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Furusawa Keisuke's blog

政治から映画、アニメ、将棋まで幅広く語ります。

最近見た映画の感想(第120回)

・『罠』

僕自身、30を過ぎたからよく分かるが、人間、30歳を超えるとどうにもやる気がうせてしまって、良くない。もう、なにをしても若いもんにはかなわない、と諦めてしまう。

それでも30前半なら、まだ見た目も20代のころと比べてさほど変わらないからいいのだが(ただし個人差はあります)、30後半ともなると、もう男なら一気にオヤジ化、女ならババア一直線である。

…おっとスイマセン、僕としたことがつい「ババア」などとpolitically incorrectなことを言ってしまいました(;^ω^) 

さて、今回最初にご紹介する『罠』は、そんな30半ばのボクサーが主人公。

(ボクサーとしては)もう歳なので、勝てない、勝てない。あんまり勝てないものだから、ついにはマネージャーが主人公の知らないうちに、彼が負けるという前提で勝手に八百長の契約を結んでしまった。

ところがどっこい、なんにも知らない主人公は「ここぞ!」とばかりに一念発起、若手相手にまさかの勝利をおさめてしまう! 「なんだ、話が違うじゃないか!」というので八百長関係者らは怒り心頭。

かくして、勝利をおさめたはずの主人公の前に、八百長関係者たちの毒牙が襲い掛かる…!

降りかかる理不尽にも懸命に耐える主人公。これぞ中年の美学である。

本作は僕ら30代の応援歌だ!

 

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・『東への道

「近代映画の父」と称される、D.W.グリフィス監督。以前紹介した『散り行く花』は悲劇だったが、今回は比較的コミカルな作品だ。

リリアン・ギッシュ演じるヒロインが、未婚の母だというので世間から迫害を受け、あやうく真冬の河で死にそうになるも、最後は心優しきイケメンに救出され、彼と結婚してめでたしめでたし、というお話である。

この当時(本作公開は1920年、「未婚の母」というのはそれほどまでにスキャンダラスな存在だったのだ。…今の欧米じゃ、べつに珍しくもなんともないのだけれど。

主演リリアン・ギッシュは、当時すでに27歳のはずなんだけど相変わらずのロリ顔で、僕のなかで「グリフィス監督ロリコン説」はさらに補強されたのであった…

 

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・『火の接吻』

20世紀のヴェネチアヴェローナを舞台に、貧しいガラス工芸職人の青年と、没落貴族の娘の悲恋を描く。

映画好きの青年がエキストラとしてもぐり込んだのは、映画『ロミオとジュリエット』の撮影舞台だった。そこで貴族の娘と知り合ったことで、まさしく彼ら自身の運命が『ロミオとジュリエット』のストーリーと交錯しはじめる。

ロミオに相当する主人公の青年役に、あえてイケメンを配役しなかった(失敬!)ところが、監督のこだわりなのだろう。…もっとも、個人的にはもっとイケメンをキャスティングしたほうが絵になったと思うのだが(;^_^A

主人公ふたりの思春期特有の熱情が印象的だった本作。しいて不満な点を挙げるとするなら…舞台イタリアなのに登場人物のセリフが(フランス映画なので)全編フランス語になっていること、くらいのものだろうかw

 

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・『ラジオ・デイズ

まさかのトランプ大統領爆誕で、おそらく今頃はカナダへの「亡命」を考えている最中であろう(←?)、リベラル派のウディ・アレン監督によるコメディ映画。

1940年代のNYを舞台に、アレン監督の分身と思しきユダヤ系の少年の目を通じて、まだラジオが元気だった「あのころ」を描く。

アレン監督は、女性の内面を描いたシリアスな作品も発表しているが、やっぱり本作のようなコミカルな作品が一番良い。見ているだけで、もうニコニコ。このまま映画が終わらないでくれればいいのに、とすら思えてくる。

20世紀の中頃にはすでに斜陽産業となってしまった、ラジオ。21世紀に生きる僕の目には、どうしても現代のテレビと被って見えてしまう。

主人公の少年の生きた1940年代、人々はほとんどラジオをつけっぱなしにして暮らしていた。ラジオのない生活など考えられなかった。

翻って、僕自身が少年時代を過ごした1990年代、人々はほとんどテレビをつけっぱなしにして暮らしていた。僕のいとこなどは、部屋の灯りよりも先にテレビの電源をつけるというありさまだった。

テレビのない生活など、考えるだけで恐ろしかった。

それなのに、2010年代の今日、僕はテレビなどつけなくても、全然困らない。ネットがあるからだ。逆にネットがなくなったらと思うと…

まだラジオが、テレビが、元気だった「あのころ」…