Furusawa Keisuke's blog

政治から映画、アニメ、将棋まで幅広く語ります。

"WE WILL STOP!!!!"では何故いけないか

今ではもう辞めてしまったのだが、僕は以前、塾の講師の仕事をしていた。

おもに中学生を相手に、英語を教えていたのだ。

 

中学生に英語を教えるにあたって“山場”となるのが、疑問文の作り方(isとdoesの使い分け)、現在完了(の結果・完了用法)、などなど。そして、これは意外に思われるかもしれないが、自動詞と他動詞の違いについても注意深く教えた。

 

自動詞と他動詞―はい皆さん、覚えていますか?

他動詞というのは、目的語(日本語でいうと「~を」がつく言葉)を伴う動詞。自動詞は、それを伴わない動詞だ。

自動詞と他動詞とで、形が微妙に違う、ということもある。

たとえば、lie(横たわる)とlay(横たえる)。あるいは、rise(上がる)とraise(上げる)。

同じ形で自動詞としても他動詞としても用いられる、という動詞もある。stopがそれだ。そしてそれが、思わぬ誤解をも引き起こす。

 

去年の夏、安保法制の制定をめぐって、国会周辺で反対派がデモを繰り返すなど、ずいぶんと揉めた。

その際、反対派のある学生団体が、おそらくは「安保法制を絶対に止めるぞ!」という意気込みを込めたのだろう、twitterアカウントに"WE WILL STOP!!!!"とツイートして、ネット上でかなり話題になった。

この一文は、どこがおかしいか。

stopは、自動詞としても他動詞としても使える。目的語がない場合、stopはしたがって自動詞とみなされる。すると上の一文は「私たちは(立ち)止まる!」という意味に取られてしまうのだ。

これでは、文章として意味をなさない。

ここは、stopが他動詞であることを示すために、文末に目的語itを挿入して"WE WILL STOP IT!!!!"とすべきだったろう(※)

 

※あるいはもうひとつ手がある。willのあとにnotをいれて、"WE WILL NOT STOP!!!!"とするのである。こうすると「私たちは(立ち)止まらない!」の意となり、これはこれで意味の通る一文になる。

 

まぁ、本当は英語が「国際語」と称して幅を利かせている現状は、文化帝国主義的で好ましくないと思うのだが、それでもやはり英語を勉強しておいて損はないだろう。

…少なくとも、将来なにか政治に関係することをやりたい、でもネットでたたかれるのはイヤだ、というのであれば。