Furusawa Keisuke's blog

政治から映画、アニメ、将棋まで幅広く語ります。

最近見た映画の感想(第106回)

・『ギターを持った渡り鳥』

あの石原裕次郎とならんで日活を代表するスター・小林旭が、ギターの「流し」をしながら日本全国を旅してまわり、毎回行き着いた先で浅丘ルリ子と親しくなるも、宿敵・宍戸錠との対決を余儀なくされ、最終的に勝利をおさめるものの、結局はその街を去っていく…というプロットでおなじみの『渡り鳥シリーズ』第1弾。

今回の舞台は北海道函館市。函館には僕も一度行ったことがあるが、本作はなにぶん1959年公開の映画なので、現在と比べると宅地化が進んでいない。函館山から眺める函館の街はまだ土地がスカスカで、隔世の感がある。

…こんなことを書くともしかしたら熱心なファンの方から怒られてしまうかもしれないけど、主人公の小林旭、現代の視点からすると、決してイケメンとはいいがたい。これは日活のもうひとりのスター・石原裕次郎にも言えることだと思うー個人的には、石原はむしろ晩年になってからのほうが好きだ。

昔と今とで、イケメンの基準が大きく変わっていることを再認識させられた。

 

ギターを持った渡り鳥 [DVD]

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・『黒部の太陽

昭和の大スター・石原裕次郎と、「世界のミフネ」として知られる三船敏郎とがタッグを組んだ超大作。世紀の難工事と言われた黒部ダム建設工事にすべてをささげた男たちの姿を描く。

ときは高度成長期。日本は膨大な電力を必要としていた。その需要にこたえるべく、水力発電所を富山県の黒部に造ることになったが、そこは人里離れた山奥。ダムを造ろうにも、そもそも資材を運ぶことすら困難であった。そこで、資材運搬用のトンネルを掘るところから工事が始められた。

ところがこれが、始まってみたら大変な難工事。トンネルを通すためには地下水を多くふくむ「破砕帯」と呼ばれる難所を突破しなければならない。たちはだかる難関を前に、男たちは悪戦苦闘し、ある者は命まで落とす…

…という内容の、まぁ要するに「プロジェクトX」的なお話。

昭和の男たちの命を懸けた戦いの物語を、冷房の効いた部屋でクッションを背もたれにしながら呑気にDVDで鑑賞していると、それだけでもう隔世の感があるなぁ。僕は、同じくトンネル工事に命を懸けた男たちを描いた高倉健主演映画『海峡』を思い出しながら本作を鑑賞したのだった。

いい話だったけど…まぁ、三船演じる技師の娘さんが白血病になって、トンネル開通のまさにその日に亡くなるという筋書きは、いささか「やりすぎ」の感が否めなかった…(;^_^A

 

黒部の太陽 [通常版] [DVD]

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・『郷愁』

昭和期の高知県の田舎町を舞台に、主人公の少年の青春を描く。

…といっても、青春映画にありがちな異性との甘酸っぱい思い出(←ケッ!)といった、キラキラした青春描写は本作には一切ない。1953年の高知県における、貧困家庭のーしかも家庭崩壊したー鬱屈とした日常を、ただひたすらに描いている。

本作の青春映画としての娯楽性は、低いかもしれない。だが、考えてもみてほしい。たいていの人にとって、青春というのは、こんなもんではなかったか。ドラマやアニメで描かれるような、あのキラキラした青春など、多くの人にとっては無縁ではなかったか。

そんなわけで、本作は実にリアルな青春映画である。おそらくは、中島丈博監督の実体験をもとにしているのではないか。

 

郷愁 [DVD]

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・『悪名』

「カツシン」こと我らが勝新太郎が主演をつとめる人気シリーズ第1弾。

カツシン演じる着流しヤクザが全国を放浪しつつ、世にはびこる悪党どもを成敗するという任侠映画だ。

任侠映画というとどうしても東映のものばかり連想してしまうが、大映だって決して負けてはいなかったのである。

本作においてヒロインをつとめるのが、中村玉緒。実を言うと、カツシンと玉緒、本作が公開されたまさにその年(1961年)に婚約している。

 

悪名 [DVD]

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・『神様のくれた赤ん坊』

桃井かおりと渡瀬恒彦演じる若いカップルのもとに、ある日ナゾの女樹木希林が男児を連れて現れ、男児をカップルに押し付ける。このナゾの女によれば、男児の母親が彼を置いてどこかへと蒸発し、置き手紙に渡瀬演じる男をはじめとする5人の男たちの名前が父親候補として記されてあったのだという。

困惑したカップルは、やむを得ず男児を連れて実の父親を捜しに、西日本へと旅に出たのだった…

 …というお話で、このテの映画にありがちな感傷的な雰囲気はほとんどなく、全体的にテンポよくコミカルに描かれているのがなんとも印象的。僕の好みにも合致しているので、僕は鑑賞しながら終始ゴキゲンだったのでした♪

 

あの頃映画 「神様のくれた赤ん坊」 [DVD]

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