Furusawa Keisuke's blog

政治から映画、アニメ、将棋まで幅広く語ります。

いまさら『1Q84』を読んだ

ここ数日ほど更新が滞ってしまったことを、まずは読者のみなさんに詫びたい。

わけあって、都内の医療施設にて過ごしていたのだ。といっても、べつに健康不安とかそんなのでは決してないのでどうかご安心を(;^ω^)

 

医療施設にいる間、ほかにすることもないので、施設内の本棚に置かれていた、村上春樹1Q84』(全3巻)を読んでいた。

3巻まで読み終えた感想は…同じ作者の『海辺のカフカ』の読了感と似ているな、というものだった。

両作品とも、「世界の謎」がふんだんに読者のまえに提示される。『海辺のカフカ』では、それはUFOであったり空から降ってくる魚であったりするし、『1Q84』ではそれは「リトル・ピープル」であったり「空気さなぎ」であったりする。

ところがそうした「世界の謎」が解き明かされることはついぞなく、物語は最後には「少年が母親(的存在)によって承認される」だとか「互いに想いつづけてきた男女がついに結ばれる」といった「個人の問題」へと収束して、それで終わってしまうのだ。

たしかに、『1Q84』のふたりの主人公、天吾と青豆が高円寺の公園で20年ぶりに再会を果たすラストは、それなりに感動的ではある。一方、リトル・ピープルや空気さなぎ、謎の少女・ふかえりやカルト教団「さきがけ」などの話はまったく宙に浮いたまま、物語は唐突に(としか言いようがないだろう)幕を下ろしてしまう。この作者の悪い癖だ。

さきほど「全3巻」と書いたが、内容が内容なので、「ひょっとして4巻目が発売されるのでは?」という憶測はファンの間で絶えずなされていた。だが2016年7月現在、4巻目が発売されるという情報はない。『1Q84』の物語は、やはりこれで終わりということなのだろう。やれやれ(←村上作品の主人公風に)

 

まぁ、ノーベル賞候補の大作家さまを相手にあんまりけなすのも失礼だし、ただの自意識過剰なブログ魔だと思われるのも癪なので、次は褒めることにするw

さすが世界的文豪なだけあって、喩えなどの表現力が実に豊かだ。とくに3巻の最終章における月の描写には「あっ」と言わされてしまった。

 

作者が、フェミニズムからの批判を(一応)受け止めている、というのも『1Q84』を読んで分かったことだ。

これまで村上作品は、「男に都合のいい女」ばかりが出てくるというので、女性の批評家などからは比較的嫌われてきた。『1Q84』で女性主人公・青豆がアイスピックでDV男たちを殺害するのは、「いえいえ、誤解です。私だって女性の人権のことはちゃんと考えてるんですよ」という作者のエクスキューズ、と見ていいだろう。

 

最後に、『1Q84』で個人的にいちばん気に入ったキャラクターを紹介することにする。それは、青豆のスポンサー的存在である老婦人に仕えるボディーガード、タマルだ。

とても頭脳明晰でハードボイルドな殺し屋なのだが、同時に(本人曰く)「メジャー・リーグ級のゲイ」だというギャップが面白かった。