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Furusawa Keisuke's blog

政治から映画、アニメ、将棋まで幅広く語ります。

最近見た映画の感想(第134回)

・『冒険者たち』

夢破れたふたりの男とひとりの女。ある日、アフリカはコンゴにお宝ありと聞きつけた彼らは、一攫千金を夢見てアフリカへと旅立つ。が、彼らを待ち受けていたのは悲惨な末路だった…。

終盤で銃撃戦が展開される小島は、大洋のなかにぽつりと浮かぶ要塞のような島で、わが国の軍艦島のような場所である。なんとも特徴的なところなので強く印象に残った。

男ふたりのうち、ひとりが死ぬというラスト、高倉健さん主演『昭和残侠伝』シリーズになんとなーく似てるな~、と思いながら本作を見ていた。

冒頭と中盤で流れるテーマ曲も良い。

 

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・『リーインカーネーション

奇妙な夢を見る主人公の男。ある日、その夢で見た光景がテレビに映し出されているのを見て、それが米東海岸に実在する風景であったことを知る。

夢の謎を解明すべく、その土地へと旅立った主人公。

やがて彼は、夢が自らの前世の記憶ではないかと考え始める。男は前世において妻だった女性と“再会”、交流をもつが…。

あからさまに恐怖をあおるシーンこそ無いものの、全体的にどこか不気味な雰囲気の漂う映画であった。

なお、タイトルのリーインカーネーション(reincarnation)とは「生まれ変わり」のこと。

 

 

・『モロッコ』

20世紀を代表する名女優のひとり、マレーネ・ディートリヒと、当時まだ若手だったゲイリー・クーパーが共演した作品。日本においてはじめて字幕付きで上映された映画でもある。

北アフリカのモロッコを舞台に、外人部隊の兵士の男と歌手の女の淡いロマンスを描く。

印象的なのはラスト。いったんは主人公の男を見送った女だったが、部隊に付き従って行く女たちを見て、結局は自らも男を追いかけに行く。一行に向って、容赦なく砂漠の強風が吹き付ける…。

作中において名言こそされないものの、この「部隊に付き従って行く女たち」は、慰安婦に他ならない。

現代日本をも悩ませている、「戦争と性」というテーマ。こうした観点からも、非常に興味深い作品だ。

 

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・『プリティ・ベビー』

先ほど慰安婦の話が出たが、こちらもある意味では性と密接に関連したお話。

1917年のニュー・オーリンズ。娼婦の母を持ち、娼館で暮らす主人公の少女はまだ12歳ながら、母親と同じ道を歩み始める。

が、禁酒法が今まさに成立しようとしていた、禁欲的なこの時代。世間からの風当たりも次第に厳しくなり、ついに娼館は閉鎖を余儀なくされる…

監督はルイ・マル以前このブログでもご紹介した地下鉄のザジ』も、このルイ・マル監督が撮っている。両作品に共通するのは、ややませた印象の女の子が主人公であること。ルイ・マル監督はませた女の子が好きだったのだろうか。

ラスト。ひょんなことから良家の子女となることができた主人公。当然お上品に着飾るが、娼婦時代と比べてかえって魅力が乏しくなったと感じるのは、僕だけだろうか。

 

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・『飢ゆるアメリカ』

第一次大戦に従軍、武勲をあげながらも負傷して帰国した主人公。戦後、洗濯会社に就職した彼は、結婚して子宝にも恵まれ、このまま幸せな人生を歩むかと思われた。

が、新技術の導入に伴う生産の合理化のため、多くの労働者が職を失う羽目になった。労働争議が勃発し、その混乱のなかで不幸にも妻を失ってしまった主人公。かくして幸せな人生は一転、主人公は過酷な資本主義社会のなかで生きていくことを余儀なくされる…

1933年に制作された本作。しかし「新技術に伴う合理化によって雇用が失われる」というテーマは、AI人工知能によって人間の雇用が奪われる可能性が叫ばれている21世紀の今日においても、全く色あせてなどいない。いやそれどころか、ますますアクチュアルになりつつあるとすら思える。

真に優れた作品には、賞味期限などというものはないのだ。

本作で最も印象的な登場人物が、左翼の男。さかんに資本家を批判するが、いざ自分が事業に成功して金持ちになるや、一転、労働運動に批判的になる。いるよね、こういうヤツ。

 

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