか、といささか驚きを禁じ得ない。

なんでも、本作、アナルセックスの描写のある初めての作品なんだとか。そのため公開時には世界中で物議をかもし、本国イタリアではなんと上映中止(!)にまでなってしまったという、いわくつきの映画でもある。

ただ個人的には、ルイス・ブニュエル監督『昼顔』を観たばかりだったこともあって、言われるほど性的に過激な映画だとは思わなかった。

「ラストタンゴ」と銘打っているだけあって、終盤のタンゴのシークエンスがなんとも印象的。