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Furusawa Keisuke's blog

政治から映画、アニメ、将棋まで幅広く語ります。

最近見た映画の感想(第92回)

・『魔人ドラキュラ』

黒いマントに牙、コウモリなど、「ドラキュラ」と聞いて今日僕たちが思い浮かべるイメージは、本作に由来するところが大きい。そういう意味で、本作は非常に古典的な作品といえる。

本作においてドラキュラを演じるのは、ハンガリー出身の俳優ベラ・ルゴシ。セクシーでどこかエキゾチックな魅力も備えたルゴシは多くの女性ファンを獲得、彼のもとにはファンレターが殺到したという。

本作を観るかぎり、ルゴシの英語にはハンガリー訛りがあるが(とくにr音が巻き舌になるところ)、かえってそれが彼の魅力を強化したのだろう。日本のオバサンたちが韓流スターのカタコトの日本語に萌えるのと同じことである。

そんなルゴシも、晩年にはすっかり落ち目のスターとなってしまった。彼が最後に出演したのは、「史上最低の映画」として知られる『プラン9・フロム・アウタースペース』。よりにもよってこのB級映画もといZ級映画が、彼の遺作となってしまった。

 

 

・『ミッドナイト・クロス』

ギャング映画の名手ブライアン・デ・パルマ監督による作品。

音響監督として働く主人公が深夜に野外録音をしていたところ、偶然にも自動車事故を目撃してしまう。だがこれは、ただの事故ではなかった。謎を追う主人公は、やがて要人暗殺を狙うドス黒い政治的陰謀に巻き込まれていく…

主人公が自動車事故の連続写真を入手してこれをスライド化し、自身が録音したテープの音声と合わせてみて、はじめてこれが事故ではなく事件だとわかる、という筋書きが面白い。

(ネタバレになってしまうが)最後をあえてヒロイン死亡エンドにしたところにデ・パルマ監督のセンスの良さを感じる。

 

 

・『めぐり逢う朝

近世のフランス。弦楽器「ヴィオール」の名手として宮廷からも注目される男がいた。だが厭世的な性格であった男は宮仕えを拒み、森のなかの自宅に隠遁してしまう。

ある日、ひとりの青年が男のもとを訪れ、弟子入りを希望する。青年は音楽の才能に恵まれていたが、男はなかなか弟子にとろうとはしない。ようやく弟子入りを許されるも、師匠と違い上昇欲の強い弟子はついに事実上の破門を宣告され、都に戻って宮廷音楽家となる。

だが出世などの俗世的幸福に疑問を感じた弟子は、ついに師匠のもとへと戻る。そして初めてともにヴィオールを演奏する。

男女の愛だけでなく<師弟愛>とは何か、を考えさせられる作品。

 

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・『2010年』

まもなく木星探査機「ジュノー」が木星系に到達するのだそうである。

だからというわけでもないが(w)、木星の登場する映画をご紹介しよう。

本作は『2001年宇宙の旅』の続編。といっても監督はキューブリックではなく、ピーター・ハイアムズに交代している(ただし原作はともにアーサー・C・クラーク

作品のタッチも全然違う。『2001年』のほうは、ラストでセリフやナレーションがまったくなくなってしまうが、本作は(前作で説明されなかった人工頭脳HALの暴走の理由も含めて)ちゃんと言葉で説明していくスタイルなので、あたかもミステリー作品の謎解きを見ているかのようである。

筋書きはというと、2010年、米ソ両国による合同調査チームが木星に向かう、というもの。

え、21世紀なのにソ連?w

なにぶん、本作は冷戦期の1984年に撮られたもので…w

ほかにも、人工頭脳が発明されているわりにはコンピューターがCUIだったり、画面がブラウン管だったりするが、まぁご愛嬌(^_^;)

現実にはまだ有人木星旅行は実現していないが、ITのほうは長足の進歩を遂げ、SFを追い抜いてしまったのだ。

 

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・『アンタッチャブル

上に挙げた『ミッドナイト・クロス』と同様、ブライアン・デ・パルマ監督による作品。

禁酒法時代のシカゴを舞台に、財務省捜査官チームがギャングの頭領アル・カポネを追いつめていく、というお話。

ラストでは駅の階段で乳母車が落ちるなかをド派手に銃撃戦。これはもう一目、『戦艦ポチョムキン』の「オデッサの階段」のオマージュですねw

本作にかぎらず、デ・パルマ監督はこういうふうに名作のオマージュシーンを堂々と挿入することが多い。(『殺しのドレス』なんてまんま『サイコ』だしね)

 

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・『緑園の天使』

三度の飯より馬が大好きな女の子がジョッキーとなり、大人の男たちに交じって競馬レースに出場、優勝を目指すという、NHK朝の連ドラ的な作品。

主演は当時12歳(!)のエリザベス・テイラー。12歳にして余裕の演技。さすがですね(^_^;)

彼女の父親を演じるのは、ドナルド・クリスプ。『散り行く花』でリリアン・ギッシュ演じる少女を虐待しまくっていた毒親と同じ役者さんとは思えないくらい、マジメなお父さんを演じていて笑えますw

いい映画だけど、初出場のレースでいきなり優勝しちゃうというラストは、いくらなんでもご都合主義に過ぎるんじゃありませんか。

 

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