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Furusawa Keisuke's blog

政治から映画、アニメ、将棋まで幅広く語ります。

これでいいの?―トランプ報道の”迷”訳

誰もがあっと驚いた、トランプ大統領爆誕から早1週間。

わが国のマスコミも、この型破りな新大統領について連日報道しているが、そのなかにはちょっと首をかしげたくなるような“迷”訳も少なくない。

 

①安倍首相は殺人者?

トランプ氏がかつて、わが国の安倍首相のことを"killer"と呼んだことがあるという。

これを、日本のマスコミは「(米経済の)殺人者」と訳して報道してしまった。

だが、これは誤訳である。

英語の話し言葉において、killerという単語には、「驚異的なもの、すごいもの、すばらしいもの」(『新英和中辞典』研究社)という意味があるのだ。

サッカーの世界で、得点に直結するような鋭いパスのことを「キラーパス」という。その「キラー」と同じ用法だと考えるとわかりやすい。

つまり、トランプ氏はむしろ安倍首相を褒めていたのである。

※やや話はそれてしまうが、これまでの報道を見る限り、トランプ氏はどうやら安倍首相の政治家としての手腕を高く評価しているようで、11月10日に行われた電話会談の際にも安倍首相に「あなたの業績はすばらしい」と賛辞を贈ったという。

 

②トランプは嫌い?

トランプ氏が所有するNYの超高層ビル「トランプタワー」の前で、目立ちたがり屋の奇抜な言動で知られる歌手のレディ・ガガが、“love trumps hate”と書かれたプラカードを掲げて話題となった。

これを日本のマスコミは、何をどう間違えたのか、「トランプは嫌い」などとものすごい訳をつけて報道してしまったが、もちろんこれも間違いである。

正しい訳は、「愛は憎しみに打ち勝つ」

この場合のtrump(s)は動詞(の3人称単数現在形)で、「打ち勝つ」という意味である。いうまでもなく、トランプ氏の名前とかけているのだが、あくまで動詞なので、頭文字のtも小文字で表記されている。

そもそも日本人が「トランプ」と呼んでいる遊戯は、英語ではplaying cardsという。「トランプ」(trump)というのは本来、「切り札」という意味である。

これは僕の憶測にすぎないが、「打ち勝つ」ために用いられるのが「切り札」だから、動詞trumpが転じて「切り札」の意味で用いられるようになったのかもしれない。

 

…ってちょっと、日本のマスコミさん、もう少し英語を勉強しないと、トランプ次期大統領の失言のこと、嗤う資格なくなっちゃいますよ~!