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Furusawa Keisuke's blog

政治から映画、アニメ、将棋まで幅広く語ります。

最近見た映画の感想(第86回)

・『誘惑のアフロディーテ

ウディ・アレン演じる主人公夫婦が養子を引き取ってみると、その子はとっても優秀で、じゃあその母親もさぞかし…と思って調べてみたら、なんと彼女は娼婦で、ところがアレンはそんな彼女に恋してしまって…という具合に、アレン監督の十八番ともいえる、NYを舞台としたラブコメ作品。

随所にギリシャ演劇のコーラスがたくみに挿入されているのも、アレン監督ならではの遊び心だろう。やっぱりウディ・アレンはラブコメ路線がサイコー!

 

 

・『キルトに綴る愛』

論文を制作中の大学院生の女性が、祖母の家に滞在させてもらうことに。彼女の家では複数の女性たちが集ってキルトを編んでいた。やがて彼女たちひとりひとりがこれまで歩んできた人生の物語が語られていく。

世代や人種も異なる複数の女性たちの人生譚に触れて、主人公の大学院生はこれまでの半生や己の恋愛観、結婚観を見つめ直す。女性ひとりひとりの物語がじんわりとした感動をもたらしてくれる。映像も美しく、とてもいい気分になれる映画でした。

 

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・『愛と哀しみの果て

メリル・ストリープ演じる主人公女性が20世紀初頭のアフリカで農場を経営したり学校を開設したり、夫に梅毒をうつされたり(!)、飛行機乗りとロマンスに落ちるもその飛行機乗りが事故死してしまったり…と波乱万丈の生涯を送る、という内容のお話。

なにぶん20世紀初頭のアフリカなものだから、女性差別や人種差別がまだ色濃く残っている。

個人的に面白いと思った箇所をひとつ。

現地の子供たちに教育を受けさせようとする主人公女性に対し、村の酋長は子供たちに教育など不要、と突っぱねる。村民全体の教育水準が上がることで自らの知的権威が相対的に低下するのを恐れているのだ。一方、居留地の有力者である白人も、黒人たちに教育は不要、と突っぱねる。彼らの知的水準が上がることで反乱が起きるのを恐れているのだ。

かくして「野蛮人」アフリカ人と「文明人」イギリス人が、所詮は同じ穴のムジナにすぎないことが暴露される。白人(男性)社会の欺瞞が暴かれるなか、その周縁(=女性)にいる主人公の存在が際立つ、というわけである。

ちなみにメリル・ストリープは、ある映画賞の授賞式にて、かのウォルト・ディズニーを「女性差別主義者で反ユダヤ主義者である」と批判したことで有名である。

 

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・『ノーバディーズ・フール

ポール・ニューマン演じる初老の主人公。いわゆる「下流老人」というやつで、素行が悪く、周囲でトラブルばかり引き起こしている。だがそんな主人公のもとに、長年離れて住んでいた息子が孫と一緒に戻ってきてくれたことで、主人公を取り巻く人間関係は徐々に好転していく。

本作で象徴的に描かれるのが、大型テーマパークの建設を巡って振り回される街の様子だ。テーマパークの建設が突如白紙撤回されたことで、建設を前提に動き回っていた不動産屋は蒸発。かくして<システム>に依存して生きる人間のみじめさが描かれると同時に、多少日頃の行いは悪くても、そのような<システム>に依存せず自立して生きる主人公のタフガイぶりが肯定的に描かれる。アメリカ人って、こういう人間像、好きですねェ。

ただまぁ、こういう人が大統領選でトランプに投票しちゃうんだろうなぁ…

 

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・『僕の美しい人だから』

妻を早くに亡くしたユダヤ系のエリート青年が、ひょんなことから下流階級の中年女性と恋に落ちてしまう、というお話。

社会階層のまったく異なるふたりが恋することで、ライフスタイル、価値観の違いや周囲の人間関係に悩むという展開が結構リアル。

ただ残念なのが、ヒロイン役の中年女性がどこからどう見てもただのオバサン(失敬!)なことで、「ええ~、なんでよりにもよってこんなオバサンと…」といささか幻滅してしまうことだろうか…(w

 

ぼくの美しい人だから [DVD]

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