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Furusawa Keisuke's blog

政治から映画、アニメ、将棋まで幅広く語ります。

最近見た映画の感想(第123回)

・『ドキュメント 風と拳銃~野村秋介の荒野~』

本作はドキュメンタリーであるが、劇場公開されたわけではないので、厳密には「映画」ではないのかもしれない。だが下に挙げる4作品と一緒に見て、感銘を受けたので、こちらに感想を記しておくことにする。

本作は、戦後の民族派の大物として知られた、野村秋介(1935‐1993)の半生を描いたドキュメンタリー。

野村氏の足跡を振り返って、最も驚くのは、その一貫した反体制・弱者擁護の姿勢だ。

野村氏は幼少のころから貧困家庭や在日朝鮮人の家庭の子供たちと遊んでおり、それが後の野村氏の人格形成に大きな影響を与えたという。

長じて野村氏は河野一郎邸焼き討ち事件を起こし、逮捕されている。まさに「弱きを助け強きを挫く」を地で行った生涯だった。

本作では描かれないが、野村氏は1993年、朝日新聞東京本社にて壮絶な拳銃自殺を遂げた。享年58。

野村氏が、今日のヘイトデモを見たら、どう思うだろうか。

 

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・『神様の愛い奴』

日本のドキュメンタリー史にさんさんと輝く金字塔、『ゆきゆきて、神軍』。

かつて帝国軍人として南方で戦った奥崎謙三(1920‐2005)が、上官命令で処刑されたという同僚たちの無念を晴らすべく、当時の上官たちのもとを訪ね、その責任を追及していく、という内容だ。

奥崎氏の鬼気迫る追及の姿勢が観客の心に強い印象を残し、『ゆきゆきて~』は大ヒットを記録、映画賞も多数受賞したのだった。

 

…で、本作『神様の愛(う)い奴』は、その続編…と言っていいのだろうか?(w

『ゆきゆきて~』公開を前に殺人未遂罪で逮捕された奥崎氏が、刑務所を出所したところから本作は始まる。

その奥崎氏が服役中に考案したという健康法が、「血栓溶解法」。これは、両手で輪をつくるかたちにして、それを上下にシコシコと動かすというものなのだが、これが誰の目にもオ○ニーにしか見えないという、まことに困った健康法なのであるw

しかも奥崎氏、コレをベッドで寝そべりながらやるものだから、どこからどう見てもオ○ニーです本当にありがとうございました状態になってしまっているのだ(;^ω^)

そんなわけで、オ○ニー、じゃなかった血栓溶解法に励む奥崎氏、ひょんなことからなんとAV(!)に出演することになり…

…と、ここから先はもはや書くことすら憚られるような内容のプレイばかり。

うーん、これは…。『ゆきゆきて、神軍』を見て感激したという人は、絶対に見てはいけない映画ですねw

かといってB級映画的な魅力があるのかというと…もはやB級どころかC級とすら言ってもいい内容なので、よっぽどのクソ映画愛好家でなければ本作を楽しむのは難しいかもしれない。

…もっとも、南方の激戦地を潜り抜けたかつての帝国軍人が、SM女王様にあんなことやこんなことをやらされる場面には、一種の「もののあはれ」がある(と思う)

 

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・『別れのこだま』

湖畔の別荘に暮らす、小説家とその娘。年齢よりだいぶ大人びた性格の娘だが、実は病魔に侵されており、余命いくばくもない状態である。

家族と最後の思い出を残すべく、この湖畔の別荘に滞在しているのだ。

そんな娘の前に、近所に暮らす少年が現れる。少女と違って、こちらは年相応のコドモコドモした子供である。しかしそんな彼も、少女との交流を通じて、少しずつ成長しはじめる。

病に侵された娘の役を、ジョディ・フォスターが好演。

ネタバレになってしまってはなはだ恐縮だが、本作の良いところは、娘が死ぬ場面を描かないことである。

当然だ。

本作のテーマは、死ぬことではなく生きることに他ならないのだから。

 

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・『夜霧のマンハッタン』

絵画窃盗の罪で告訴された、金持ちの娘。

彼女を救うべく、女性弁護士と検事補が共闘、事件の真相解明に乗り出す、という内容のサスペンス映画。

まぁサスペンスとは言っても、全体的にテンポがよく、軽快なタッチで描かれているので、気楽に見ることができる。

アクションの見せ場もあり、ダイナマイトが仕掛けられた倉庫から主人公たちが間一髪脱出するシーンは秀逸!

金持ちの娘が典型的なメンヘラキャラでウザい点を除けば、とても楽しい映画だった♪

 

 

・『マンハッタン・ラプソディ』

理系の男と恋愛は、「混ぜるな危険」の関係にある。

こんな話を聞いた。理系の博士課程の大学院生が、交際女性にプロポーズするにあたって、あろうことか「あなたが僕と結婚するべき12の合理的理由」なるタイトルのプレゼン資料をパワーポイントで作成。案の定、彼女からはドン引きされ、結婚の話はご破談となってしまったのだという。

本作を見ていて、ついそんな話を思い出してしまった。

本作の主人公は、NYの名門大学・コロンビア大で教鞭をとる、数学の男性教員と文学の女性教員。ふたりは同じ大学につとめる教員なのだが、それぞれ理系と文系であったため、これまで縁がなかったのだ。

そんなある日、男のほうが結婚相手募集の告知を出し、それに女の妹が姉に無断で勝手に応募してしまったことから、ふたりは出会い、やがて結婚する。

それまで授業がクソつまらなかった理系の男が、文系の女の影響を受けてユーモアに目覚め、やがて学生から慕われていく過程には、思わずニンマリさせられる。

欲を言えば、文系の女のほうも理系の男の影響を受けて、もっと日頃の考え方が論理的になる…などの描写も入れてほしかった。