読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

Furusawa Keisuke's blog

政治から映画、アニメ、将棋まで幅広く語ります。

書評『この世で一番おもしろいミクロ経済学』

先日、このブログで、カートゥーン(欧米の漫画)による経済学の入門書『この世で一番おもしろいマクロ経済学』を取り上げた。

今日は、その姉妹版である『この世で一番おもしろいミクロ経済学ダイヤモンド社をご紹介するとしよう。

著者、訳者、イラストレーター、すべて『マクロ経済学』と同じ顔触れだ。

 

さて、この『ミクロ経済学』。『マクロ経済学』とは違い、読んでいて結構、骨が折れる(;^ω^)

その理由は、数式が出てくるから…というわけでは必ずしもないだろう。

たしかに第3章では数式が出てくるのだが、同じコマのなかに≪数学が嫌いな人へ。この章より難しい数学は出てこないと約束しよう≫(32頁)と、ご丁寧にちゃんと断り書きがついているのである。(w

 

ではどうして「骨が折れる」のだろう。

それは、ややこしい話が、とにかく次から次へと出てくるからだ。

 

例えば、経済学の入門書では必ずと言っていいほど出てくる「比較優位」の解説がそうであるし、ゲーム理論の有名な例のひとつである「囚人のジレンマ」についての説明が、またそうである。

これらの箇所は、一度読んだだけでは「…ええっと、あれ? あれれ? これって…一体どゆこと?」と頭が混乱すること請け合い(^▽^;)

だが、何度か読み返しながらじっくり咀嚼していくと、「…なるほど! 言われてみれば、確かにそうだなぁ」と納得させられるのである。

 

それにしても、本著を読んでいて強く思ったのは、日常生活における常識だけで経済現象を捉えようとしてはいけない、ということだ。

人は、「経済学なんて知らなくても日常生活で培った常識さえあれば経済のことは理解できるだろう」などと、安直にもつい思い込んでしまう。

だが、それは間違いである。

我々の常識に反した経済現象など、いくらでもある。

それこそ、さきほど挙がった「比較優位」などは、我々一般人の常識からは絶対に出てくることのないアイデアであろう。

 

考えてもみれば、経済学に限らず、学問というのは、我々一般人の常識からは到底出てきそうにない、驚くべき知見を発見する営みである。

たとえば物理学における「慣性の法則」などは、その最たるものだろう。

動いているものが止まることなくそのまま進み続けるだなんて。しかもそれが本来の物体のありかただなんて!

経済学もまた、れっきとした(社会)科学であり、これまでに驚くべき発見を数多く重ねてきた。

それらを知り、驚くことこそが、経済学を学ぶうえでの醍醐味なのだろう。

社会学者の小室直樹先生(1932-2010)も言っていた。驚きこそが学問の原動力なのだと。

 

この世で一番おもしろいミクロ経済学――誰もが「合理的な人間」になれるかもしれない16講

この世で一番おもしろいミクロ経済学――誰もが「合理的な人間」になれるかもしれない16講