Furusawa Keisuke's blog

政治から映画、アニメ、将棋まで幅広く語ります。

英語で読んでみよう―天皇陛下の「お気持ち」

英語、というか外国語一般を学習するにあたって、一番良いのはその言語で書かれた文章を実際に読んでみることだ。

僕がよく勧めているのは、wikipedia英語版のなかから、自分が最も興味を持っている分野の記事を漁って読んでいくやり方である。これが興味がない分野だと、途中で挫折してしまう可能性が高い(^^;)

 

周知のように、昨日、天皇陛下の「お気持ち」がビデオ形式で発表された。

この「お気持ち」、ちゃんと英訳も用意されており、宮内庁のHPにて原文とともに公開されている。

「お気持ち」、英語ではどう表現されているか興味があったので、さっそく読んでみた。英語には自信があるという方も、あるいはこれから英語をしっかり勉強したいという方も、ぜひ一度読んでみてほしい。

 

象徴としてのお務めについての天皇陛下のおことば(英文)

Message from His Majesty The Emperor : Message from His Majesty The Emperor(August 8, 2016) (video) - The Imperial Household Agency

 

天皇」は、つねに定冠詞+大文字でthe Emperorと呼ばれている。20世紀初頭までは世界中にemperorsがいたが、革命や敗戦などで次々と失われ、現在では日本の天皇だけがemperorとして残っている。

「お気持ち」を読んでいると、the symbol of the State(象徴)という言葉が繰り返し出てくるのに気がつく。原文でも気になったが、英文でもやはり気になる。それだけ天皇陛下はこの言葉に強いこだわりがあるのだろう。もう戦前のような「現人神」には戻らないということだ。ちなみに現人神は英語でもarahitogamiという。

 

さて、個人的に「あ、この英語、美しい!」と思ったのが、後半部分にある、以下の一節。

 

...to always think of the people and pray for the people, with deep respect and love for the people.

 

英語は同じ単語の繰り返しを嫌がる傾向があるのだが、この一節に限っては、the peopleという単語が短いなかで3回も用いられている。わざとこの単語を繰り返し言うことで、韻を踏むとともにthe peopleという点を強調したいのだ。Abraham Lincoln大統領のかの有名なGettysburg Address にも似ている。訳者もそれを意識したのかもしれない。

この一節は、実際に声に出して読んでみるとよくわかるが、とてもリズミカルだ。英語の発音に自信があるという方は、ぜひこの一節を朗読してみてほしい。

この個所は、日本語の原文では≪国民を思い,国民のために祈るという務めを,人々への深い信頼と敬愛をもって≫となっている。その内容はさておき、日本語で朗読すると、なんだか平坦な感じのする一節だ。英語と比べて日本語はリズム感に欠けるところがあるので、こうした印象になるのも致し方ないだろう。

…もちろん、この一文のなかに陛下のお気持ちがよく込められていることに変わりはない。

 

日本語と英語で世界に発信された、天皇陛下の「お気持ち」。

僕たちは今一度、天皇陛下の国民への想いをしっかりと受け止めるべきだろう。