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Furusawa Keisuke's blog

政治から映画、アニメ、将棋まで幅広く語ります。

最近見た映画の感想(第143回)

・『ハード・ターゲット』

香港出身のジョン・ウー監督にとって、記念すべきハリウッドデビュー作となった映画。アクションが得意の彼らしく、全編にわたってアクションシーン盛りだくさんの作品となった。

米南部・ニューオーリンズ。ホームレス男性がナゾの殺し屋集団によって惨殺されるという事件が発生する。

そんな物騒な街へ、行方不明となった父を探すべく、ヒロインがやってくる。街中でチンピラに絡まれるも、ジャン=クロード・ヴァン・ダム演じる主人公によって助けられる。彼女はこの男をボディーガードとして雇うことに。しかしこれによって、ふたりはナゾの殺し屋集団の事件に巻き込まれることになる…。

本作の悪役である殺し屋集団は、なんと娯楽目的で人間を狩るという、なんとも猟奇的な集団であった。この集団との間で絶えず繰り広げられるアクションシーンが、本作の一番の見どころとなっている。

上映時間100分とやや短いながらも、アクションにつぐアクションの連続で、実に濃密な映画であった。

 

 

・『バーディ』

ベトナム戦争に従軍し、それぞれ顔と精神に深い傷を負った、ふたりの青年。

本作は、そんな彼らの現在のシーンと回想シーンとを並行して描いていく。

ふたりのうち、精神を病んだほうの青年には、もともと浮世離れしたところがあった。

まだ10代、最も性欲が盛んな時期においてさえ、友人らと女のオッパイの話になっても「オッパイなんてどうせ乳腺のあつまりだろ。牛の乳房と何が違うんだ」とまるで相手にしない。

そんな彼が唯一心を開く相手が、鳥だ。彼は鳥に憧れ、鳥のように大空を飛びたいと願ってきた。

つかの間ではあるが、その夢が実現する場面がある。彼は夢のなかで、鳥になるのだ。ここでカメラは、実際に鳥のように空を自由に動きながら風景を撮影している。本作において、もっとも印象に残るシークエンスだ。

そんな彼も、ベトナムの凄惨な戦場のただなかに置かれたことで、精神を病んでしまう。

ラスト。見舞いに来てくれた友人の懸命の呼びかけによってようやく正気を取り戻し(かけ)た彼は、友人とともに屋上へ。だが彼はそこから鳥のように飛び降りようとする。必死に止めようとする友人。はたして彼の運命は…!?

…待ち受けていたのは、なんとも意外すぎる結末であった(^▽^;)

僕自身、浮世離れしたところが結構あるので、本作の主人公格である青年には共感できる部分がとても多かった。

 

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・『ハートブルー

キアヌ・リーブス演じる若き捜査官が、おとり捜査のため、サーファー強盗団に潜入する。

この強盗団、もちろん強盗もやるんだけど、休みの日にはのんきに海でサーフィンを楽しむという、なんともアメリカ西海岸的な強盗団である。

そんな彼らのなかに潜入調査しているうちに、しだいに彼らに情が移ってしまい…というのはもはや、このテの作品の定番パターンですな。

本作の特徴は、ただの犯罪映画ではなく、サーフィンやスカイダイビングなど、海や空のスポーツのシーンを多数盛り込んでいること。なんともサービス精神旺盛な映画である。

こういう「お得感」は、香港映画と似ているかもしれない。

ラスト。なんとかして強盗団の首領を捕まえたキアヌだったが、彼が最後にとった行動は…実に男のロマンにあふれる結末だ。

 

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・『肉の蝋人形』

1921年のロンドン。著名な歴史上の人物たちをモデルとする蝋人形を集めた、蝋人形館があった。が、トラブルに遭い、せっかくの蝋人形はすべて焼失してしまう。

それから12年の歳月が流れ、1933年、ニューヨーク。かつての蝋人形館の主が、この地に蝋人形館を再建した。これと前後して、ニューヨークでは市民の行方不明事件が続発する。

ことの真相は…なななんと、館の主が蝋人形と容姿が似ている人物を拉致・殺害し、その死体に蝋を塗って蝋人形にしていたのだ!

この驚くべき真相を突き止めた女性記者のまえに、館の主の魔の手が迫る!

…という内容のホラー映画。本作の一番の特徴は、1933年制作の作品ながら、すでにカラー映画であるという点である。

といってもまだ本格的な三色式ではなく、より単純な二色式テクニカラーの手法を用いたものである。それゆえ、本作から6年後に制作された『風と共に去りぬ』と比べると、色彩の鮮やかさという点ではとても及ばない。

それでも、この時代にすでにこれだけのカラー映画を作れたということが、21世紀に住む僕たちにとっては驚きである。

余談ながら。本作には1953年につくられたリメイク版がある。「最新の技術で撮る!」という旧作の精神を受け継いだのか、こちらは3D(!)で撮影されている。

 

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 ・『サムソンとデリラ

旧約聖書士師記』にある、サムソンとデリラの逸話を映像化した作品。

監督は、サーカス映画『地上最大のショウ』で有名な、セシル・B・デミルだ。

デミル監督は、動物を用いたアクションシーンがお好みだったようだ。サーカス映画である『地上最大のショウ』はもちろんのこと、本作においても、怪力の持ち主である主人公サムソンが百獣の王ライオンと一対一で対決し、見事勝利をおさめるというシーンがある。

だが本作一番のスペクタクルは、やはりなんといってもラストだろう。

異教徒たちの神殿に連れ出された主人公が、イスラエルの神から授かった怪力によって、神殿を丸ごと破壊してしまう。

単に映像として迫力があるだけでなく、偶像崇拝を許さないという一神教のメッセージが強く伝わってくるという点でも、実に興味深いシークエンスだった。

ヒロイン・デリラの悪女っぷりもまた(男性の観客にとっては)見ものだろう。

 

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