Furusawa Keisuke's blog

政治から映画、アニメ、将棋まで幅広く語ります。

最近見た映画の感想(第94回)

・『ベルベット・ゴールドマイン

70年代ロックミュージシャンたちの破天荒な(性)生活を描いたイギリス映画。

基本的にミュージカル映画といってよく、シーンの合間合間にロックの名曲が次々と流されていく。映像も実にスタイリッシュだ。

それにしても60年代後半から70年代前半にかけての、この何とも言えない開放感(解放感)は、いったいどこから来たものなのだろうね。これは単に僕の個人的な印象ではなく、人文・社会科学の分野で「1968年問題」として論じられているテーマである。

 

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・『屋根の上のバイオリン弾き

帝政時代のロシア。そこではユダヤ人たちが、昔からのしきたりに従って農業生活を営んでいた。

ユダヤ社会では、娘は父親の決めた相手と結婚するのが習わしだ。ところが主人公の娘たちは自分の意思で結婚相手を選び、主人公である父に認めてもらおうとする。父は戸惑うが、最終的に娘たちの意思を受け入れ、時代の変化に適応していく決意をする。そんな折、平和だった村にポグロム(ユダヤ人虐殺)の脅威がせまってきた…

本作は、ブロードウェーの劇を原作としたミュージカル映画

ミュージカルというと、パリとかNYといった大都会が舞台で、演出も都会的で洗練されていることが多い。一方、本作はロシアの農村が舞台。演出も土着的な臭いに満ちているところがミュージカルとしては斬新で、面白いと思った。

 

 

・『ラウンド・ミッドナイト』

先ほどはロックの映画を取り上げたので、今度はジャズの映画を取り上げることとしよう。

パリに滞在するアメリカ黒人のジャズミュージシャンと、彼の大ファンでありパリ滞在の世話をするフランス人青年のBL的関係性友情を描いた作品。

ジャズの名曲が次々流れ、熱心なジャズファンでなくとも思わずウットリしてしまうこと請け合いだ。

主人公の黒人らしいハスキーな低音ボイスもまた魅力的。

主人公はパリで青年との交流を通じて癒されるが、NYに戻って間もなく悲劇的な最期を遂げてしまう。美しいパリとどんよりしたNYの対比もまた、印象に残る。

 

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・『モン・パリ』

シェルブールの雨傘』『ロシュフォールの恋人たち』でおなじみジャック・ドゥミ監督のコメディ映画。

マルチェロ・マストロヤンニ演じる主人公のイタリア男。肥満のせいかお腹が膨れてきたので病院で診てもらったところ、なんとオメデタだというではないか!

「男が妊娠!?」

たちまち世界的大ニュースとなり、男は有名人となる。

というわけで、男が妊娠しちゃったサァ大変、というお話。全編にわたって人を食ったような感じのお笑いが印象的だ。

同じく男性の妊娠をテーマにしたコメディ映画ということで、僕はアーノルド・シュワルツェネッガー主演『ジュニア』を思い出しながら本作を観ていた。

 

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・『ロバと王女』

こちらもジャック・ドゥミ監督作品。こちらは中世的世界を舞台にしたファンタジックなミュージカル映画だ。

主人公の王女が暮らす、「青の王国」。あろうことか父王から求婚された彼女は、いろいろと困難な要求を突き付けてこれを斥ける(このあたりは日本の『竹取物語』とよく似ている)。それでも父王がしつこいので、ついに彼女は王国を脱出、「赤の王国」へと移る。そこでまぁいろいろあって最後はメデタシメデタシに至るというお話。

「青の王国」では家具の色、従者の肌の色、馬の毛の色、なにもかも青一色。一方「赤の王国」では、なにもかも赤一色。これはなかなか視覚的に面白い演出だと思った。

世界観は基本的に中世ヨーロッパのそれだなと思っていたら、終盤、唐突にヘリコプターが登場してビックリ! ドゥミ監督の人を食ったような演出は本作でも健在だ。

中世の写本が開かれる冒頭から、その本が閉じられる終幕まで、ディズニー映画的なメルヘンな演出がなされる。

なんというか、いかにも女子が好きそうな映画だな、と思った。

 

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