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Furusawa Keisuke's blog

政治から映画、アニメ、将棋まで幅広く語ります。

最近見た映画の感想(第103回)

・『ハレルヤ』

米国南部で綿花を栽培して生計を立てる黒人の主人公とその家族。ある日、綿花を売りに都市部に出たところトラブルに巻き込まれ、運悪く主人公の弟が流れ弾に当たり死亡してしまう。ショックを受けた主人公は綿花栽培をやめて牧師になり、南部各地を説法して回る。いつしか彼はカリスマ牧師となり、周囲には人だかりができるまでになった…。

本作が公開されたのは1930年、とまさにトーキーの黎明期。主人公から脇役までキャスト全員が黒人という本作、ことあるごとに黒人たちがゴスペルを歌いまくる。トーキーが生まれたばかりでしかも公民権運動から30年も前という時代に、これほどの映画があったのか、と驚かされる。

なお、現在出回っているDVDを再生すると、最初に「今日では差別的ととれる表現が…」云々と但し書きが出てくる。なんだかイヤな予感がしてしまうが、本編はべつに差別的というわけでもない。人種差別はたしかによくないが、あんまり神経質になり過ぎるのもどうか、と思う。

 

ハレルヤ (字幕版)

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・『ティナ』

実在する黒人歌手ティナ・ターナーの半生を描いた伝記映画。

歌手を目指すティナが、ローレンス・フィッシュバーン(『マトリックス』のモーフィアスの人)演じるギタリスト・アイクに認められ、彼とコンビを組んでデビューを果たす。人気はうなぎのぼりだったが、私生活では夫になったアイクが日夜DVを振るう。やがて精神の危機に陥った彼女を救ったのは、意外な教えだった…

それまでずっとパワフルにロックンロールを歌ってきた彼女が、後半にいたって唐突に法華経(!)に帰依しだし、お仏壇に向かって手を合わせながら

ナムミョーホーレンゲーキョー

とお題目を唱えるのだからなんだか笑えてしまうべつに折伏じゃないからね

劇中をいろどる数々の音楽が印象的だったけど、最後の法華経がおいしいところを全部持っていってしまった感がある。

 

TINA ティナ [DVD]

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・『虹の女王』

これまた実在した歌姫マリリン・ミラーの半生を描いた伝記映画。

彼女が10代の若さでデビューし、不運にも夫を事故で失いながらも周囲の助けで立ち直るまでを描く。

ほのぼのとしたギャグが多くーとりわけ主人公のお父さんがコメディリリーフ全体的にNHK朝の連ドラ的な雰囲気があって、好感が持てました。

 

虹の女王 [DVD]

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・『ディーバ』

黒人のオペラの歌姫に恋い焦がれる郵便配達の青年。歌姫は自らの歌が録音されるのを嫌っていたが、青年は彼女のコンサートの際、ひそかに録音してしまう。

ところがその録音テープがひょんなことから、犯罪組織から逃れた女性が組織の内実を暴露した録音テープと取り違えられてしまい、青年は犯罪組織と、歌姫の録音テープを狙う海賊版業者の双方から追われる身となってしまう…。

フランス映画である本作、アクションシーンもある一方で、歌姫と青年のロマンスも描かれていて(流石おフランス!)、もちろん歌姫の歌唱シーンもある。映像も美しく、とくに終盤で待ち合わせ場所として登場する廃墟の工場などは実に印象的。いろいろな切り口から楽しむことができる名画だ。

黒人の歌姫のほかにも、本作ではベトナム娘も登場する。まったく、フランスはこのテの(彼らから見れば)エキゾチックな女たちが好みなのかね。

 

ディーバ 製作30周年記念HDリマスター・エディション [DVD]

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・『夜半歌聲/逢いたくて、逢えなくて』

言わずと知れた『オペラ座の怪人』を、舞台を1930年代の中国に置き換えた作品。

1936年の北京。小劇団に所属する主人公が郊外のさびれた劇場跡を訪れると、そこには顔を覆い隠した謎の男がいた。

その男は10年前、この劇場で活躍していたスター俳優だった。が、若い未婚女性と関係を持ってしまい、彼女の婚約相手の家が放った刺客に顔に酸をかけられ、社会的に抹殺されてしまったのだ。若い女性はショックのあまり発狂してしまい、男のほうは「怪人」として劇場跡に住まうようになった。

その怪人から発声の手ほどきを受ける主人公。やがて発狂した女性が怪人と間違えて主人公のもとに寄ってくる。怪人は、自由に動ける主人公に自分の面影を焼き付けることで、彼女を救おうと考えていたのだ…

ストーリーは「オペラ座の怪人」をベースに、「ロミオとジュリエット」の要素も混ぜ合わせたような感じ。なるほど、うまい具合に翻案したなぁ、と感心した次第。ただ、純西洋風の劇場は、やっぱり中国の風土には似合わない気がする。

 

夜半歌聲 逢いたくて、逢えなくて [DVD]

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