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Furusawa Keisuke's blog

政治から映画、アニメ、将棋まで幅広く語ります。

『真田丸』を振り返る

先日、最終回を迎えたNHK大河ドラマ真田丸』。30日に総集編が放送される予定です。

本ブログでも、『真田丸』を振り返ってみることにしましょう。

 

信繁青春編

とにかく昌幸パパンが目立ちまくっていた、というか実質主人公だった、『真田丸』序盤戦。

天正壬午の乱を描いているため、プロットは意外と複雑。「ストーリーが難しい」と評判が悪かった『平清盛』よりも、もっと複雑だったと思う。それでも視聴者が離れなかったのはどうしてかというと、コミカル路線を取っていたから。後述する浅間山の噴火のくだりなんて最高でしたね!

でもあんまりコミカルにし過ぎると、今度は「遊び過ぎだ!」と歴史ファンからそっぽを向かれてしまう恐れがある。

そこで『真田丸』はどうしたかというと、「登場人物を基本的に諱(本名)で呼ばない」というルールを設けたわけです。昌幸パパンのことは「真田安房守」と呼ぶ。このように基本コミカルながらも細部までこだわったことで、歴史ファンをも「う~む」とうならせる作品ができあがったのです。

 

大坂編

さて、毎回目まぐるしく局面が変わった信繁青春編とは打って変わって、この大坂編では物語の進行がかなりゆっくりになりました。どうしてかというと、信繁と豊臣家との“絆”を描くためですね。

…正直、見ていて結構退屈でしたよ。特に秀吉が死にそうになるあたり。秀吉さん、死にそうで、なかなか死なないんですよねw

でも、ここでゆっくりと時間をかけて“絆”を描いておかないと、クライマックス・大坂の陣のときに「どうして幸村は負けるとわかっていて、あえて大坂城へ行ったのか」が視聴者に理解不可能になってしまう。

地味だけど、この大坂編は『真田丸』というドラマにとって、とても重要な部分だったのです。

 

三成・九度山

天下分け目のあの関ヶ原を、なんとたったの40秒で終わらせてしまったというので、ネット民を唖然とさせた「超高速関ヶ原」。

でも考えてみれば、直江兼続にしろ伊達政宗にしろ、あの当時の人たちはみんな、天下分け目の戦いは当然何ヶ月もかかるものと信じて疑わなかったのです。それがたったの1日(実質半日)で終わってしまったというのは、にわかには信じがたいこと。

真田丸』は、我々現代人が見落としがちな「関ヶ原のあっけなさ」を視聴者に伝えたかったのかもしれません。

 

大坂の陣

というわけで信繁改め幸村が大坂の陣に臨む、『真田丸』クライマックス。

関ヶ原のせいで順調な人生から落ちこぼれてしまったドロップアウト組・牢人たちが、人生の一発逆転をかけて、エスタブリッシュメント組・徳川方と戦います。牢人たちのなんともアナーキーな雰囲気が、南北朝時代における南朝方を想起させ、南朝びいきの僕としては満足でした。

登場人物のなかではなんといっても、毛利勝永さんが良かったですね。普段は冷静で理知的なのに戦場に出ると「ヒャッハー!!」な性格になっちゃうところが素晴らしいな、と感心しましたw

最終回は賛否両論あったようですが、僕はあれで良かったと今でも思っています。

 

まとめ

さて、総括すると、真田丸』は絆の物語だったと思うんです。

絆って、何でしょう。

マイルドヤンキーの人たちが好んで使う言葉ですが(w)、僕が思うに、おそらく多くの人たちは、絆という言葉を、友情の同義語と勘違いしています。

でも、そうじゃない。絆というのは、友情ほどきれいなものじゃない。絆に一番近い言葉は何かというと、それは「腐れ縁」だと思います。うざったいんだけど、でも離れられない。それが、絆なのです。

信繁=幸村には、青年期に豊臣家と育んだ絆があったんですね。大坂の陣のとき、頭では徳川方絶対優勢とわかっているのに、それでも結局は豊臣方に行っちゃう。「どうして戦うのか」と毛利勝永に理由を聞かれて、幸村は「わからない」と答える。

命がけで戦うというのに、その理由が、わからない。不思議だけど、絆って、そういうものなんです。

幸村だけじゃなくて、直江兼続もそうですね。いつも景勝様のお人よしぶりに呆れてるけど、それでも最後には景勝様に従っちゃう。大谷吉継もそうですね。徳川優勢とわかっていたし、実際に徳川とも仲が良かったのに、それでも最後は親友・三成と運命を共にしてしまう。

どちらも、絆があったからです。

そういう絆をこそ、脚本家・三谷幸喜さんは描きたかったのだと思います。

 

 

オマケ

さて、ここからは、『真田丸』の中で僕が個人的に気に入っている場面を、いくつかご紹介するとしましょう。

 

・パッパ「富士や浅間の山が火でも噴かぬ限り、武田のお家は安泰にございます!」→ナレ「2月14日、48年ぶりに、浅間山が噴火した」

第1話のハイライトでしたね。『真田丸』というドラマは、このシーンで一気に視聴者の♡をわしづかみにしたような気がします。

 

・絶対に笑ってはいけない伊賀越え24時

家康が「わーっ!」と絶叫しながらひたすら山を駆け抜けるというギャグ回(←?)。内野聖陽さん演じる家康の「かわいさ」が全開していたシーンでした。

 

・瓜売り

朝鮮出兵の間に仮装大会をやることになったという回で、昌幸パッパが瓜売りに扮してみたら、なんと太閤秀吉と芸がかぶっていた。しかも困ったことにパッパのほうが完成度が高い! おい、武家に負けてんぞ元農民!

パッパの完璧なまでの瓜売りを見て、片桐殿が「…なんということだ」と真顔で困る場面には、本当に腹を抱えて笑いましたw

さて、仮装大会のほうは結局、言い出しっぺの秀吉が優勝してしまうという、なんとも接待ゴルフ的な結末。終了後の家康の「あ~あ、やってらんねーよ…」的な表情が印象的でした。

 

・伊達越前守政宗! 細川越中守忠興!

徳川派と石田派が対立し、一触即発の空気が漂う関ヶ原合戦前夜。「ご意見あれば名乗ってからにして頂きたい」というパッパの発言の後に、「わしは安房守で異存なし。伊達越前守政宗」と本当にいちいち名乗る伊達政宗。これに政宗の友人でもある細川忠興まで加わり、

「わしも加わりたい! 伊達越前守政宗」

「わしもじゃ。 細川越中守忠興!」

と本当にいちいち名乗り続ける。

…あぁ、このふたり、仲いいんだな、とw

あと、このすこし前にあった、細川忠興が三成からもらった干し柿を本人の目の前でブチュゥゥゥ!と握りつぶしちゃうところも笑えましたw