Furusawa Keisuke's blog

政治から映画、アニメ、将棋まで幅広く語ります。

今、準惑星がアツい!

昨日に引き続いて、今日も宇宙の話をしちゃうぞ☆

 

ここ最近、太陽系の準惑星に関して新発見が相次いでいる。

…といっても、おそらく多くの人にとっては「準惑星? 何ソレおいしいの?」状態だろうから、まずは解説する必要があるだろう。

準惑星dwarf planet)というのは、今から10年前の2006年、冥王星が惑星から除外された際に新設された、比較的新しいカテゴリーだ。

準惑星とは、①丸くて②軌道の周囲に同じくらいの大きさの天体が複数あって③衛星ではない、天体のことを指す。

現時点で準惑星として認められているのは、ケレス、冥王星、エリス、ハウメアマケマケの5天体だ。

そのうちのひとつ、マケマケに、衛星が発見されたという。

www.nikkei.com

 

ふつう、衛星は母天体の発見ののち、比較的すみやかに見つかる。他の準惑星―エリスでもハウメアでも、母天体が見つかってからまもなく衛星も見つかっている。ところがマケマケの場合、母天体の発見から約10年ものあいだ、衛星が見つからなかった。

これは、マケマケの表面が(この種の天体としては)明るすぎることが原因だったようだ。母天体が明るすぎれば、当然衛星はかすんでしまう。

さて、衛星の発見は、天文学者たちにとっては実にグッドニュースである。

衛星のおかげで、母天体の質量を推定できるようになるからだ。細かい説明は省くけどどうせみなさん物理学の数式なんか持ち出されてもサッパリでしょうし、母天体と衛星の距離や公転周期から、(母天体と衛星をあわせた)系全体の質量を求めることができる。実際には系の質量はほとんど母天体のほうに偏っているから、これで母天体の大まかな質量がわかる、というわけだ。

これまで衛星がないとされてきたマケマケだが、今回衛星が発見されたことで、その質量を推定できるようになった。質量がわかれば密度もわかる。マケマケの密度を冥王星のそれと比較することができれば、準惑星に関する知見がさらに深まることだろう。わくわく

 

 

新たな発見ふたつめ。2007OR10という、なにやら『スターウォーズ』に出てきそうなロボットみたいな名前の天体がある(この名前は、もちろん仮のものだ)

この天体が、さきほどのマケマケよりも大きな星であったことが、このたび判明したという。

 

無名の太陽系天体としては最大、太陽系外縁天体2007 OR10 - アストロアーツ

 

マケマケより大きいというのなら、物理学的に見て、その形状は確実に球形だろう。球形ならば、先ほどの準惑星の条件①丸い、を満たす。他の条件②、③も満たしているから、2007OR10はれっきとした準惑星、ということになる。近いうちに国際天文学連合(IAU)から公式にアナウンスがなされ、2007OR10は晴れて準惑星の仲間入りを果たすことだろう。

準惑星には、神様の名前がつけられる決まりになっている。さきほどのマケマケは、イースター島の神様の名前だ。そして名前は、その天体を発見した人物が決めることができる。

2007OR10を発見したのは、カリフォルニア工科大学のマイケル・ブラウン教授。彼は、その分野では知らない人はいないほどの超有名人で、他の準惑星マケマケハウメアもエリスも、全部彼が発見してしまった。現在は、仮説上の太陽系第9惑星「プラネット・ナイン」の捜索を行っている最中である。

僕は以前、本ブログにてブラウン教授の著書『冥王星を殺したのは私です』の書評を書いたことがある理系人間には珍しく、とてもユーモラスで文才あふれる人だ。

彼は、天体に名前をつける際、かなり凝った命名をすることで知られている。

エリスの場合、その発見がきっかけとなって惑星の定義を巡る大論争が巻き起こり、結果として冥王星が惑星から除外されてしまった。このような経緯から、不和と争いの女神・エリスの名前が採用された。

ハウメアの場合、かつて小天体がハウメアと衝突し、破片が散らばって衛星となったり、周囲の小惑星となったりした。そうした経緯から、多くの子を産んだハワイの豊饒の女神・ハウメアの名前が採用された。

今はまるでロボットのように恐ろしく無機質な名前の2007OR10にも、ブラウン教授がきっと詩的な名前をつけてくれることだろう。その日が楽しみだ。