Furusawa Keisuke's blog

政治から映画、アニメ、将棋まで幅広く語ります。

「想定外」で、イイんです

天文学ーというか、惑星科学ーを勉強していると、天文学上の発見はまさに「想定外」の連続であったことに、ただただ驚いてしまう。

 

たとえば、木星イオという衛星がある。だいたい月と同じくらいの大きさの衛星だ。

天体は、小さければ小さいほどーより正確にいえば、体積に対する表面積の割合が大きければ大きいほどー内部熱がすぐ冷めてしまうため、地質学的な意味で「死んだ天体」となりやすい。

月はすでに地質活動を停止している。イオだって大きさは月と同じくらいなのだから、当然「死んだ天体」になっているものとばかりと思われていた。

ところがどっこい、いざ探査機を近くまで飛ばしてみたら、驚くべきことに、そこには活火山が大量に存在していた。「死んだ天体」などとんでもない。イオは、地球以上に火山活動が活発な「生きた天体」だったのだ。

それまでは、イオに活火山があることを想定していた天文学者は、皆無に等しかった。

 

昨年夏に探査機が接近した冥王星にしても同じことで、そこには固体窒素の氷河が存在していることがわかった。天文学者たちはまた例によって「冥王星に氷河があったなんて…」「想定外だった」と言っている。

 

こうして見てみると、むしろ天文学者の想定通りに発見がなされた例のほうがはるかに少ないのではないか、とすら思う。

 

ここが地震学とは違って、天文学の良いところだ。

地震学では「マグニチュード9が来るなんて想定外でした~」「震度7が立て続けに2回も来るなんて想定外でした~」とでも言おうものなら、「ふざけんなテメエ! 税金返せ!」と、たちまち国民から轟轟たる非難を浴びてしまう。

が、天文学の世界では「○○に××があるなんて想定外でした~」で、全然OKなのである。

 

来たる7月の上旬に、今度はジュノーという探査機が木星に到達するという。また例によって「想定外」の発見が相次いでなされることだろう。

地震と違って、こちらの「想定外」は実に楽しみだ。