Furusawa Keisuke's blog

政治から映画、アニメ、将棋まで幅広く語ります。

最近見た映画の感想(第115回)

今回は往年の名画4本+最近のアニメ映画1本をご紹介します。

 

・『宇宙戦争

タイトルだけ見ると、若い人だとどうしてもトム・クルーズ主演の2005年版のほうを思い浮かべてしまうかもしれない。が、今回ご紹介するのは1953年版。原作はともにH・G・ウェルズの『宇宙戦争』("The War of the Worlds")だ。

平和な地球に、ある日恐ろしい火星人のUFOが攻めてきた! 地球人も懸命に反撃するも、火星人の高度な科学力をまえに、まったくなすすべがない!

最先端の特撮技術で描かれた、火星人のUFOから放たれる殺人光線! 観客はみな手に汗握り、思わず息をのむ!

…という光景が見られたんでしょうね、公開当時(1953年)は。正直、CG全盛の21世紀の今になって見てみると、火星人の襲撃シーンは「牧歌的」ですらあるし、UFOなどはカワイイとすら思えるほど(;^ω^)

いやぁ、映画って、進歩したんですねェ。

余談ながら。映画『インデペンデンス・デイ』は本作を下敷きにしているのが明白である。

 

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・『グラン・プリ

F1という世界最高峰の舞台で、日々戦い続ける男たちを描いた作品。

我々日本人の観客にとってはうれしいことに、日本車チームのオーナー役で、かの三船敏郎(!)が出演、得意の英語を披露してくれている。

序盤のモナコモンテカルロにおけるレースシーンはとにかく疾走感が半端なく、見ていてただただ「すごい!すごい!」(←小学生なみの語彙力)と連発するよりほかなかった(;^_^A

それにしても、F1の走行シーンの疾走感、爽快感は、いったいどこから来るのだろう。

かつて、アイルトン・セナは「時速300㎞の世界で神の存在を見た」と語ったのだそうだ。たしかにこれだけ疾走しつづければ、神々の世界が一瞬垣間見えそうな気がしてくるから、不思議なものだ。(なお、その「時速300㎞の世界」が将棋にもあるとしたのが、羽生善治三冠である)

 

 

・『疑惑の影』

サスペンスの神様ヒッチコック監督の、一見やや地味な印象もある秀作。

平凡な家族のもとに、ある日叔父(母親の弟)にあたる男があらわれ、しばらく滞在することとなる。たいへん温厚で紳士的な叔父は、周囲のだれからもーとりわけ一家の長女からー愛され、慕われる。

ところがその叔父が、実は連続殺人事件の犯人なのではないかという疑惑が浮上する。信じたくない一心の長女だったが、ひとたび疑惑を抱くと、温厚なはずの叔父が冷酷な男に見えてくる…

ヒッチコック監督は、なんでもないものを恐ろしく見せる天才だった。

たとえば僕がヒッチコック作品で最も好きな『鳥』は、ただただ鳥が現れるだけの映画だが、観客に大変な恐怖を抱かせる。

本作でもそうだ。車のガレージの扉が急に閉じる。長女が慌てて外に出ると、叔父がひとりだけぽつんと突っ立っている。それが長女(=観客)に恐怖を与える。ジャパニーズ・ホラーにも通じる演出だ。

人を怖がらせるために、なにもチェーンソーを持った覆面の男を登場させる必要など、なかったのだ。

 

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・『黄金の腕』

なんでも、昔のアメリカ映画界では薬物中毒の人間を主人公にするのはタブーだったのだそうな。

そのタブーを打ち破ったのが本作。フランク・シナトラが薬物中毒に苦しむ主人公の役を好演している。

主人公を取り巻く周囲の世界には、つねに裏社会特有のきな臭い匂いが漂う。以前取り上げた『ハスラー』とも通じる世界観だ。

やはり、裏社会を描くには、モノクロフィルムに限る。

 

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・『傷物語Ⅰ鉄血篇』

いまや『魔法少女まどか☆マギカ』とならび、新房昭之×シャフトの代表作となった感のある『<物語>シリーズ』。

今回、満を持して映画化されたのが、『傷物語』だ。時系列を遡って、主人公・阿良々木くんと女吸血鬼キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード(←長っ!)の出会いを描く。

新房×シャフト作品では、テレビ版でも回想シーンなどでシネマスコープアスペクト比が採用されることが多いのだが、今回は劇場版なだけあって、全編がシネマスコープ

画面空間の広さがいかんなく発揮されていて、「あぁ、新房さん、こういうだだっ広い空間でキャラクターを動かしたかったのね」と納得。(^▽^;)

新房×シャフト特有のあの前衛的すぎる演出も相変わらずだけど(w)、ひとつ気になったのが、本作においてフランス語の字幕が多用されること(とりわけ、フランス語で「黒」を意味する"Noir")

僕は前々から、『<物語>シリーズ』特有のあのまどろっこし~い会話がフランス映画のそれと似ているなぁ、とつねづね思っていた。もしかしたら、新房さんも同じことを意識していたのかもしれない。

終盤ではひさかたぶりに、怪異の専門家・忍野メメ登場! いやぁ~、懐かしかったw 櫻井孝宏さん好演。

櫻井さんは、このテの胡散臭いイケメンの役をやらせると、本当に上手いね。

続章『傷物語Ⅱ熱血篇』に期待!