読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

Furusawa Keisuke's blog

政治から映画、アニメ、将棋まで幅広く語ります。

女装とハロウィン

今世紀に入ってすっかり日本社会に定着した(というか、してしまった)風習のひとつに、ハロウィンが挙げられる。

このハロウィン、そもそもは古代ケルトのお祭りに由来するのだそうだが、日本に入るやいなやそんな来歴はすっ~かり忘れ去られ(w)、なにやらわけのわからないコスプレ仮装パーティーと化してしまった。

僕はといえば、このテのドンチャン騒ぎが大嫌いな人間であるからして、「あ~、ハロウィン、ホントくだらね~なぁ。90年代はまだこんなに騒いでなかったのになぁ…」と、コスプレイヤーたちでごった返す渋谷のスクランブル交差点を横目で見ながらブツブツ文句を言うのが常であった。

ところがどっこい、この日本版ハロウィンの普及にともない、思わぬかたちで恩恵をこうむった業界があるのを見つけたのだ。

 

女装業界である。

僕は先日、新宿にある女装者の集まるバーに行ってきた。

この日ー日曜日であったーはお客さんが10~15人ほどいたが(意外にも欧米人が多かった)、店員さんによると、その前日の土曜日のほうがより盛り上がっていたという。

「明日仕事!」という人の多い日曜日より、土曜日のほうがお客さんの入りが多いというのは、ごく常識的なことに思えるが、このときはやや特殊な事情が絡んでいた。ハロウィンである。

本来、ハロウィンは10月31日であるが、今年(2016年)のハロウィンは月曜日であり、したがってハロウィン当日よりもむしろ、それを目前に控えた10月29日土曜日のほうが、ハロウィンだからというので来店したお客さんが最も多かった、というわけなのだ。

 

「…へ? 『ハロウィンだから』女装バーに行くって、どういうこと??」と不思議に思われる人も多いかもしれない。

日本においては、コスプレパーティーとしての日本版ハロウィンと女装文化との間に、つながりが見られるのだ。

ハロウィンにコスプレを楽しむ人たちのなかには、女装もコスプレの一種ととらえ、普段は決してすることのない女装をこの日だけ楽しむ、という一般男性たちがいる。

女装者のなかでも、普段はなかなか外出する勇気が持てないが、外をコスプレイヤーたちが堂々練り歩くハロウィンの夜ならなんとか勇気を出して外出できそう、というややシャイな女装者もいるようである。

こういった人々が、ハロウィン前後に女装バーを訪れるようなのだ。

 

最近では、そういった客層を意識してか、ハロウィン前後に女装イベントが企画、開催されることも多くなった。ハロウィンは、女装業界にとって祝祭の日となったのだ。

あるいは、こんなケースもあるという。以前は一般男性としてごく普通に過ごしていたにもかかわらず、ハロウィンに女装した(あるいは、させられた)ことで「目覚めて」しまい、以降すっかり女装者になってしまった、というパターンだ。

こういうケースは意外と多いらしく、女装業界にとってハロウィンは祝祭であるだけでなく、「リクルーティング」の一大機会ともなっているのだ。

 

前述のとおり、僕はこれまで日本版ハロウィンには概して批判的であった。が、この奇妙な祭典も、女装者たちにとってはなんともありがたいお祭りであったのだ。

…よしわかった、これからはもうちょっと、日本版ハロウィンに寛容になるとしよう。

広告を非表示にする