Furusawa Keisuke's blog

政治から映画、アニメ、将棋まで幅広く語ります。

平安時代はごく最近?

僕が最近楽しみにしているテレビ番組といえば、バラエティーでは『ブラタモリ』、ドラマでは『真田丸』、そしてアニメでは『3月のライオン』…

…偶然にも、すべてNHKで放送されている番組だ。僕のなかで、NHKは3冠を達成したのである(あっ、もちろん受信料はちゃんと払ってますよ~♪)

 

さて、その『ブラタモリ』。先日(10月15日)の放送では、「富士の樹海」がテーマだった。

富士の樹海は、平安時代前期・貞観(じょうがん)年間に起こった富士山の大規模な噴火(貞観大噴火)によって誕生した地形だ。溶岩が流れて固まり、その上に森林が形成されて、今日見るような樹海が誕生したのである。

その貞観大噴火について、タモさんがした「平安時代はごく最近」というコメントが、視聴者に軽い衝撃を与えたようだった(番組内でもネタにされていた)

だが、地質学の観点からすれば、タモさんの感覚のほうこそ普通なのだ。

地質学の世界では、1000年前など「ごく最近」のことなのである。

 

地質学というのはまことに恐ろしい学問で、1000年前はおろか、1万年前、10万年前ですらも、平然と「最近」と言ってのけてしまう。

地質学の隣接分野である惑星科学にしてもそうで、「○○星の衛星××における△△という地形が形成されたのは、約1億年前と比較的最近のことであり~」などと当たり前のように説明されるので絶句してしまう。

あの~、1億年前っていったら、恐竜が闊歩していた時代なんですけどっ!

…まぁ、地球には46億年の歴史があるわけだし。地球の歴史を1年になぞらえれば、恐竜の時代はクリスマスに相当し、我々人類が生まれたのは実に大晦日である。大晦日からみればクリスマスは最近、というわけだ。

 

学問の世界ではこのように、同じ言葉であっても日常会話で用いられるときとは指す範囲がまるで異なる、という事例がたくさんある。

たとえば「低温」と聞くと、我々一般人はだいたい0度くらいを想像する。

だが金属を研究する物理学者たちは数百℃の温度でも平気で「低温」というし、反対に絶対零度(約-273℃)付近の物質の性質について研究している物理学者たちは、だいたい-250℃くらいからを「低温」と呼んでいるようだ。

…我々一般人の常識では理解できない世界である。

 

距離にしたってそう。

最近、太陽から約4光年離れた先にあるプロキシマ・ケンタウリという星に、惑星が存在しているのが発見された。

4光年というのは、宇宙最速を誇る光ですらも移動に4年かかる距離という意味で、かりにそこにある星に向けて探査機を飛ばすとなると、最先端の技術をもってしても数十~数百年はかかることだろう。

要するにと~んでもなく遠い距離なのだが、それでも宇宙物理学の観点からすれば、4光年なんて目と鼻の先の距離なのだ。

宇宙の誕生と進化について研究している学者ならば、数億光年という途方もない距離ですら平然と「比較的近く」と言ってのけることだろう。もはや宇宙ヤバイの世界である。

 

…学問は、我々一般人の常識を超える。