Furusawa Keisuke's blog

政治から映画、アニメ、将棋まで幅広く語ります。

最近見た映画の感想(第80回)

・『プレタポルテ

世界最大の高級既製服展示会(プレタポルテ・コレクション)であるパリコレを舞台に、ファッション関係者やメディア関係者たちの人間模様をグランドホテル形式で描いた作品。

ワタクシ、あいにくファッションにはとんと疎いのですが(^_^;)、本作はなかなか面白かったですね。「ああ、パリコレの裏側って、こんな風になっていたのかぁ!」と、たいへん勉強になりました。映画鑑賞は、同時に優れた社会科見学でもあるのですね。

男性たちが思わず目を丸くする衝撃のラストがあるので、男性諸君は必ず最後まで見ること!

 

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・『ブロードキャスト・ニュース』

僕がどんなに高給を与えられても絶対にやりたくない職業というのが3つあって、1:政治家、2:中学校の先生、3:コールセンターの苦情担当係、というのがその内訳だ。だが本作を見ていて「あ、そうだ。テレビ関係者を4番目につけくわえよう」と思ったw

本作は、報道の世界に生きる3人の男女の(恋)物語。テレビ業界は過酷だ。文字通り「秒」を争う世界。見ているだけで胃が痛くなる。僕ならどんなに高給を与えられても、こんな職場は絶対にごめんだ。

本作を見ていると、普段は見ることのできない報道番組の舞台裏が実によく見渡せる。先ほども申し上げたとおり、映画鑑賞は、同時に優れた社会科見学でもあるのだ。

本作では、主人公3人の子供時代から壮年になるまでの半生が描かれている。秒を争う業界を描くわりには、本作のタイムスパンは、意外にも長い。

 

 

・『ホワイトナイツ~白夜~』

ソ連から米国へと亡命したバレエダンサーの主人公。そんな彼を乗せた飛行機がトラブルに見舞われ、あろうことか因縁の地・ソ連への不時着を余儀なくされる。不時着の際に負傷した主人公は、そのままソ連当局によって「治療」を口実に軟禁されてしまう。

主人公の世話と監視のため、ソ連当局が派遣したのが、ひとりの黒人だった。彼は元ベトナム脱走兵で、現在はソ連国内にてタップダンサーとして生活している。はじめはソリが合わないふたりだったが、やがてダンスを通じて友情をはぐくんでいく…。

冷戦末期の80年代に制作された本作。とにかく当時のソ連の閉鎖性、監視社会ぶりに驚かされる。このように国民をテロル(恐怖)で支配する国家が健全なはずがない。ソ連が本作公開から6年後に崩壊したのも当然のことだろう。

社会派の本作だが、もちろん主人公らのダンスも見ものだ。そしてラストの脱走劇も手に汗握る…いや、ちょっとご都合主義的かな(^_^;) それでもとてもスリリングだ。

「優れた作品は、同時に高度の娯楽性をも有している」というのが僕の持論だが、本作にも同じことが言えそうだ。

 

 

・『ブルー・イン・ザ・フェイス』

NY・ブルックリンを舞台に、しがない煙草屋の主人とその常連客たち、そして街の人々の交流を描く。

ブルックリンという設定がとにかく絶妙だ。世界的な大都会でありながら、都心(マンハッタン)ではないため、どこか下町的な人情味が漂う。

そのブルックリンには、かつて「ブルックリン・ドジャース」と呼ばれる球団があった。のちにLAに移転して「ロサンゼルス・ドジャース」になってしまうが、もともとはブルックリンの球団だったのだ。ブルックリンの人々は、ヤンキースでもメッツでもなく、このドジャースをこそ応援し続けた。ところがそのドジャースはブルックリンを去ってしまう。地元球団の喪失はいまでもブルックリンの人々の心に影を落としている、というのが本作を見るとわかる。

それにしても、舞台である煙草屋の、このアットホームな感じはいったいどこからくるのだろう。なんだか我々観客まで、この店の常連になったかのような気分だ。

あぁ、ブルックリン、行ってみたいなぁ。

 

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・『ハワーズ・エンド

日本社会ではあまり意識されないかもしれないが―いや最近は意識されるのかもしれないが―イギリス社会では「階級」(class)の存在感は極めて大きい。

本作では主人公の姉妹が、それぞれ金持ちの実業家アンソニー・ホプキンス!)、失業の憂き目にあった貧乏青年という、対照的なふたつの階級の男たちと結婚する。貧乏青年の「金持ちは転んでもまだチャンスがある。僕ら貧乏人は一度失業したらもう終わりだ」という言葉が身に染みる。

本作は、20世紀初頭の話。それから1世紀経って、僕らの社会は当時と比べて改善されたといえるだろうか。

アイヴォリー監督の描き出す映像が、とても美しい。

 

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