Furusawa Keisuke's blog

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113番元素がニホニウムになるんだそうで

日本の理研命名権を獲得したことで話題になっていた、第113番元素の名前がどうやら「ニホニウム」になりそうである。

 

www3.nhk.or.jp

結論から先に言う。ニホニウムは好ましくない。ラテン語名に由来する「ジャポニウム」とすべきだ。

 

まずは理由ひとつめから。

そもそも「~ニウム」(-ium)はラテン語の中性名詞の語尾に由来する。また、国名に由来する他の元素は、いずれもラテン語での国名を採用している。したがって、日本のラテン語名「ジャポニア」(Japonia)に由来するジャポニウム(Japonium)としたほうが、ラテン語の語尾や他の国名由来の元素との統一性が保たれると考えられる。

たとえば、「ゲルマニウム」(Germanium)という元素がある。これは、ドイツのラテン語名「ゲルマニア」(Germania)に由来する。ドイツ人は自国のことを「ドイチュラント」(Deutschland)と呼んでいるが、元素名としてはラテン語名を採用してゲルマニウムとしたわけだ。

 

理由ふたつめ。今回、理研は「日本が発見した初めての元素」である点をアピールしたいものと思われるが、ならば国際的知名度の低い「ニホン」(Nihon)は避けるべきだ。

北欧に、フィンランドという国がある。この国を、当のフィンランド人は「スオミ」(Suomi)と呼んでいることを、みなさんはご存じだろうか。仮にフィンランド人の科学者チームが新元素を発見したとして、その元素に「スオミウム」(Suomium)と命名したとしても、それを見て「ああ、フィンランドに由来する元素なんだなぁ」と理解できる人が、フィンランド国外にどれだけいるだろうか。

 

理由みっつめ。仮にニホニウムと命名したとしても、後述するように欧米の研究者には「ニホン」としっかり発音してもらえない可能性が高い。自国語での国名にこだわりがあるというのであれば、それが正確に発音されないという事態は好ましくないのではないか

周知のように、フランス、イタリア、スペインなどのロマンス語圏ではh音を発音しない。したがってロマンス語圏出身の研究者は「ニオニウム」と発音するだろう。英語圏では、h音こそ発音されるものの、元素名そのものは「ナイホニアム」と発音される可能性が高い。

 

これから5か月間、化学に関する国際機関が一般から意見を募集したうえで、今年末か来年の初めごろに元素名と元素記号を正式に決定する見通しだという。

今からでも遅くはない。関係者らには元素名の再考を求めたい。