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Furusawa Keisuke's blog

政治から映画、アニメ、将棋まで幅広く語ります。

おすすめドイツ映画5選

・『ベルリン 天使の詩

名優ブルーノ・ガンツ演じる天使が、西ベルリン(当時)の街を見渡しながら、そこに生きる人間たちの哀しみに触れていく。

西ベルリンというのは、実に不思議な街だった。

事実上、西ドイツの飛び地だったものの、厳密には米英仏の占領地なので、国際法上の地位はあいまい。そのためどこか無国籍な印象を与える。本作からはドイツ語以外に、英語、フランス語、さらには日本語までもが聞こえてくる。

本作が制作されたのは、冷戦時代の末期。西側陣営の一角として経済成長を遂げた西ドイツ(+西ベルリン)だが、一皮むけば第二次大戦の爪痕が顔をのぞかせる。直接の戦闘シーンはひとつもなくても、観客は<戦争>を否応なく意識させられる。

ラスト、天使は天使としての身分を捨て、ひとりの人間となる。すると、それまでモノクロームだった画面が一転カラーとなる。

不老不死ではない人間だが、だからこそ世界の鮮やかさを感じられるのだ。

 

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・『グッバイ、レーニン!』

先ほどの『ベルリン 天使の詩』は冷戦末期だったが、こちらは冷戦終結&東西ドイツ統一後につくられた作品。

東ベルリンに暮らす主人公とその母。母は熱心な社会主義者だったが、息子が反体制デモに参加しているのを見て、ショックのあまり昏睡状態に陥ってしまう。

やがて彼女は目を覚ますが、その時にはすでにベルリンの壁は崩壊、社会主義は過去のものとなっていた。社会主義者である母をショック死させぬよう、主人公はあの手この手で「東ドイツ、健在なり」とアピールしようとする…。

東西ドイツ統一という歴史的事件は、当然ながら、ドイツに暮らす人々の人生を大きく変えることとなった。ドイツ人であれば誰しも、本作にちりばめられた個々のエピソードを見て「あるある!」と頷くに違いない。

我々日本人でも十分に楽しむことのできる作品だが、ドイツ人であればなお一層、感動することができるのだろう。

 

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・『善き人のためのソナタ

東西分断は、多くのドイツ人にとって悲劇であったに違いない。が、芸術の世界にとってはむしろ良いことだったのかもしれない。東西分断をテーマとする優れた映画が、多く世に出たからである。

上に挙げた『グッバイ、レーニン!』と同様、本作もまた東ドイツを舞台とする映画だ。

時は冷戦時代。超監視国家・東ドイツにおいて、主人公はシュタージ(秘密警察)の諜報員として働いている。

ある日彼は、反体制の疑いのある劇作家とその同棲相手の舞台女優を監視するよう命じられる。

さっそく盗聴を開始する主人公であったが、劇作家が弾いたピアノソナタを耳にしたとたん、彼の心は激しく揺さぶられる…。

冷徹な能吏であった主人公の心がどう変化していくか。終盤でどのように振る舞うか。ラスト、冷戦終結後に主人公はどのような職業についているか。

本作の見どころは多い。

 

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・『ヒトラー 最後の12日間』

まさにタイトルの通り、第二次大戦末期、かの独裁者アドルフ・ヒトラーにとっての最期の12日間を描く。

ヒトラーを演じるのは、上述の『ベルリン・天使の詩』で主人公の天使を演じた、ブルーノ・ガンツ

ドイツにおいてヒトラーを演じるのは総統相当勇気のいることだが、名優ガンツはかの独裁者を熱演している。彼の演技が一番の見ものだろう。

ニコ動でおなじみのあのシーンもちゃんとありますよw

 

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・『帰ってきたヒトラー

これまたヒトラーである。

先ほどの重々しい『~12日間』とは打って変わって、こちらはヒトラーが21世紀のドイツへとタイムスリップしてしまうというコメディ映画。

ヒトラーが物マネ芸人に間違えられて大人気になったり、インターネットにハマってしまったり、緑の党を応援する一方でネオナチ政党をボロクソに貶したり、と八面六臂の大活躍(←?)を見せる。

ドイツではナチスを賛美する言動は固く禁じられており、街頭でナチス党歌を歌っただけでも逮捕されるくらいなのに、いやはやドイツも変わりましたなぁ。

あ、先ほどの『~12日間』のパロディシーンまでありますよw

 

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まとめ

お隣のフランス映画と違って、ドイツ映画は見てのとおり、わりと政治的なテーマを扱った作品が多い。

フランス映画にありがちな、やたら衒学的なナレーションが少ないのも特徴だ。