Furusawa Keisuke's blog

政治から映画、アニメ、将棋まで幅広く語ります。

おすすめ韓国映画5選(その2)

良くも悪くも話題に事欠かないお隣の国、韓国。その一方、00年代以降にかの国で制作された映画のなかには、見る価値のある作品も多い。

昨日、「おすすめ韓国映画5選」と題して韓国映画をいくつかご紹介したばかりだが、今日も引き続き、お気に入りの韓国映画を5本取り上げることにする。

 

・『大統領の理髪師』

朴槿恵大統領のスキャンダルをめぐって韓国中が揉めに揉めている最中だが、彼女のお父さん・朴正煕もまた韓国大統領であった。彼の時代に、韓国は「漢江の奇跡」と呼ばれる経済発展を遂げたのだった。

本作のタイトルにある「大統領」とは、この朴正煕のこと。主人公は青瓦台(韓国大統領府)の付近に住む、ある理髪師の一家。ある日、ひょんなことから、彼らの店に本物の朴大統領が客としてやってきた。その後も一家と朴大統領との交流は続き、彼らの店は大統領御用達の理髪店となった。

朴正煕以外にも大統領は登場するが、前任者の李承晩は単に名前が語られるだけ。後任者の全斗煥に至っては、もはやギャグキャラ同然の扱いだ。ただひとり、朴正煕のみが、真にリスペクトされるべき指導者として描かれる。

さて、この映画を見て、娘・朴槿恵はどう思うかね。

 

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・『オアシス』

「オススメの純愛映画は?」と訊かれたら、僕は迷わず本作を挙げることにしている。ハァ?セカチュー?バカじゃねーの

本作はなんと、知能障害と思しき男と脳性麻痺の女というものすごい取り合わせの映画である。

ヒロイン役の女優ムン・ソリは、脳性麻痺の患者を演じるにあたって身体の関節を不自然な形に曲げる必要があり、そのため長時間続けての演技は不可能であったという。さらに撮影終了後は、骨格の歪みを治すため特殊なマッサージを受ける必要すらあったというから、まさに熱演の一言に尽きる。日本の女優は、果たしてここまでできるかな。

作中、主人公の男の幻覚(?)のなかで、ヒロインが健常者の女性としてふるまうというシークエンスがある。そこで初めて、「あぁ、ヒロインってこんなに美人だったのか」と驚かされる。

世に「純愛映画」と名乗る映画は数多くあれど、本作こそ純愛100%の映画だ。

 

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・『母なる証明

ある意味で、こちらも「純愛」の映画、と言えるのかもしれない。ただしこちらは母親から息子への、なかば病的なまでの親子愛の映画だ。

監督は、先日ご紹介した『グエムルー漢江の怪物』『殺人の追憶』のポン・ジュノ。実に器用な監督さんだ。

知能障害の息子を溺愛する母親。ある日、息子は少女を殺害した容疑で逮捕されてしまう。息子を救うべく母親の取った選択とは…

印象に残るのがラスト。長距離バスに乗った母親の姿を、カメラはバスの窓越しにずっと撮影し続ける。なんともロードムービー的な終幕だ。

 

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・『息もできない』

社会にうまくなじめない、粗野な主人公の男。そんな彼が、ある日、似たような境遇の女子高生と出会ったことで、不思議な絆を育んでいくというお話。

本作で主人公を演じているヤン・イクチュンこそ、何を隠そうこの映画の監督さんに他ならない。彼は本作において、なんと監督・脚本・制作・主演すべてを担当しているというから驚きである。

…いやぁ、ひさびさに骨のある、いい映画を見たなァ、と感じた。

 

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・『嘆きのピエタ

先日の記事でゴリ押しした(w)韓国映画界の鬼才キム・ギドク監督の作品。

キム・ギドク監督は、デビュー最初は荒々しい作風で知られていたが、『春夏秋冬そして春』からはしっとりとした文芸路線へと転じた。しかし、日本からオダギリジョーを主演に迎えて話題となった『悲夢』以降はスランプに陥り、数年ほどの間、山奥で隠遁生活を送っていた。

そんな彼が、長編映画としてひさしぶりに発表して「キム・ギドク復活」を内外に強く印象づけたのが、この『嘆きのピエタ』だ。初期のような荒々しい作風が戻ってきた。

借金取り立て屋の男と、その母親と称する謎の年配女性の物語である。タイトルにある「ピエタ」とは、聖母マリアがイエスの亡骸を抱く様子を描いた作品群を指す。

かなりエグい場面が多いので、暴力シーンがニガテな人はご用心。

 

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