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Furusawa Keisuke's blog

政治から映画、アニメ、将棋まで幅広く語ります。

最近見た映画の感想(第136回)

・『愛人ジュリエット』

留置所にぶち込まれた、主人公の男。そこで彼は、不思議な夢を見る。

夢のなかで彼は、過去の記憶を喪失した人々によって構成される謎の世界「忘却の国」を彷徨っていた。彼はそこで、愛する女性ジュリエットの姿を認めるが、彼女は忘却の国の領主にさらわれてしまう。主人公は彼女を取り戻すべく、忘却の国の住民たちとともに領主の館へと向かう…。

本作の見どころはなんといっても、マルセル・カルネ監督の描く、摩訶不思議なる「忘却の国」。人間の見る夢を本当に映像化したような、感傷的かつ幻想的な描写が魅力だ。

ラスト。夢から覚めた主人公を待ち受けていたのは、過酷な現実。この落差がまた、本作の印象をより強めている。

 

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・『愛と追憶の日々

米南部に暮らす、母と娘の絆を描いた作品。

成人した娘は、母の反対を押し切って教師の男と結婚、3人の子供に恵まれるが、やがて病魔が彼女の身体をむしばんでいることが明らかになる。

一方、夫に先立たれた母は、元宇宙飛行士である近所の男ジャック・ニコルソン!)と親しくなり、やがて恋仲となる。

本作はアメリカ映画だが、むしろヨーロッパ映画に似た、ペーソスに満ちた作風が魅力的だ。演出も控えめで、BGMも少なく、淡々とした描写なのがなお良い。

元宇宙飛行士らしく、ジャック・ニコルソンの車がなんとも近未来的でCool!

 

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・『スタンピード』

英国から、さる高貴な未亡人とその娘が、一頭の牛を引き連れて米国へとやってきた。この牛を、競り落とした牧場へと安全に輸送すべく、主人公の男が護衛の役を任される。それから、牛の暴走(これをスタンピードという)など様々なアクシデントに見舞われたものの、なんとか牛とともに目的地の牧場へと到着した一行。

牧場主は、まるでクマのように大柄で毛むくじゃらの、元スコットランド軍人の男。なんとも粗野な牧場主であったが、凛とした未亡人にすっかりほれ込んでしまい、ウン十年かぶりに髭を剃って、スコットランド男子の正装たるキルト姿でバグパイプを吹きながら未亡人の前に現れ、求愛する。

…とまぁこんな具合に、スリルだけでなくユーモアにも満ちた西部劇映画だ。

英国生まれらしく(?)、牛が英国国歌を聞かされて育つところが、またなんともおかしい。

 

 

・『邪魔者は殺せ』

政府と独立派との間で紛争が続く北アイルランド

本作の主人公もまた、独立派の組織に所属する活動家である。そんな彼が、とある作戦中に重傷を負い、同志たちとはぐれてしまう。

深手を負ったまま、街のなかを彷徨う主人公。驚いた街の人々は彼を保護し、手当しようとするが、彼の正体が独立派の活動家だとバレるやいなや、彼を追放してしまう。

『邪魔者は殺せ』という物騒なタイトルは、そういう意味だ。

監督は、『第三の男』で有名なキャロル・リード

本作は、照明の使い方がうまい。たとえば、逃走する主人公のシルエットを、壁一面に大きく映し出す。そうやって主人公の孤独感、絶望感を表現していく。

主演のジェームズ・メイソンも、ひとり街を彷徨いながら次第に意識が薄れていく活動家の青年を好演している。

 

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・『デュエリストー決闘者ー』

21世紀の今となっては信じられない話だが、近代ーそれも20世紀の初頭までは、決闘が紛争解決の手段として公的に認められていた。

本作は、この決闘をテーマとした映画。監督は『ブレード・ランナー』でおなじみリドリー・スコットだ。

19世紀初頭のフランス。もはや「決闘狂い」といっていいくらい、決闘に明け暮れる軍人の男。そんな彼につきまとわれ、しょっちゅう彼と決闘する羽目になる、もうひとりの軍人の男(もっとも傍目には、まんざらでもないように見える)。かくしてふたりは、ナポレオン時代を通じて決闘に明け暮れることとなる。

本作は19世紀初頭のヨーロッパの文化・風俗を緻密に再現しており、その点でも興味深い。

狂ったように決闘を繰り返す、ふたりの男。さて、これを見た女性観客はどう思うことだろう。

「男って、ほんとバカ…」とあきれるだろうか。それとも、決闘を繰り返すふたりの姿に、ある種のBL的な関係性を見出して感動するだろうか(w

 

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